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【提言 1】 知的財産権基本法の制定 〜国家戦略としてのプロパテント〜

 現在、知的財産権の保護は、(1)工業所有権法(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)、(2)著作権法、(3)不正競争防止法の3つの柱から成り立っている。(1)については特許庁、(2)については文化庁がそれぞれ管轄し、(3)については、例えば商号専用権(商法第19条、20条)の侵害に係る損害賠償請求事件で問題となるが、専管庁はなく、(1)〜(3)までは保護が統一的に行われていない。

 確かに、平成8年に閣議決定された科学技術基本計画の中では、科学技術振興の前提条件となる知的財産権保護について触れられているものの、知的財産権の対象をどう考えるか、産業活性化にどうリンクさせていくか、裁判上の権利救済措置をどう改善していくか、知的財産権保護という大きな社会的使命を負う弁理士を今後どのように活用していくか、という全体的な国家戦略としてのパテント政策が国民に提示されたとは言いがたい。

 この点、平成9年4月に特許庁長官の私的懇談会である「21世紀の知的財産権を考える懇談会」(有馬朗人会長)が出した報告書では、知的財産権政策の国家的取組みが必要であるとして、産学官の知的財産権関連の研究や研修を強化すること、大学院に知的財産権に関するコースを設置すべきこと、などを提案している。

 この提言内容を実現するためにも 、知的財産権一般に関して国家施策の明確な指針を示し、包括的に法的保護を与えるシステムをつくり、弁理士制度を一層発展させることが必要と考える。

 そこで、知的財産権基本法(仮称)を早期に制定し、国家としてのプロパテント政策を明確にすべきとともに、弁理士を知的財産権一般について権利保護と救済にあたる専門家として位置付けるべきである。

 さらに、【提言 2】以下の内容につき、弁理士の業務範囲拡大を図るため、弁理士法並びに他の関係法令の改正を行うべきである。

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