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司法制度改革

外国弁護士を対等に扱うべき


7月に司法制度改革審議会がスタートしました。審議項目はこれから決定していきますが、外国弁護士をめぐる議論がなされるかは未知数です。そこで、問題提起の意味もこめて、現在、日本で活躍されているグロンディン先生にお話をうかがいたいと思います。まず現在のお仕事の内容からお聞かせください。

「ニ国間にまたがる仕事がメインです。最近では、M&Aが増えていますね。あとは不動産関連の不良資産についての外国投資家のためのアドバイスなどです」


◆ ◆ ◆

 契約書等は日本の法律に基づくものですね?

「米法のものも日本法のものも入っています。ただ、日本法が準拠法でも、顧客または相手の大半は外国の投資家で、先方が納得のいくように英語で交渉しなければならないですから、契約の席に立ち会うこともあります」


◆ ◆ ◆

外国弁護士として日本で実際にお仕事をなさるうえで、不便なところ、やりにくいところはございますか?

「日弁連は外国弁護士に関して細かい規定を設けています。日弁連は外国弁護士を特別会員の位置づけにしていますが、あくまで事務弁護士で、対等な同僚として取り扱われてない。それが根本的な問題です」


◆ ◆ ◆

特定共同事業では、日本の弁護士が主体として仕事をする形式をとるわけですね。

「われわれの仕事はチームワークで行うものばかりです。全員が弁護士として自分の役割を果たし、同時に全体を把握していなければならない。ですから、実務の中で誰が主体かを問う意味はそれほど感じられません」


◆ ◆ ◆

外国弁護士が日本の弁護士を雇用するのは、指揮命令だからいけないと?(外国弁護士法第49条参照)

「日本特有の抽象的議論の典型ですね(笑)。本来、指揮命令という概念はプロフェッショナルの分野では成り立たないはずです。倫理責任は各弁護士に任されているのですから。雇い主がやれと命令しても、自分が倫理違反であると思うなら、断る義務があります。それなのに変な理屈をつけるわけです。外国の“商売人”が日本に来て、変なことをすれば、下で働く純な日本人弁護士の意見を阻害するだろう(笑)。そのような偏見はどうかやめていただきたい。実際に変なことをしたら、対処すればいいではないですか。

 そして逆は許されます。日本の弁護士が外国法事務弁護士を雇うのはかまわない。日本人弁護士は立派で、倫理を必ず守るから外国人を雇ってもいいが、外国人はおかしな歪んだ性格なので信頼できない、変な命令をするだろうという原則にしています。どう考えても、外国人を軽蔑して、同僚と見ていない証拠です」

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