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Y2K コンピュータ西暦2000年問題

コンピュータ西暦2000年問題

危機管理のマニュアル


 自治省が各地方自治体に対して実施した、Y2K対策の進捗状況の調査によれば、システムの修正・模擬テストはかなり進んでいます。
 また問題とされる埋め込み式のマイクロコンピュータはチップの分類から出発すれば、対処が単純明快なことがわかっています。時間が組み込まれているチップ(注1)を使用している製品はトラブルが発生する可能性があるわけです。身近な製品でいえば、冷蔵庫は時間の組み込まれたチップを使用していませんから、Y2Kの問題は生じないが、
カメラは使っていますから問題が発生する。今、その方法で整理が行われているところです。
 もちろんその作業を遂行することは大事ですが、それだけでは十分ではありません。見落としやミスがある可能性を否定できない以上、不測の事態に備えて、危機管理計画を策定しておく必要があります。
 マニュアルを策定する際は、どこかに落とし穴があることを想定して、漏れがないかチェックしていかなければなりません。


 阪神淡路大震災で痛感しましたが、思い込みをもとにしたり、物事にとらわれたマニュアルを作っていると、いざというとき、応用動作が制約を受けます。Y2Kに関しても、そのようなマニュアルは想定を超えた状況が出てきたとき、対処が難しくなるはずです。 
 危機管理のマニュアルを作成するようなとき、アメリカの考え方はまさに杞憂です。
 「空が落ちてきたらどうするか?」という。
 例えば、「年末から年始にかけて海外旅行をしないように。アメリカの航空機はY2K対策は万全だが、地球上には対策が遅れている国がある。そのような国の航空会社の飛行機の場合、安全に飛行する保証はない」というように。
 しかし、その考え方は参考になります。


 マイクロコンピュータのチップの組み込み方のテストだけでは不十分だということで、米国連邦金融検査委員会は期日のポイントごとに押さえて、それぞれ警戒態勢をどのように敷くか体制を整えていくわけです(別表1参照)
 1999年12月31日は、1900年代最後の日ということで、「翌日まで業務処理が継続する場合、1月1日とあわせて管理体制が必要」。
2000年1月1日は2000年の初日ということで警戒日と位置づけ、「システム・機器が正常に作動するか」をチェックする。あるいは1月31日は2000年で最初の月末処理日だから、「月次処理を正常に実行できるか」を調べる。
 ポイントごとに何重もの対策を想定したマニュアルを作るわけです。そういうものの考え方は、危機管理の上で大切です。

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