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Top Interview
内閣提出法案を修正する意義


反町
法案審議のプロセスは今後、変化していくでしょうか? 例えば、政府提出法案は内閣で全員一致が原則になっていますが、これが多数決に変わるようなことはありますか?
    水野
    行政改革会議で内閣での多数決制を考慮すべきだという意見は出ましたが、今回、法案になった段階では、そういう文言は入らず、内閣の全会一致制が維持されました。ただ現行法でも、全会一致制ということについて、とくに法律的な担保があるわけではないのです。法制局長官が国会答弁で、「これは慣習だが、憲法に基づいた慣習である」という主旨の発言をしましたが、憲法66条3に、「内閣は、行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負ふ」とあります。連帯して責任を負うという表現があるから、全会一致は憲法に基づいた慣習とする答弁です。
反町
内閣はそれで運営してきたので、規範性があると。
    水野
    そういうことです。
反町
最近、内閣提出法案でも、修正がかなり多くなってきましたね。
    水野
    今年の通常国会でも、ほとんどの内閣提出法案は修正を加えられているでしょうね。
反町
内閣だからと、あまりメンツにこだわらず、どんどん修正していくというのは非常に良い姿勢ですね。
    水野
    現在、修正が多いのは、自民党が参議院で過半数を取っていないことが大きな理由だと思いますが(笑)。
反町
中身の善し悪しというより(笑)。
    水野
    そういう状況ではあるにせよ、内閣が提出してきたものに、国会がただ承認を与えるという、イスエマン的な機能のみを果たすのではなく、修正を加えるということ自体は三権分立の原則からしても、おおいに望ましいことだと思います。
反町
今まで官僚が作文をしていた法案では修正もなかなかできなかったでしょうが、これからは副大臣、政務官がリーダーシップをとって法案を起草し、国会答弁をしていくことになると、その受け答えが、法案の内容そのものにも影響を与えるようになるでしょう。そういう意味でも、修正の余地は増えてくる気がします。
    水野
    政治家同士の討論になるわけですからね。
反町
実際にその法案を作った人であれば、一貫性をもち、十分な根拠をもって答弁にあたることができるわけで、またそのことが議員立法を含め、国会の機能全体に良い影響を及ぼすようになるのではないでしょうか。
    水野
    そう期待したいですね。

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