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アジア法整備支援

数多くの支援組織


「アジアの法整備に関する事業を進めていますと、これに関する活動をしている組織は意外なほど多いのです。各々がバラバラに行うより、どこかでまとめるような方向にもっていけないかと、法務省の方々とも話しているところです。
 大学では、早稲田大学と中国の社会科学院が日本の法律を中国語に翻訳する事業にあたっています。九州大学や名古屋大学でもいろいろな取り組みをされている。日弁連の国際交流部会も事業にあたられています。ローエイシャもありますが、そこに所属されている方と、われわれの財団の役員は相当な数、重複していることもあり、これから協力を進めることになっています。また、いくつかの法律事務所も取り組んでおられます。そのような事務所にもできるだけうちの会員になっていただくようにしています」
 また、金子氏は日本がアジア諸国と交流を深めるために、
日本の法曹がもっと国際的に活動できるようなシステムがあればいいと言う。
「例えば、アメリカには、インドネシアやモンゴルなどの社会制度改革のために多くの法律の専門家を出している民間財団があります。
 日本も、政府の支援の一環として、弁護士の武藤司郎さんがJICAからの長期派遣員としてベトナム司法省に出向し、長期滞在されて、非常に大切なお仕事をされていますが、普通、弁護士が長い間、日本を留守にすることは、本業を離れ大変なご負担になりかねないわけです。そのようなとき、サポートできるような社会的制度があればいいのではないか。われわれ財団としても、もっと資金力をつけて、そういう方を派遣するようなところまで考えていかなければと思います」


 同財団が手がける法整備支援のプロジェクトは広がりつつある。
 JICA、法務省と協力して実施していく事業と、財団独自の事業があるが、活動を拡充していくためには資金が不可欠だ。
「財団の運営資金の財源は基本的に会員の年会費ですが、この不況下、新規の財源を確保していくことは頭の痛い問題です。企業から寄付をいただくのも一つの方法ですが、財源を会費だけに求めず、いろいろな他団体との協力しながら、事業を進めていくなどの方法も模索していかなければならないと考えています。
 例えば、文部省には各国からの留学生を受け入れるための予算があります。日本語で法律を勉強して、帰国してから、がんばっていただけるような人をもっと増やしていただきたい。長い目で見れば、それは日本にとっても、必要なことだと思います。
 通産省でも、海外支援協力基金の中で法制度整備の分野にも新しい計画を進めています。この秋から中国とインドネシアとタイでシンポジウムを開催すると聞いています。通産省が経済関係法を主体にそのようなことに取り組むのは非常にけっこうなことですし、われわれとしても、ぜひご協力したいと考えています」

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