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通巻 192号

司法改革・規制改革WATCHING
主な動き

●中央大学シンポジウム「21世紀に求められる法曹の養成と大学の役割」
〜法科大学院・中大試案発表〜
(3月11日)

 3月11日(土)、都内で中央大学法学部・大学院法学研究科シンポジウム「21世紀に求められる法曹の養成と大学の役割」が開催された。今日までわが国の法曹養成教育の先導的役割を担ってきた実績から、中大の法科大学院試案が今後の議論に与える影響は大きい。

 法科大学院を通じた法曹養成のシステム構想(概要)
 法科大学院の当面の全国定員は、1,500〜2,000人とする。法科大学院には原則として法学部出身者に入学資格を限り、他学部生は一旦法学部へ学士入学させる(履修前提要件方式の採用のため)。2年が標準修業期間とされる。卒業時に新・司法試験を受験し、合格者は司法研修所に入所し、法律実務技能教育・訓練を受ける。新・司法試験の合格率はおおむね80%前後とされ、新・司法試験の実施により、現行の司法試験は段階的に廃止する。
 法科大学院教育は、次の3つを柱とする。(1)コア法律領域の体系的理解の深化と法解釈・運用能力の養成(六法と法理学)、(2)各種法領域における創造的な問題解決のための基礎的能力の養成(ビジネス関連分野、公法・刑事法・法政策関連分野、市民生活関連分野、国際・外国法関連分野、司法・紛争解決関連分野、法律関連・学際 分野)、(3)法曹としての人間的資質の陶冶(法曹倫理、リーガル・クリニック、エクスターンシップ、社会研修)、である。


●「弁理士法改正案」閣議決定(3月17日)
       ・衆議院可決、成立(4月18日)

 弁理士の業務拡大と、試験制度の見直しによる弁理士増員を主な内容とする弁理士法改正法案が3月17日に閣議決定された。改正法案の内容はすべて、昨年12月22日の通産省工業所有権審議会答申(「弁理士法の改正等に関する答申―知的財産の戦略的活用に向けて―」)を受けたものとなっている。今通常国会で成立する見通しである。なお、弁理士試験改革については特許庁弁理士審査会に「試験制度部会」がすでに設置されており、今年7月まで審議が行われる。その後、具体的な改正内容を盛り込んだ省令を速やかに公布し、新しい試験制度は平成14年度からの実施を予定している。また、特許侵害訴訟における訴訟代理権の付与については司法制度改革審議会、規制改革委員会の動向を見守る形で、今回は見送られた。

 弁理士法改正法案の骨子
(1) 知的財産取引に係る契約代理業務の追加
(2) 「仲裁」「和解」等裁判外紛争処理の代理業務の追加
(3) 水際での知的財産侵害貨物(いわゆるコピー商品など)の輸入差止申立業務の追加
(4) 弁理士試験合格者の増員
(5) 弁理士事務所の法人化解禁(特許業務法人)


●日本弁護士会連合会『陪審制度の実現に向けての提言』(3月17日)

 日弁連は3月17日に理事会を開き、『陪審制度の実現に向けての提言』を採択した。これは昨年11月19日の『司法改革実現に向けての基本的提言』をより具体化したものである。陪審制は、国民の司法参加を促し、民主的な司法制度を実現する上で重要な意味をもつ。司法制度改革審議会の論点整理(昨年12月21日)の中にも盛り込まれている。

 日弁連提案の陪審制度骨子
(1) 刑事重罪事件で被告人が起訴事実を否認したケースについてまず、陪審制を導入する(選択的刑事陪審制度)〜刑事訴訟法特別法としての陪審法改正〜
(2) 刑事軽罪事件へ陪審制・参審制を導入する
(3) 国が一方当事者となる国家賠償請求事件など一定の民事事件に選択的民事陪審制度を導入する。一定の行政事件につき、陪審制・参審制を導入する。
(4) 少年審判事件に参審制を導入する


●政府行政改革推進本部規制改革委員会『規制緩和推進3か年計画(再改定)』(3月31日)

 資格制度の見直し等様々な規制緩和策を検討している政府の規制改革委員会が、3月31日に『規制緩和推進3か年計画』の再改定を行った。98年度から計画がスタートし、いよいよ最終年度を迎えようとしている。昨年12月14日には、『規制改革についての第二次見解』が公表されており、再改定ではその具体的なフォローアップが示された。
 資格制度の見直しは、弁護士と隣接法律職種(司法書士、弁理士、税理士、行政書士、社会保険労務士など)との業際問題として、司法制度改革審議会の論点ともなっている。しかし、司法制度改革審議会の最終答申は、来年夏となることから、規制改革委員会による規制緩和策が先行したことになる。

 『規制緩和推進3か年計画(再改定)』(抜粋 資格制度関係)
(1) 司法書士、弁理士、税理士の訴訟代理権については、規制改革委員会の第二次見解、司法制度改革審議会の審議結果を踏まえ、司法サービスへのアクセス向上の観点から検討し、2001年度に結論を得て、できるだけ速やかに結論を得る。
(2) 司法試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験、社会保険労務士試験、弁理士試験について、合否判定基準を定め、公表する。
(3) 法律やそれぞれの団体の会則で広告規制のある資格について、広告規制の自由化を検討し、できるだけ速やかに所要の措置を講じる。
(4) 公証人の任命にあたり公証人法に基づく試験を実施する。仮に、その試験が司法試験と重複するものとなる場合には、少なくとも公証人法第13条ノ2所定のいわゆる特任公証人に民間の企業法務に携わった者を任用する道を開く。


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