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第4回「絶望からの再スタートを賭けた挑戦」
小松 典子さん
受験回数/2回
司法書士を目指した理由
大学では建築デザインを学んだものの、建物よりもっと大きなスケールのものを造る仕事に携わりたいと考え土木の道に進むことを決意し、卒業後は建設会社に就職し土木工事現場で施行管理(俗に言う現場監督)の仕事をしていました。年中日焼けし朝早くから夜遅くまで働き、休みもなかなか取れない状況ではありましたが、責任とやりがいのある仕事で、毎日が充実していました。「これが私の天職なんだ」と信じて疑いませんでした。
ところが突然の交通事故により私の生活は一変しました。奇跡的に命は助かったものの長期間の入院生活を強いられ、医師からの「もう現場復帰は難しい」という言葉に毎日泣いて過ごしました。絶望のどん底に突き落とされたように感じ、何で助かったのかとさえ思いました。そんな中で加害者側との交渉が始まったのです。法律知識ゼロの私に相手側はやたらと「判例では…、法律では…。」と繰り返し具体的な根拠の提示をしようとはせず、適当に上手くまとめたいというのが手に取るように感じられました。不信感を抱いた私は事故関係の法律に詳しい方に相談することにしました。

そこで知ったことは、相手側が主張するような判例はなく、むしろ私に有利な判例が多くあることでした。その後、その方の助言もあったお陰で自分の希望する形での示談をすることができたのですが、この経験から法律を知らないことの恐ろしさを知ることになりました。そして法律を知らないことで泣き寝入りせざるを得なかった人たちがどれだけいるのか。私がそうであったように、私が法律知識を身に付けることで少しでも窮地に立たされている人たちを救えるかも知れないと思い、人生の再スタートを賭け司法書士試験への挑戦を決意し、会社を退職することにしました。

LECを選んだ理由
いざ受験を決めたものの、どうやって勉強すればよいのか。とりあえず書店に足を運び、並んでいる受験書を手にしてみたものの何を言っているのかさっぱり…。ただ、本棚を眺めているとどうやら予備校なるものが存在することを発見し、早速インターネットで調べてみることにしました。結果、選択肢は2つの予備校に絞られました(ひとつはもちろんLECなのですが…)。2校とも実績では申し分無く、家からも近く苦痛なく通えるという点では共通していたのですが、その中でもLECを選んだ理由は、歴史があり広島校での実績があること、様々なパターンの講座から自分に合うものを選択できる点(初学者向けの通学講座だけでも新15ヵ月合格コースと新全日制本科講座の2種類)の2点でした。

複数の初学者向けの講座の中から自分に合った講座を選ぶのも結構悩むもので、それぞれの講座の内容を知るためにまず2月半ばにLECの公開講座を受講することにしました。当日講義をされていたのは、この年から新15ヵ月合格コース<春生>生クラスを担当する藤田先生でした。法律についての講義を聴くのは初めてでしたが、噛み砕いて説明してくれた内容は分かりやすく、「質問にも答えてくれそうだし、これなら私でもついて行けそう」と安心できました。新15ヵ月合格コースのビデオクラス、新全日制本科講座のビデオクラスの講師はベテランの方々で、藤田先生は1年目。正直悩みましたが(ごめんなさい…)、もともと勉強が嫌いで怠けぐせのある私は、できれば緊張感のある生クラスでの受講を希望していましたし、当時、広島本校では新15ヵ月合格コース<春生>しか生講義はなく、ちょうど3月末に開講が迫っており、すぐに勉強がスタートできるということもあって自然と講座は決まりました。早期申込特典でテキストの『ブレークスルー』、バインダーが貰えたのも魅力でした。

新15ヵ月合格コース
私の受講した新15ヵ月合格コース<春生>のインプット講座は毎週月・水・金の週3回、夜に授業がありました。講義形式としては、先生が板書をし、全体をざっと流しながら重要論点を説明した後、ブレークスルーを読み合わせていくといった流れでした。ただ、その中で変わったことが2点。1つは講義中ガリガリ書く音が教室に響いていること。これは、第1回目の講義で先生から「自分の講義ノートを作って下さい」という指示があったからなのですが、最初は先生の話に手がついていかず、手がつりそうでしたが1ヵ月経つとスピードにも慣れ、重要論点を頭で整理しながらノートをまとめられるようになりました。このことは意外にも記述式問題を解く際に威力を発揮しました。2つ目は、講義の冒頭に先生が前回の講義の確認と称して順番に1人ずつ質問をしていくことでした。1講義で進む範囲は広かったのですが、今思えばこの「答えられないとまずい」という緊張感があったからこそ頑張って復習が続けられたのかも知れません。受講したのが生クラスだったので、先生と直に話をする機会も多くありました。授業の前後、休憩時間の質問はもちろんのこと、電話やメールでも質問を受け付けて下さり責任を持ってフォローしてくれました。インプット講座終了後も、次の年度の受講生を持ち多忙なのにも関わらず、成績等を気にしてよく声を掛けていただいたり、質問にも快く応じて下さったことに感謝しています。

インプット講座は、まず主要科目を民法→不動産登記法→商法→商業登記法の順で年明けまで勉強し、その後4月初旬までマイナー科目の講義でした。その間、精撰答練【基礎力完成編】、体系書式講座【基礎演習編】といったアウトプット講座があり、4月には精撰答練【ファイナル編】、直前!全国スーパー公開模試があるのですが、私が受講した年は不動産登記法の大改正があったので改正講座が数回ありました。また、新しい規則・登記令もきちんと製本したものを配布してくれたりと、改正部分のフォローも万全なところはさすがLECだなといった感じでした。
ブレークスルー
テキスト『ブレークスルー』は、2年目も変わらずお世話になりました。2色刷りで字の大きさも程よく読みやすいテキストだと思います。バインダー形式になっているので、自分が綴じたいレジュメやコピーを関連するページの箇所に挟んだりどんどんカスタマイズしていけるのも長所だと思います。

内容は、単元ごとの関連する条文の記載、制度趣旨・要件がきちんと記載されているので基礎の理解をするのに適しているし、また、推論対策として判例・学説についてもフォローされているので、基本書はブレークスルーだけで十分に合格に必要な知識を身に付けることが可能です。もちろんしっかり読んだらの話ですが。また、過去問番号が記載されていることも役立ちました。私はあまり過去問を解くのが好きではなく、『合格ゾーン』を解いた回数はおそらく他の合格者の方と比べて極端に少なかったと思います。そんな自分でも答練、本試験で過去問レベルの問題を落とさなかったのはその分ブレークスルーの記載でカバーできていたのだと思います。
ビデオブースクラスについて
2年目には択一データファイリング講座受講のためビデオブースを利用しました。理解しにくいところはDVDを一時停止してテキストを一旦確認してから再度見直すことができる分、聞き逃しや知識の穴を減らす手助けにはなると思います。ただ、好きな時間帯に自分のペースにあった進度で学習できるところが魅力ですが、逆を言えばいつでも受講できる分ズルズル先延ばしにしてしまうこともあるという危険も秘めています。ですから、私は月・水・金の昼コマと決めて取れるだけの予約をとり、何があっても行かなければならない状況を作って半ば強引に自分のペースを作りました。
これから司法書士を目指す方へ
司法書士試験合格を目指すにあたって大切だと思うことがいくつかあります。1つ目は、自分に合った勉強方法をできるだけ早く見つけるということ。私は「試験問題は条文、判例から作られているから全部答えは六法に書いてある」という発想から、過去問は必要最低限しか解かず、六法を辞書ではなく読み物として読み、常に傍らに置き、寝るときにも枕元に置いて寝ていました。ただ、解釈の部分や推論対策についてはやはりブレークスルーといったテキストに頼りました。

2つ目は周囲に惑わされないこと。例外なく誰しも受験勉強中一度はスランプがやって来るものですが、そんな時ほど自分の勉強方法に迷いが生じます。「誰かが持ってるから」と本をたくさん買いたい衝動に駆られたり、突然根拠もなく勉強方法を変えてみたり色々したくなりますが、こんな時はじっとこらえて冷静に分析してみてください。3つ目はモチベーションを維持しやすい環境を作ること。私にとってのそれは勉強仲間を作ることでした。幸いにも新15ヵ月合格コースを受講し始めたころ、先輩受験生たちのグループと仲良くなりました。問題を出し合ったり、質問をしたり、時には叱咤激励を受けながらの日々があったお陰で常に受験生であることの自覚を忘れずにいることができました。また、「絶対追い越してやろう」と必死に食らい付いていく事で「自分は初学者だから…」というようなマイナス意識にとらわれること無く勉強に専念できたような気がしますし、1年目で合格レベル近くまで実力をつけることができたのだと思います。

4つ目は勉強する時は本気で勉強して、遊ぶ時は本気で遊ぶということ。今後、勉強漬けの日々の中で時には気分の乗らないとき、休みたい時も出てくると思います。そんな時は思い切って自分の好きなことをして気分転換してみてはどうでしょう。メリハリがついてまた新たな気持ちで勉強できるのでお勧めです。実際に私も模試や答練の後は仲間同士で飲みにいったり、週に1日は必ずオフを作っていました。

合格率約3%。この数字が物語る通り狭き門の試験です。ただ、法学部だからとか、有名大学出身だからなどは一切関係なく、方法を間違えなければ誰にでも合格の可能性がある試験です。専業受験生、社会人、大学生、主婦、皆さんそれぞれ置かれている環境も受験勉強に費やすことが可能な時間にも差があり、受験年数に個人差は出るかもしれませんが、諦めずに自分を信じることが合格へつながるのだと私は思っています。私自身も学生時代はちゃらんぽらんで、周囲が受験勉強に集中しているのを尻目に全く受験勉強らしいこともせず、適当に受けて合格した大学にとりあえず行ってみるというようなありさまでしたが、こんな私でも「絶対合格できるんだ」と自分を信じ続けることで合格することができました。

答練や模試の結果で一喜一憂することもあるかと思いますが、答練はあくまで通過点にしか過ぎません。「本試験じゃなくてありがとうございました」ぐらいの気持ちで本試験にピークを持っていくことを目標にし、試験が終わったときに決して悔いの残らないような受験生生活にして下さい。これから受験をされる皆様の合格を心から願っています。

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