中小企業診断士

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LEC 2次試験合格メソッド

1.はじめに

1次試験は「気合」。2次試験は「コツ」。こんな風に表現されることがあります。たしかに1次試験はマークシートで選択式の問題なので知識を持って選べれば正答になります。つまり知識問題が多く出題され、がんばった分だけ結果は出やすいと言えます。しかし2次試験は違います。2次試験は論述と口述がありますが、論述試験に関しては勉強をがんばったら合格するというものではありません。
さらに2次試験は解答が公開されません。結局、何が正解だったかどうかは誰も知らないのです。まさに雲をつかむような試験となっています。つまり独学による2次対策は得策ではなく、専門の受験対策機関などの利用を推奨します。2次試験では、中小企業診断士として求められるコンサルタントとしての視点や考え方の基本がわかっているかどうかが評価されます。そのコンサルタントとしての能力の土台作りをしていくことが本来あるべき2次試験対策と言えるでしょう。

2.事例別の特徴と近年の出題傾向

事例 特徴 近年の出題傾向
事例Ⅰ
(組織・人事)
さまざまな業種で出題されます。成長企業よりも成熟企業が多く、第2成長を目指す抜本的な改革などが求められることも多いです。
戦略的な論点から、詳細な組織や人事の戦略までまんべんなく出題されます。
グローバル展開、事業承継、M&A、ハードソフトの融合など中小企業において課題となることが多い論点がテーマとなり出題される傾向が強です。
事例Ⅱ
(マーケティング・流通)
基本的には、小売業とサービス業のどちらかで出題されます。マーケティングミックスの4Pのうち、価格(Price)のP以外の製品(Product)・流通(Place)・プロモーション(Promotion)からの論点で出題されます。 コーズリレーティッドマーケティングやPPMなどの知識問題の出題があります。また、POSデータやデシル分析などの定量分析が出題されています。また商店街事例の出題があるなど大きな傾向の変化が見られます。
事例Ⅲ
(生産・技術)
基本的には製造業での出題になります。経営戦略レベルの高い視点での論点や生産管理の現場レベルでの視点まで幅広く問われてきます。現場レベルでは製造業特有の用語が使われることも多く、工場内のイメージがしにくいケースが多いです。 傾向の変化はほとんどなく、毎年オーソドックスな論点から出題されます。多品種少量生産への対応、下請けからの脱却、さらなるQCDの向上といった論点で占められています。
事例Ⅳ
(財務・会計)
あらゆる業種がテーマとなります。他の事例と比較して短めの与件文が与えられ、財務諸表が載っています。財務諸表は、P/L・B/Sが中心で期間比較か、競合や同業企業との比較がほとんどです。計算問題だけでなく論述も求められますので、定性+定量の両面からの視点が必要です。 第1問が毎年、経営指標を使った経営分析(現状分析)の問題が圧倒的に多かったです。しかし、この経営分析が変則的になりつつあり、将来の予想財務諸表を作らせた結果としての課題を問うものや、投資をした後の状況を踏まえた分析をさせるなど傾向に変化が出てきています。

3.2次試験対策学習のコツ

2次試験対策学習のコツは、コンサルタントとしての必要な能力を養成することです。2次の論述試験で作り上げる答案は、中小企業の社長に対して提出する診断報告書だと思う必要があります。したがって、「誰がその答案を見るのか?」ということに着目して書かなければいけません。経営学に精通している人が見るのではないです。一般の中小企業の社長が見るという想定で書かなければいけません。
つまり、難しい理論や分析結果を経営学の知らない一般の人向けに分かりやすく丁寧に説明することが大事です。これを答案で実現できない人は受かりません。専門用語ばかりで埋め尽くされた答案や、一般知識や業界知識のみで固められた内容では評価されません。その事例企業特有の事象を簡潔に語っているものでないといけないのです。しっかりとコンサルティングの実務に対応した答案を作り上げることを意識してほしいです。対応する部分を以下に示します。

2次試験対策学習のコツ 図

与件文からしっかりと情報収集して、コンサルティング要求を正確に設問文から把握します。この要求を外すとまったく評価されないことになりますので注意が必要です。その結果をSWOT分析など中心に現状分析し、事例企業の課題を解決するための解決先を論述していくということになります。先頭にある与件文と設問文の把握こそが全体の精度を決める部分でもあることにも気づいてください。

4.LEC独自ツールのご紹介

コンサルタントとして必要なのは事例企業の整理と要点がまとまった解説策の提示です。これは簡単にできることではありません。そこでLECではツールを用意しており、2次試験突破のための支援をしております。 そのひとつに「設問構造図」があります。
これはまさに、社長からのコンサルティング要望を正確に把握するためのフレームとなります。
設問構造図の例は次のとおりです。

2次試験対策学習のコツ 設問構造図

これは、例としてシンプルに示した程度ですが、それぞれの設問の要求を構造化することで設問間のつながりが一目でわかります。すると第1問の強みを第3問で活かす。第2問の問題点を第4問で解決するといったように、それぞれの関連性を考えながら各設問を見ることができます。こうすることで、設問要求を外さないで、全体をストーリーのように一貫した流れで捉えることで、事例企業に即したわかりやすい戦略の解答が作れるようになります。 具体的な例として平成26年度の事例Ⅰを使ってサンプルを見ていただきたいと思います。

設問抜粋

第1問
A社は、小規模ながら大学や企業の研究機関と共同開発した独創的な技術を武器に事業を展開しようとする研究開発型中小企業である。わが国でも、近年、そうしたタイプの企業が増えつつあるが、その背景には、どのような経営環境の変化があると考えられるか。120字以内で答えよ。

第2問
A社は、創業期、大学や企業の研究機関の依頼に応じて製品を提供してきた。しかし、当時の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。100 字以内で答えよ。

第3問
2度のターニング・ポイントを経て、A社は安定的成長を確保することができるようになった。新しい事業の柱ができた結果、A社にとって組織管理上の新たな課題が生じた。それは、どのような課題であると考えられるか。100字以内で答えよ。

第4問
A社の主力製品である試験管の良品率は、製造設備を内製化した後、60%まで改善したが、その後しばらく大幅な改善は見られず横ばいで推移した。ところが近年、良品率が60%から90%へと大幅に改善している。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。

第5問
A社は、若干名の博士号取得者や博士号取得見込者を採用している。採用した高度な専門知識をもつ人材を長期的に勤務させていくためには、どのような管理施策をとるべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

設問構造図

このように設問を構造化してみることで、第2問で問われる過去の弱みが第4問の現在の強みにどのように影響していくかを考える必要があることに気が付くはずです。その内容を意識した上で第3問、第4問の戦略系の問題を解くことでしっかり事例企業にフィットした解決策の提案ができるようになります。つまりメソッドをしっかりと活用することでコンサルタントとしてふさわしき解答が組み立てるようになります。 LECの合格メソッドは、コンサルタントの養成に価値をおいています。実務でも使えることはもちろんのこと、合格のための原則が学べる内容です。根拠を持って何が合格の基準なのかをはっきりと理解した上で試験に臨みたいと考える受験生は是非LECメソッドに託してみてほしいと考えております。

★LEC 2次試験合格メソッドのポイント★

  • ・図式化した分析手法により難しい問題にも柔軟に対応できる。
  • ・題意に沿ったロジカルな解答で合格点が狙いやすい。
  • ・合格後もコンサルティングの実践的なツールとして活用できる。

執筆者

黒川 貴弘 LEC専任講師

黒川 貴弘 LEC専任講師
大学在学中に中小企業診断士に合格。
自らコンサルティング会社を起業し、中小企業や個人事業主を中心に経営全般のサポートを行っている。効率学習とイメージ理解で、合格へ最短距離で導く講義には定評がある。
「モチベーションを刺激する講義で、一緒にがんばりましょう!」

平成27年度2次試験 講評動画

事例Ⅰ

事例Ⅱ

事例Ⅲ

事例Ⅳ

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