第2次試験 筆記式は1次試験と異なり、採点基準が明らかでありません。
そのために、ナゾの難しい試験だと言われがちです。 しかし、合格者の答案から判断すると、決して難しい試験でもわからない試験でもありません。
「2次合格レギュラーコース」発売を記念して、各事例ごとの学習法をご紹介します。今後の学習に是非、お役立てください。
※ 各タイトルをクリックすると内容が閲覧できます。
第1回 事例整理シートを用いた学習法
LECの学習ツール「事例整理シート」について紹介します。事例整理シートはその名の通り、自己学習の際に活用するシートです。このシートの本質は、「設問を解く」というスタイルから脱却し、一度、与件文をベースにして「事例全体を考えてみる」点にあります。事例整理シートは「企業概要」「事例別の特徴」「SWOT分析」「真因遡及分析」「経営理念」「方向性」「経営課題」「具体的解決策」「事例に必要な知識」の各パートから構成されます。これらの各パートを与件文をもとにして自分自身で考えて記入していくのです。

ひとつ勘違いしてはいけないことは、実際の80分間の試験時間の中で事例整理シートを書くわけではありません。あくまで実力をつけるための学習ツールです。「でも、設問を解かなかったら、設問に答える力はつかないのでは?」と思う方もいらっしゃると思います。矛盾するようですが、実はそれは逆なのです。下記の図を見て下さい。人間が何かモノを考えるためには、まず「気が付く」必要があります。「設問」から入ると「設問で使いそうな箇所」にどうしても目が行きます。例えば「A・B」という2つの要素にしか気が付かなくなるのです。しかもそれを続けることによって、その人の気が付く幅がいつのまにか固まってしまうかもしれません。そのため、事例整理シートを使うことで、そうしたある種の制約から外れ与件から事例企業をじっくりと考えることで、より多くのことに気が付ける可能性は高くなるのです。この際「A・B・C・D」という4つの要素に気が付けたら、あなたの考える幅は、設問から入るよりも2倍も様々なことを考えられるようになります。この積み重ねが実力・地力に繋がるのです。出題者が「AからE」までの5つの要素を想定しているとすれば、それだけ出題者の思考に近づけているのです。

実は、事例整理シートで記載する内容で、解答に書く内容の80%以上をカバーしてくれます。結局、2次試験の設問は診断報告書を想定して作られますので、「現状分析」「方向性」「経営課題と具体的解決策」という診断プロセスのいずれかが問われているのです。そして、事例整理シートを書き続けることで、診断プロセスの流れが自然と頭の中に染み込んでいくのです。
なかなかこのスペースで、シートの良さを伝えきれませんね。すみません。本気で合格を目指される方、本当に経営診断能力を磨きたい方、続きは講義や通信講座でお会いしましょう。
第2回 事例 I 組織・人事
事例 I は、苦手意識を抱いている又は得点源とすることができていない受験生が多いように見受けられますが、事例 I は他の事例と比べて学習の機会がとても多いということをご存知でしょうか。そこで今回は、事例 I を得意科目にするために必要となる、知識を増やすための「インプット学習」、思考して解答を導きだすための「アウトプット学習」について、事例 I に特化した学習方法をご紹介致します。
(1)インプット学習
・1次試験の過去問
1次試験と2次試験は別物ではなく、同じ知識が求められている試験です。1次試験科目である企業経営理論は2次試験の事例 I と強い関連があることを意識してください。企業経営理論の過去問は、事例 I の解答に使えるロジック、観点、切り口の宝庫です。また、出題のキーワードや表現方法も非常に参考になります。
・中小企業白書
考え方は、上記「1次試験の過去問」と同様です。中小企業白書には事例として、実在する中小企業の成功例がたくさん紹介されていますよね。ここで紹介されている内容は、事例 I における企業(A社)の経営の方向性の1つの仮説として使えますので一通り目を通しておくことをお勧めします。
(2)アウトプット学習
・思考トレーニング
事例 I のテーマである人事組織はどのような企業であっても有する機能です。そこで、ご自身のお勤め先企業、よく行く喫茶店、ビジネス書や雑誌等に登場する企業、等々を事例 I 勉強の題材にしてしまいます。これらの企業を事例 I における企業(A社)として見立て、当該企業の今後の経営のあるべき方向性や最適な組織体制、現場への権限委譲の程度、従業員やアルバイト・パートのモチベーションを高める施策等を検討してみてください。教科書で学んだ知識や切り口等を使うトレーニングになります。
・他者への説明
事例問題を解いた後や、上記のトレーニングを行った後などに、ご自身が策定した経営の戦略レベル、戦術レベルの方向性等について、その考えに至った流れと共に他者に説明してみてください。もちろん、疑似的に一人で行ってもオッケーです。実際に口に出すことにより思考の一貫性や論理性について整理をすることができます。考えがまとまっていなくても説明を実施してみてください。できなかったところを明確にすることに役立ちます。
上記の学習に加え、
(1)本番に近い事例問題をたくさん経験すること、
(2)解いた事例問題について2次試験を熟知した第三者に評価してもらい改善を重ねること、
これが本番の得点力向上に繋がります。これには、是非LECの答練を活用してください。本試験を徹底的に分析したLEC講師陣があなたの知識や思考力を高めるために全力で支援致します。
第3回 事例 II マーケティング・流通
事例 II は、与件文が理解しやすいという特徴があります。その理由として、与件文が時系列的に並んでいることが多く、ストーリー展開がわかりやすい。対象となる事例企業が、小売店やサービス業が中心となるため、現実世界で利用した経験のあるパターンが多く、イメージしやすいことが挙げられます。
しかし、このようにわかりやすい事例であるがゆえに注意しなければならないことがあります。それは、「事例問題そのものを理解した気になってしまうこと」です。つまり、表面的な理解がしやすいために、その奥にある本質的な問題点や解決策に意識が回りにくくなるということが発生します。

対策として、作問者の意図を捉えるということです。まずは設問要求から考えます。「何を問うているのか」、「なぜ問うのか」、という設問の題意を把握します。次に、この設問の題意をもとに与件文から根拠となる情報を探します。根拠となる情報が見つかれば、さらにその真因を探っていきます。そして、真因を正すための解決策を模索するという流れとなります。

本質を理解しようと意識することが重要です。わかった気になっている状態が一番危険です。しっかり注意して取り組んでください。
第4回 事例 III 生産・技術
2次試験の問題では、与件文および設問文に解答を絞り込むためのヒントが、必ず散りばめられています。そのヒントを見つけることができれば解答の方向性を絞り込んでいくことができ、過去問題などを使って繰り返し訓練することで、自然と解答を構成できるようになってきます。
次の図は、背景色が薄黄色の楕円が与件文に書かれているヒント、背景色が水色の楕円は与件文で表現されているヒントに対する逆要素または比較要素になります。つまり、与件文でマイナスのヒントを見つけたら、逆のプラス要素を考える。そして、与件文に書かれた事実と結びつけて解答の方向性を考えていくと解答を導きやすくなります。

2005年度事例 III、第1問 - (設問2)を例にとると、多品目の受注生産で生産現場が混乱し、価格面でも苦戦していることが与件文に書かれています。この問題の逆の対応(受注生産→見込み生産、多品目→絞り込みなど)を考え、多品目になってしまっている「標準品」を絞り込み、連続生産できる体制を構築方向が見えてきます。

この例でわかるように、与件文と設問文を正確に理解することが非常に重要です。過去問などに取り組む際には、これを意識することをお勧めします。
第5回 事例 IV 財務・会計
☆事例 IV で出てくる問題は多くない!
事例 IV は他の事例と違い、最も出題範囲が予測できる事例であると言えます。具体的には、第1問ではお決まりの経営分析の問題が出題され、第2問〜第4問(または第5問)で個別の計算問題が出題されます。個別問題はキャッシュフロー計算、NPV、損益分岐点分析、オプション取引などですが、それほど多くの種類の問題が出るわけではありません。
☆事例 IV を苦手から得点源にするためのステップ
事例 IV は、ごくごく少数の受験生を除いて、最初は歯が立ちません。ですから、そこから得点源にするために正しいステップで学習すればよいだけです。その学習ステップを紹介します。
〜事例 IV 攻略のためのステップその1.取るべきところで確実に取る!〜
事例 IV で必ず出る問題は経営分析です。まず、この経営分析を確実に正答できるようにしましょう!次に計算が比較的容易なキャッシュフロー計算やCVP分析などを理解することで、まずはDを避ける状態に持ち込むことが最初のステップです。
〜事例 IV 攻略のためのステップその2.個別問題は反復&ミスの分析を!〜
学習を続けていくと、記憶があいまいで計算式を間違うなどのミスを「何度も」します。そういうものです。大事なのは、ミスをしたパターンをまとめて管理することです。そのミスのパターンを頭に入れて対応することでミスがなくなり、難しい個別問題も正答できるようになっていきます。
〜事例 IV 攻略のためのステップその3.あとは点数が安定するまで繰り返すだけ!〜
60点を超える点数が着き始めたらゴールはあと少しです。何度も同じ問題を反復し、確実にミスをしない状態を作っていきます。とはいえ、事例 IV は事例 I 〜事例 III に取り組んだ後に行う最後の事例です。疲労でミスをしやすくなるものです。そのため、あえて疲れたときに学習する、毎日学習するなど安定感に磨きをかけましょう!

事例 IV は差がつく科目です。努力して確実に得点源にしていきましょう!





























