
挑戦をあきらめたら“老い”。挑戦し続けることの重要性を学びました。
小野寺 義明さん(40歳)
- 受講講座 :
- 2008年合格目標:1次2次完全ストレート合格コース、
2009年合格目標:2次合格レギュラーコース
基礎答練、応用答練、平日答練、最終答練 - 受講形態 :
- 通学クラス
- 学習期間 :
- 25ヶ月
1. 受験の動機
自分には専門性がなかった。これが大きな理由です。私は社会人になって、経理→デリバリ業務→仕入在庫物流管理→提案営業→販売戦略→プロジェクト管理、と様々な経験をさせていただきました。ただ、逆に自分の武器(専門分野)がないことに不安を感じていました。そんな中、中小企業診断士の資格を知り、勉強を通じてゼネラリストとして磨きをかけよう思ったことがきっかけです。
2. 受験校選び
LECでは、1次2次ストレートコース、2次レギュラーコース、基礎答練、応用答練、平日答練、最終答練、の各クラスでお世話になりました。
受験校をどう活用するかは自分が決めるべきだと思っています。LECが良かった点は、
- (1)いろいろな先生から教わることができたこと…石井先生、金城先生、後藤先生、角澤先生を初め、同じ質問でも違った解釈が得られたりできました。
- (2)定期的なカリキュラムであり、勉強の安定化が図りやすかったこと…年初から2次試験直前まで授業があったので常に診断士学習を意識できたこととモチベーション管理がしやすかったことです。
- (3)生講義で質問がしやすかったこと…わからないことや、知識の安定化を図るためものすごく質問をしました。講師の中でも、多分私はめんどくさい質問内容をしてくる受験生リストの上位に位置づけられていたと思います(笑)。
3. 1次の学習
LECの1次講座で勉強し、2008年に受験しましたが、情報システムで足切りの失態、結果として、情報システム、経営法務、財務会計が科目合格できませんでした。このままではいけないと、早急に合格するためのプランを立て、リスクはありますが、2009年一次試験は残った3科目のみとし、同時並行で2次学習を進めることを決めました。
経営法務は会社法、知財法に絞りとくかく毎日触れ、暗記でなく理解に努めました。情報システムは、ノートパソコンを買ったりで興味を持ち、会社のシステム担当にいろいろ聞いたりして身近なモノにしていきました。
2次に繋がる財務は、1次試験80点以上とるという高い目標を明確にして日々計算を中心に慣れ親しむことに注力しました。
2009年1次試験当日、初日の財務会計は前年に比べ簡単であったのですが、2日目の経営法務と情報システムで、昨年の悪夢が脳裏に過りました。3科目に集中でき、ある程度自信を持って臨みましたが、想定外の問題であったため絶望感やあきらめの気持ちが芽生えました。ただ、ここで通らないと、2次試験に臨めないし、指導していただいた先生方にも顔向けできないと、動揺を必死に抑え、とにかくあきらめないということに注力した記憶があります。結果としては、受験した3科目はすべて60点以上を取ることができましたが、合格と不合格は表裏一体で、気持ち面でなんとか合格できたというのが正直な感想です。
4. 2次の学習
2次は、LEC案内が遅かったため他校で受講していましたが、2009年の年明けからLECで過去問講座を行うという情報を得ました。過去問には触れたい、だけど難しすぎて手がつけられない、といった当時の状況において、この時期から過去問を行うということに魅力を感じました。結果として、過去問だけに終わらず、土曜他校、日曜LECというスケジュールを7月まで行うことになりました。
このスケジュールは、自宅で机に向かえない自分にとって良かったものであり、特に過去問レベルを早い段階で感じることができたのは収穫でした。
財務においては、1次学習からの慣れ親しむ作戦から、LEC答練や意思決定会計講義ノートなど毎日繰り返し学習することで、日に日に力が付いていった気がします。
お陰で、泣きそうになるくらいワケわからない存在であった取替投資やデシジョンツリーなども、夏くらいまでには解けるようになっていました。
ただ、計算問題以外は何を勉強すればいいんだ???ということに対し、1次試験の8月くらいまで、ず〜っと悩んでいましたが、2次に集中できるようになってやっと自分の中で結論がでました。
“財務計算問題は繰り返しの勉強、それ以外の事例対策は研究だ。”
こう解釈したとたん、やるべきことが明確になり、どんどん前に進めるようになりました。
過去問を研究すればいいのだと。過去問から得られる、設問に対する解答の仕方、読む人にわかりやすい文章、受験校毎の模範解答集データ作成、事例別に問われている論点、丁寧な字で書く…。金城先生が口酸っぱくおっしゃっていた過去問の重要性がやっと理解できた感じでした。(・・・遅い??)
※当然、前提には企業診断の本質を忘れていいわけではありません。
過去問について、80分で考え解答用紙に書くという実践形式は、講義を除いて一切行いませんでした。代わりに事例ごとに平成13年から20年まで問われている内容やクセを研究し、本質を知った上でキーワードをうまく使いこなせるように慣れ親しみました。
5. 「私」の1週間の学習スケジュール

6. 試験当日
心掛けていたことは、以下のことです。
- ・ とにかく平常心。もう勝負の大半は決まっている。本番は練習以上の成果は出せない。準備はしてきたはず。だからあとは力を発揮するだけだと開き直る。
- ・ 電車遅れ、騒音、パニックなどあらゆる想定を受入れるという覚悟を決めていた。
- ・ 空欄はあり得ない。空欄を作ると減点の理由を自ら提供しているようなもの。
- ・ 終わった科目は、事例IVが終わるまで深く考えない。
人の多さにビビりましたが、驚くくらい平常心で臨めました。ただ、人一倍答練を受けて磨いたはずのタイムマネジメントが全く機能せず、また、“自己資本率”なんて書いてしまうなど、あり得ないミスを連発し結果的に本試験という魔物に飲み込まれていたようです。
7. 合格の要因
- ・ 合格するという強い意志と、明確なロードマップの作成・修正を常に行った。
- ・ 自分の弱い点を認識し、改善に努めた。
- ・ 試験当日に万全な体制で臨むための健康管理を重点課題とした。定期的な運動実施や、優秀な管理栄養士から食事管理やモチベーション管理をサポートしていただいたお陰で、試験当日に万全な体調で臨めました。
- ・ 財務面においての強みが構築できた。
- ・ わかりやすい言葉と読みやすい文章を前提とした解答を心掛けた。
などありますが、均衡する受験生の中から頭ひとつ抜け出すために、実質面で特に重要であったのは“わかりやすい言葉と読みやすい文章”、“財務面の強み”であったかと思っています。
問題の本質をわかっていない中で端的に書いている文章は、すぐ見抜かれます。わかりやすい文章を書くという本質は、多くの知識の引出しから多面的に考え抜いて、出した方向性をいかに要約し、わかりやすい文章に落とし込むかというスキルが必要となります。
「お疲れ様会」で先生に言われたのですが、私には知識重視偏重の気があり、専門用語を詰め込み、理論展開の解答を書くと言ったイメージがあったようです。
でも意識していたのは、問われていることに対して誰が読んでもイメージできる答えを書くということです。
自分の趣味であるギターの例えになってしまいますが、いくら早く弾けるなどのテクニックを持っていても、自分の技を前面に押し出したプレイをすることは自己満足以外なんでもありません。日々テクニックは磨きながらも、自我やテクニックを抑えつつ曲を理解し、曲にあったプレイをするのが本当にいいギタリストだと思います。
こんなことを常に意識し日々知識蓄積を行いながらも、書いた解答は事例企業の社長にそのまま伝えて理解納得されるものになっているだろうか???
本試験の1ヶ月前までずっと考え試行錯誤していました。
そのことが結果として頭ひとつ飛び出す差別化要因に繋がったのだと思っています。
そして、“財務面の強み”についてですが、自分の戦略は、事例 I 〜IIIは平均で乗り切り、事例IVで差をつけるというものでした。この考えを年初から持っていたので、こと財務に関しては多面的な理解に注力しました。例えば、
- ・ 営業CFは(NOPAT+DEP)だが、収入支出を軸とした場合の違いはどうなるか?
- ・ 純資産が時価の場合と簿価の場合で留保金の扱いはどう変わってくるのか?
- ・ 特殊原価調査で、機会費用を入れる場合、入れない場合はどう判断するのか?
などです。
そんな努力の結果、“財務で差別化戦略”は予定通り進みましたが、結果的に今年の本試験事例IVは難しく、差別化が図りにくいものでした。
それでも自分の中では、やはり事例IVの出来が合格できた一番の要因だと思っています。
財務に強みを持つということは、差別化が図りやすいという実質面以外に心理面でも大きな影響があります。事例のIIIまででしくじっても最後の事例IVで挽回できる、といったモチベーション維持に効果があるからです。本試験において、財務で挽回できるという自信は大きな武器になったと思います。
8. 今後の展開など
診断士資格では、挑戦し続けることの重要性を学びました。これは自分にとって大きな財産です。挑戦をあきらめた時に待っているのは“老い”だと思います。
実務補習後の、診断士としての進むべき方向性はまだ定まってはいませんが、今はLECで公認会計士の授業を受けております。合格するしないにかかわらず2次試験後から次に向けた行動を開始することは決めており、2次試験直後に通学し始めました。
誤解を恐れずに書くと、冒頭にもある通り、私の目標は診断士合格ではなくゼネラリストとしての実力強化です。
合格という事実はとても重要だし、試験に受かるためのテクニックということも重要ですが、診断士としての本当の実力を磨くということを視野に置いた方が、実は合格に近付くのではないかと思います。これから受験される方へはこのあたりを意識していただければと思っています。
最後になりますが、教えていただいた講師の方々には本当に感謝しております。
LECの卒業生として恥ずかしくない中小企業診断士を目指して日々精進したいと思っています。本当にありがとうございました。




























