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mission
1

マダムに高級チョコレートを売れ!

正解はウ

紅茶の値段を高くする。

key

今回の問題のポイントは、『アンテナショップ』において

(1) 高級チョコレートの需要が知りたい
(2) 世帯所得の比較的高い主婦層の需要が知りたい

ということですから、この2つを押さえた上で解答を考えていく必要があります。

あ 喫茶部門に予約制を導入する。

これは不正解です。(1)の幅広い情報を知りたいのに、予約制にしたら限られた人達の情報しかわからない事がその理由です。しかも、今起きている問題と同じ結果になる可能性も高いです。

イ 喫茶部門の面積を拡大する。

これも、(1)の幅広い情報を知りたいと考えているにも関わらず、喫茶部門を大きくしても(1)の情報を得ることができません。女子高生が更に押しかけてくる可能性も…(女子高生、ごめんなさい)。ですから、積極的に選べません。

ウ 紅茶の価格を高くする。

これが正解です。紅茶の価格を高くすることの目的は、

A.多様で多数の来店顧客の目的が、チョコレートなのか紅茶(喫茶部門)なのかを知ること
B.客層を(2)に狭めることが出来る

この2点です。

繰り返しになりますが、(1)と(2)についての情報が知りたい、その情報が知ることができるのであれば極端な話赤字でも構わない、というのがアンテナショップの趣旨です。

ですから、ターゲットでない女子高生が来店しても目的から離れるわけです(実際問題、女子高生であったとしてもお客さんが来てくれる事は嬉しいですが、この問題はテストマーケティングがポイント)。

また、女子高校生が頻繁に出入りするようなお店だと、マダム達の足は遠のくなんていう、お店のイメージ作りからも客層をコントロールすることは大切かもしれません(ストアコンセプトの問題に関わります)。

イメージ(思考実験)をしてみましょう。チョコレートが欲しい人は紅茶の価格が上がってもチョコレートだけを求めて買いに来るかもしれません。しかし、紅茶(喫茶部門)を飲みたい人は価格が高くなったら来なくなります。このように自分の頭のなかでいろいろイメージしていくこと(思考実験)も大事です。

エ 近くに支店を設ける。

これが正解だと感じた方。残念ながら不正解になりますが、積極果敢な店舗展開の姿勢は、コンサルタントの鏡です。やはり成果(例えば、売上増)をあげることがコンサルタントの一番真価が問われるところですから。

おいしいチョコレートと紅茶を目当てにたくさんのお客さんが来ている訳ですから、もう1店舗作りたくなるというのは、非常に素直な思考です。しかし、この問題は上記2つの確実な情報を調べるための『アンテナショップ』ですので、確実な情報を見極めてから支店を出す方が懸命でリスクも低いといえます。そういう意味で不正解となります。

やはり、リスクに対して的確に判断することができない以上、コンサルタントとしては、その選択は積極的にできない面があります。

オ 通信販売を開始する。

確かに、通信販売は確かに高級チョコレートの需要調査は出来るのですが、『アンテナショップ』の意義である短期間で直接的な顧客の声を集める事は難しいかもしれません。しかも、女子高生からしか注文が無かったときは、本末転倒です。そして、もう一つ付け加えると、通信販売で顧客の声を短期的に集める事は非常に難しいです。

例えば、これもイメージして欲しいのですが、もしあなたが通信販売でものを買って、『感想を弊社に郵送してください』と記述があったらどうでしょうか? よほど大きなサプライズかクレームが無い限り、なかなかその反応を広く引き上げることは難しいことが予想できます。

問題文にある当初の目的を達成する事が出来ないという意味で、不正解となります。

まとめ

中小企業診断士の勉強をする事で、ビジネスの世界でよく使用される言葉や、考え方を勉強することが出来ます。今回の問題であれば『アンテナショップ』です。

今回の問題で大体理解していただけたと思いますが、『アンテナショップ』は、企業が『市場の動向や需要の情報を短期間で直接的に探るため』に設置します。そして、その情報が得られるのであれば、極端な話、赤字になっても構わない“捨て駒店舗”だと理解してもらえれば大丈夫です。

肉を切らして骨を絶つ、捨てて勝つ。なにか大局的な支店からの意志決定といえるかもしれません。

『アンテナショップ』で得た確実な情報をベースに、マーケティング活動を行って『アンテナショップ』の赤字分はもちろん、確実に利益を上げられるような店を作っていく。こういった戦略のもと、アンテナショップは位置づけられているのです。

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2

「ヒーコ」ブランドを育てろ!

正解はエ

コーヒー味で無糖のタブレット(粒状の菓子)を開発する。

key

あ 甘いフルーツ味のキャンディを開発する。

フルーツキャンディの場合、ヒーコ人気の特徴である無糖を完全に生かしきれません。「強み」を生かせていないという意味において、積極的に選択できません。

イ インスタント・コーヒーを開発する。

解答がこれだ、と感じた方は、試験の解答としては不正解ですが、経営コンサルタントとしてのセンスは充分にあります。

この問題で求められているのは、現時点でのヒーコの強み「(1) 無糖、(2) 駅売店で熱い支持」の2つをできるだけ生かすことです。

確かに、インスタントコーヒーの場合、スーパーやコンビニなどへ拡がるメリットはありますが、 エ) に比べて知名度が未知数である売り場への進出はリスキーなのです。実務ではそのあたりのリスクを背負いながら、どれくらいのリターンを得られるのか、その実現可能性を加味して、行動を起こしてくことになります。

論理的に正しいからといって、それが実務で全て正しいわけではありません。ですが、試験的には、与えられた範囲で「論理的に考える」ことが正解の絞り込みに重要になります。

ウ 加糖のペットボトル入りのコーヒー飲料を開発する。

加糖ペットボトルの場合も、アと同様に、無糖という強みを生かせていません。せっかく無糖で人気があるのに、わざわざ加糖にして激戦している商品群と競争していくのは、それなりの勝算が必要になります。そういう意味では、リスキーなのです。

したがって、こちらも選択するには消極的にならざるを得ません。

エ コーヒー味で無糖のタブレット(粒状の菓子)を開発する。

これが正解です。タブレットの場合、現時点のヒーコの強み「(1) 無糖、(2) 駅売店で熱い支持」が生かせています。現実のコンサルティングでは答えは無限にあるわけですが、中小企業診断士試験の解答は、強みを1番生かしている エ) が正解となります。

通常、クライアントもコンサルタントの提案をただ黙って採用するわけではないですから、その意味でも本当のクライアントの意向を引き出す意味でもセオリー的なエを第一に考え、話を進めていくような形になります。

まとめ

「SWOT分析のフレームを、実際のビジネスシーンに適用する。」
このような思考運動で戦略を打ち立てることが、コンサルタントとして、ビジネスマンとして必須の能力です。その能力が、最も説得力をもったオピニオンを生み出すのです。

「実務につかえないと意味がない!」
中小企業診断士の試験や学習では、その点を最も重視しています。

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3

高級石鹸メーカーが次に打つ手は?

正解はイ

航空機内の通販カタログ会社へ、自社ブランドの石鹸の掲載を依頼する。

key

本ケースのポイントは、「高級」石鹸メーカーとしての企業イメージ・ブランドというB社の真の「強み」を認識し、その価値を貶めることなく事業展開をする場合、どの方向に進むべきかをしっかりと把握することです。以下、それぞれについて、アンゾフの成長ベクトルの考え方を使いながら、B社が次に打つ手として適切なものかどうか、検討してゆきます。

あ 高級ホテルだけではなく、中級ホテルへ営業活動を行う。

ここでB社が打った手は、いわゆる「新市場開拓戦略」です。新市場を開拓すること自体はメリットもあり、必ずしも否定すべきことではないのですが、それを上回るデメリットがある場合は、オススメできません。B社はせっかく「高級ホテルにつきものの高級石鹸」という企業イメージ・ブランドを確立したのにもかかわらず、中級ホテルに市場を拡大することは、これまで苦労して確立した企業イメージ・ブランドを貶めることになります。その意味で、デメリットは大きいといえ、中級ホテルへの営業活動は適切なものとは言えません。

イ 航空機内の通販カタログ会社へ、自社ブランドの石鹸の掲載を依頼する。

ここでの戦略も「新市場開拓戦略」です。B社にとっては、航空機内の通販であれば「高級石鹸」のイメージを損なうことなく、事業展開をすることができますので、デメリット無く新市場を開拓でき、最も適切な戦略といえます。

ウ スーパーマーケットで、自社ブランドの石鹸を販売する。

ここでは、「自社ブランド商品」という新商品を、「スーパーマーケット」という新市場で販売するという「多角化戦略」が採られています。しかし、この場合も、これまで築いたB社のイメージ・ブランドを損ねることは明らかですので、適切とは言えません。

エ 石鹸類だけから、客室で使用するリネン類へ取扱商品を広げる。

ここでは「リネン類」という新商品の開発に手を広げています。しかし、いくらB社に研究開発力があるとはいえ、もともと歯磨き粉や石鹸といった化学製品のメーカーが、それと関連性の薄いリネン類の生産にまで進出するのは、少し無理があるといえましょう。B社の「強み」はそこまで広げられるものではないといえます。したがってこの選択肢も、適切とは言えません。

オ 利便性を考え、コンビニエンスストアで販売する。

この場合も、前述アの解説で説明したことがあてはまりますので、適切とは言えません。

まとめ

ビジネスの現場では、起きている現象を、ある切り口で分析し説明することが求められることが多々あります。本ケースは、経営学の分野では有名な「アンゾフの成長ベクトル」を使って、化学品メーカーの事業戦略をうまく切り取ることができるケースといえます。

このように、中小企業診断士試験の学習を通じて、実際のビジネスシーンにおいてもきわめて実用性のある思考枠組みを身に付けることができます。

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