Q:“片野学問”の特徴にはコンピテンシー・ピラミッドがありますが、どのようにして形成されたのでしょうか。
片野:本試験(平成13〜17年度)の全設問について、解答の根拠をどこに求めるか(図1)で分類を行ったんです。最初にこの分類を考えたのは、これまでの受験指導経験からくる私の主観からでした。
それは、経営マネジメントの上で、「「与件引用で解答できる」「与件引用で解答は不要、つまりは理論や原則で解答できる」の二つに分かれる設問があり、あとは、「与件引用で解答できない」とどうやら三つくらいに分かれそうだ。」という具合です。 |
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もしかしたら、他の人が見た場合には、この三つの分類は、別に唐突なものではないという感じを受けるかもしれないですよね。
確かに、「与件を根拠に整理する」「与件にとにかく忠実に準拠しよう」「ずばり理論を聞いている設問もある」「与件だけでは答えられない設問もある」といった具合に目新しいものではありません。
つまり、私が考えたというよりは、私を含め誰しもが感じていた、持っていた「解法のエッセンス」を、私が代表して整理分類し、その解法が本当に正しいのか、有意なのか、調査したプロセスで「コンピテンシー・ピラミッド」は形成されていったのです。
この「解法」が、実際に受講生の解答からも同じことが言えるかどうかも分析調査しました。70数名の受講生データを集計して「平成17年度2次試験再現答案と合否の因果分析」(図2)を行い、この「解法」の整理分類が有意なのか、果たしてきちんと区分できるのかを検証してみたところ、大きな特徴が三つ出てきました。
一つ目は、「与件引用で解答できる」というもの。二つ目は、「与件引用で解答は不要、つまり理論や原則で解答できる」というもの。三つ目は「与件の根拠は全く無い」というものです。 |
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片野浩一 講師
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論理思考ソフィストタイプ〜ポジショニング・マトリックス)
筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士後期課程修了。有限会社マーケティング・クリエーション取締役副社長。経営コンサルタントとして多数メーカーや流通企業のコンサルティングを手がける。現在、LEC専任講師として、担任制講座を担当する人気講師である。経営学博士。中小企業診断士。
Q:なるほど。受講生の解答からも同じ分類が出てきたわけですね。三つ目の「与件の根拠が全く無い」という設問があるのは面白い結果ですね。
片野:そうなんです。この三つ目の「与件の根拠が全く無い」という設問グループはどういうことが言えるかといいますと、直接結びつけることは少し強引なのかもしれませんが、与件から解答の根拠が見当たらないということは実践的提案で解答する、つまりは現場対応力、具体的な展開策を求める設問グループと言えると思います。
多変量解析の一手法である因子分析を行ったところ、因子としてこの三つが出てきます。つまりは、解答根拠として私が思いついた仮説を三つ立てて、科学的に検証し、整合性を確認できたということなのです。
解釈可能であるという結果になったので、この分類された「解答根拠」に沿って努力すれば、
合格の確度が高まると自信を持って言えることになります。
Q:その科学的な分析から生まれた合格水準のスキルが、あの四つのコンピテンシーなのですね。
片野:その通りです(図3)。解答根拠の分類を分析調査していく過程で三つのコンピテンシーが分かりました。
つまり、与件引用で解答できる設問グループの対策には「与件参照・引用スキル」を習得し、与件引用で解答は不要な設問グループの対策には「原則・フレームワークの活用スキル」を習得し、与件引用で解答できない設問グループの対策には「実践的提案スキル」を習得する必要があることが分かりました。
そして、合格答案を作成する土台固めをするという意味で、四つ目のコンピテンシーである「文章作成スキル」を習得する必要があります。 |
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■コンピテンシー・ピラミッド

Q:なるほど。科学的に立証した方法論のようですが、他の講師との違いはあるのですか?
片野:そうですね。科学的に検証したことで、他の講師とは対照的と言えるかも知れません。
講師にはその講師にしか語れない、その講師ならではの方法論が多いのが普通です。しかし、
私の方法論に限っては、受講生も含めて、誰もが説明できる方法論なのです。「誰もが」というのは、「仮説を立てて、再現答案分析を行い、その仮説を検証できた」というところです。
Q:それは、受講生もキャッチアップできる解答根拠の導出方法という意味ですか?
片野:そうです。
「それは、何故そう言えるの?」と突っ込まれた場合に、その理由が説明できるからです。私も含めてコンサル経験だけで話してしまいがちですが、
自分の経験を当てはめるだけではない解答根拠の導出方法と言えると思います。