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講師インタビュー 事例の本質に迫る!

2:事例IIの攻略法
Qなるほど!では、そんな事例 II はどのように攻略すればよいのでしょうか?

金城:

 過去問を何度も何度も繰り返し学習することです。私の経験上、これが最高の攻略法です。過去問で「問われ続けている論点」をしっかり押さえておけば、題意から外れた解答をしなくなります。

 「問われ続けている論点」とは、すなわち「診断士としてこれだけのことは知っておきなさい」という出題委員からのメッセージです。言い換えれば、「診断士に求められるレベルの内容」とも言えるでしょう。それを認識することが、合格への第一歩です。だから、そのメッセージをしっかり過去問から受け取れるまで、繰り返し学習して欲しいのです。


Q「問われ続けている論点」とは、具体的にはどんな論点なのですか?

金城:

 「ニーズをどう捉えて、どう差別化を図っていくのか」という論点です。これは、平成13年度から17年度まで一貫しています。事例企業の業態は毎年変わっていますが、この論点はいつも同じです。これは、過去問を1度や2度解いただけでは気が付きません。でも、それに気が付いていないと単なる1次知識で解答してしまいがちになり、題意を外してしまうのです。


Qでは、過去問の効果的な勉強方法をご紹介いただけませんか?

金城:

 そうですね。やはり、ディスカッションをすることでしょう。他人の思考プロセスに触れて、自分の思考プロセスとの違いを認識することは非常に勉強になります。でも、地方にお住まいでそんな環境にない方は、誰かに自分の解答を見てもらうのが良いです。例えば、LECの「再現答案添削サービス」などを利用し、添削講師からコメントしてもらうのもよい勉強になります。

 とにかく、自分の解答を第三者の目にさらすことが大事です。誰でも自分の思考には限界がありますからね。


3:過去問を徹底的に学習する意義
Qお話を聞いていると、金城先生は相当過去問をやり込んだようですね。どのように、勉強されたのですか?

金城:

 私は2年目で合格したのですが、合格した年と診断士の学習を始めた年とでは、過去問学習の質・量ともに全く違いました。1年目は、過去問を各2回ずつ解いただけ。しかも、一貫性も考えず設問ごとに解いていました。今思えば、1次知識や一般論の羅列をしていたような気がします。単なる「試験対策」の一環でしかなかったのです。

写真:金城講師

Qすると、2年目は過去問の大切さに気付いて、学習のやり方をガラリと変えたのですね?

金城:

 そうです。合格した2年目は、時間を計って解いたのが各事例10回以上です。時間を計らずじっくり考えながら解いたのも回数に入れると、とても数え切れませんね。何せ、トイレの中や電車での移動中もずっと与件文を見ていましたから(笑)。

 毎日過去問を最低1事例は解いていました。何度も解いているので、設問構造等をじっくり考えながらです。さらに、写経(過去問の与件文や設問文を全てワープロ打ちすること)は、全事例3回ずつやりました。


Qすごい!まさに、過去問漬けだったわけですね。それだけ過去問を学習して、どんなことが変わりましたか?

金城:

 事例の見方がガラリと変わりましたね。1年目は、2次試験を単なる「試験」としてしか見ていませんでしたから、当然の如く勉強のやり方も「小手先の試験対策」でした。でも、2年目は、2次試験が「コンサルタントの実技試験」に変わったのです。

 過去問と深く向き合っていると「この企業に対してコンサルタントとしてどう向き合うか」という視点になってくるんです。


Qなるほど!診断士の試験は、コンサルタントとしての能力を試す試験なんですよね。

金城:

 そうです。その視点で「この事例企業にどのような提案をすれば成長していくのか」を考え抜けば、事例のテーマも見えてくるし、一貫性も自然と取れてきます。だから、設問にも的確に答えられるようになる。でも、初めから「問題を解こう」という気持ちで取り組んでいると、問題文を浅くしか読めなくなります。すると、単なる「与件の切り取り」に終始することになるのです。

 内外環境はどうなのか、ゴーイングコンサーンとして成長し続けるためにはどうするべきなのか、を与件から読み取れる情報を基に真剣に考えていくと、いろいろなものが見えてきます。


Q何か具体例を挙げていただけませんか?

金城:

 例えば、平成17年度の美容室の事例。ヘアケア・スキンケアなどの物販に関する記述がありましたね。これは、設問の答えとしてはあまり使えるところがない内容です。

 つまり、「問題を解こう」という意識でいると、単なる「ノイズ」なんです。でも、コンサルタントとしてこのB社と向き合ったとき、「顧客生涯価値を高めることがテーマであるとしたら、物販の位置付けはなんだろう」と考えられるようになります。

 コンタクト・パーソネルと顧客の接点の一つとして、美容院におけるシャンプーがありますよね。一方、ヘアケア・スキンケアは顧客が毎日するものです。ということは、ヘアケア・スキンケア商品をB社で購入してもらえれば、顧客はその商品を毎日使うということになります。すると、ここでもB社と顧客との接点が生まれるのです。すなわち、物販が顧客生涯価値を高めるツールとなっていることに気付くわけです。例え全体の8%の売上しかなくても、非常に重要な顧客接点なんですね。

 解答では使わなくても、この事例の根底に流れている重要なテーマの構成要素なのです。実際に、LECの口述リサーチによれば、昨年の口述試験では、物販に関する質問がされています。


Q講義でも、過去問を重視した進め方をされるのですか?

金城:

 もちろんです。1次知識を過去問と紐つけ、それらをどのように活用すべきなのかをお伝えします。知っていて当然の1次知識も、それが2次試験でどう活かされているかが分かっていないと、知識だけで解答してしまうのです。1次知識と2次試験の関連付けを講義で紐解き、活きた知識に変えることが私の講義の最大の目的です。

図:事例IIテキスト

4:受験生へのメッセージ
Q先生、今日は本当にありがとうございました。最後に診断士を目指して頑張っている受験生の皆さんにメッセージをお願いします。

写真:金城講師

金城:

 分かりました。皆さん、過去問は「読んでも読んでも尽きない泉」のように、たくさんの気付きを与えてくれる最高の学習ツールです。言い換えれば「噛めば噛むほど味が出るイカせんべい」です。

 過去問をより深く読み込み事例企業と真剣に向き合うと、コンサルタントの疑似体験の場となります。ただ、これまでの私の話を聞いてもピンと来ない方は、過去問の勉強の仕方が足りないと言わざるを得ません。浅く100事例を解くのであれば、過去問の20事例を5回ずつ解いた方がケタ違いの効果を得られます。残りの期間は、過去問を中心に勉強していって下さい。過去問を徹底的に学んでいれば、2次試験は恐れる事はありません。私の言っていることが正しいということに、必ず気付くでしょう。頑張って下さい!


インタビューの感想
 金城先生の過去問に対する理解の深さには、正直驚きました。事例ごとのテーマから設問構造まで分かりやすく解説して下さり、私自身過去問に対する見方が変わりました。今まで何気なく読み飛ばしていた与件文が、意識を変えて読むだけで、事例企業の問題点や方向性を示す作問者からの重要なメッセージであると気付くのです。2次試験とは、まさに「コンサルタントとしての能力を試す試験」であることを実感したインタビューでした。

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