コンサルタントの現場から(実務面)  

「組織運営とコンサルタント」(東京 石井照之)

ベンチャー企業のコンサルタントをやっていて、いつも思うことは、組織を運営することの難しさです。ベンチャーの従業員は、中途採用の方が多いので、経歴も、考え方もバラバラです。このような社員を1つにまとめ、同じ方向に進ませることは、予想するよりずっと難しいことです。社長の指導力や専門能力といった強力なリーダーシップがないと、笛を吹けど踊らず、人件費だけが膨れ上がり、利益はさっぱりということになります。
先日、あるベンチャー企業の社長さんにインタビューする機会があったので、組織運営の難しさについて尋ねてみました。すると、コーチングの考え方を自分なりに応用して社員に接しているという答えが返ってきました。社員のパーソナリティを分析し、そのパーソナリティに応じて、コミュニケーションの方法を1人ひとり変えているということです。その具体的な方法をここで明らかにすることはできませんが、組織運営のコツが少しだけわかったような気になりました。
組織は“人”の集まりですから、どのようにしたらモチベーションが高まるのか、どうしたら1つにまとまるのか、ということが課題になります。この課題を解決するためには、相手がどのような人物であるかがわからなくてはなりません。また、自分自身のパーソナリティについても知っておく必要があります。自分を知り、相手を知り、それに合わせた対応方法を知る、ということです。つまり、コーチングやカウンセリングの理論です。人の使い方について悩んでいる経営者やマネージャーはたくさんいますが、その解決方法を知っている人はどれほどいるでしょうか。そこまで考えて、ふと気づきました。「ここにコンサルタントの余地があるのではなかろうか。人心掌握の手法を確立できたら、充分商売になるのではなかろうか…。でもそれって、マネジメント? それとも何か別のもの?」。

07月02日 20時2分
 

「ベンチャー企業のモチベーション」(1次経営情報システム他担当 的場秀夫)

先日、執筆の取材でペット共済(人の健康保険にあたるもの)アニコムの小森理事にお会いする機会がありました。最近、朝日新聞をはじめ、いろいろなメディアに登場しているのでご存知の方もいるかもしれません。新規事業開発の講義と前後して取材したこともあり、企業家の5つのモチベーションを思い出していました。5つのモチベーションとは、@人の役にたち社会に貢献できる。A自己の可能性を最大限に発揮して自己実現を図れる。B自己の変革によって成長できる。C人間相互の信頼を構築できる。D他人や社会のために新たな価値と感動を提供できる。です。伸びている勢いのあるベンチャー企業やオンリワンと言われている企業のトップには、このモチベーションが必ず存在します。また、トップのモチベーションが社内にエネルギーの溢れる雰囲気を作り、会社全体が生き生きとしています。
我々中小企業診断士は、診断業務や執筆の取材を通していろいろな経営者の方に出会う機会があります。不況の中、すべての会社がうまく運営されているわけでも、社長が生き生きしているわけではありませんが、どの社長にお会いしても、会社を立上げる時の話や危機を乗り越えた時に話は、ダイナミックなエネルギーを感じます。経営者のサポートをお手伝いする立場である診断士として、このエネルギーを感じ、大切にしてお手伝いをしていきたいと思います。

07月01日 9時8分
 

保険代理店のコンサルティング(東京 経営法務主任講師 柴崎 千秋)

以前、損害保険代理店の経営支援をお手伝いした時のノウハウについて紹介したいと思います。損害保険代理店は、保険会社と代理店委託契約を締結した個人・法人が、その保険会社の代理店となり、「代理店委託契約書」に基づき保険業法、関係法令、社内規定等を遵守し、自立した業務運営が求められています。損保業界も他業界と同様に、「パラダイムの変革」というべき激しい環境変化の渦中にあり、生き残りをかけて、会社同士の合併・他業種との戦略的提携・販売チャネルの再構築等が行なわれています。
特に、平成13年に代理店の収入である手数料体系が自由化となり、従来、一律支給であった手数料が、個々の代理店の売上高・顧客対応力・損害率等の項目評価が手数料に反映するようになってからは、一段と“経営管理の重要性”が増してきました。
代理店の持っている「強み」「弱み」を明確にした上での、経営理念の策定・具体的な販売戦略の立案と実践・目標管理の徹底等が必要となっています。ここでは、具体的な“販売戦略の立案と実践”について紹介します。
1・集中化戦略・・・市場を細分化し、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を特定市場に集中することにより、競争上の優位性を確保する。例えば、代理店事務所から1Km以内の学校・町内会・老人会をターゲットとし、顧客ニーズの強い傷害保険・賠償責任保険の販売、団体割引の活用、会合での説明会開催、来店型事務所の開設等を展開し、売上高の増収を図る。
2・差別化戦略・・・技術・サービス等に独自性を発揮し、競合代理店との差別化を図る。例えば、リスクマネジメントの実践、トータルコーディネートされた保険設計、スピーディな事故処理、中小企業に対する国の助成金提案等を通じて顧客にとってのオンリーワン・エージェントを確立する。
3・効率化戦略・・・代理店経営の効率化・顧客単価アップを推進し、利益率の向上を図る。例えば、未付保の保険提案・不足保険金額のカバー提案等による多種目化の推進、複数年契約提案による顧客の長期化、パソコン・モバイル・Webオンラインの活用等を積極的に推進し、効率的な代理店経営を構築する。

05月27日 17時38分
 

モチベーション(東京 1次・2次講座担当 Akira_T)

経営コンサルティングは企業の経営体質を強化する。わかりやすくいえば、いつまでも利益が出続けて、内部留保が毎年増加していくようにすればよい。
そのためにはどうするか?
企業にとってもっとも大切な資源は何か?
人である。
したがって、社員の資質を伸ばせば経営体質は強化され、自然と業績が伸びる。人を相手にする企業であれば顕著に結果となって現れる。そのためには、各自が自分からやる気になる「モチベーション」が重要だ。私は製造業向けのコンサルティングが主体であるが、作業改善なんかよりも社員1人1人と面談して、各自のやる気を引き出した方がはるかに生産効率があがる。いつのまにか、人事・労務主体のコンサルタントになってしまった。講演依頼も、この手の従業員の士気向上についてが多い。
我が国ではリストラ=首切りという感が強いが、企業再編(リストラクチャリング)には、「人財」が不可欠だ。リストラ後の社員の言動を見ていると、企業が強くなったか弱くなったかすぐわかる。
会社のことを一番知っているのは、その企業の経営コンサルタントなのです。だから、コンサルタントの腕の良し悪しは企業経営に大きく影響を及ぼします。
でも、医者の不養生ではないが、実は自分の会社の内容が一番見えてないとも思える。
ある意味、宝探しの冒険の旅のような生き方を選んでいるから、それもまた愉しさか。

05月03日 22時40分
 

企業の再建相談(東京 中小企業経営・政策、助言理論担当 中村 訓也)

以前、診断士の集まりで、県の関連団体で中小企業の経営相談を担当している職員の方による「企業の再建・再生」をテーマにした講演を聞く機会がありました。このテーマに関して合格講座では、「中小企業経営」において再起・再生の状況を、「中小企業政策」では中小企業再生支援協議会を中心とした中小企業の再生支援施策で勉強していきますが、その方によると、企業再建・再生に関する相談が非常に多くて忙しく、「診断士の先生方にもぜひ我々の業務に協力していただきたい」と話していました。各都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会は、平成14年度の補正予算により、平成15年2月から順次、各都道府県において設置が開始され、さらに政府系中小企業金融機関による企業再建・再生に必要な資金を貸し付ける制度について拡大していく予定であり、今後もこの分野に関するコンサルティング業務は拡大するのではないかと思っています。ただし、企業再建・再生に関するコンサルタントは、誰でもできるようなものではありません。コンサルタントは、関係者との話し合い等を通じてその企業の状況を把握して、今後の方向性について決めて再建計画を作り、必要に応じて債権者との交渉にも立ち会わなくてはいけません。いわば、会社の生死をかけた取り組みですので、半端な気持ちでできるものではありません。経営コンサルタントには、豊富な経験と知識、そして人間性が必要とされるでしょう。大変である反面、コンサルタントとして、十分に力を発揮できる分野ではないかと思います。皆さんも中小企業診断士を取得したのち、こういった分野で活躍するのはいかがでしょうか。

03月16日 16時18分
 

システムの活用とは(東京 1次経営情報システム担当 的場 秀夫)

先日2つの介護サービスを提供している事業所におじゃましました。1つは、「システムをうまく活用している」という事業所(A事業所)への見学訪問、もうひとつは「システムがうまく使えないから見てくれ」と言われて訪問した事業所(B事業所)です。確かにA事業所は’情報’を中心に仕事が行われています。しかし、A事業所ではシステム機能の一部しか利用しておらず、実績報告は紙のメモにより行われていました。一方、B事業所では、自動連動する機能など、システムをフルに使っていました。しかし、B事業所では、’情報’を活用している姿は見られません。計画あっても、現場はその計画ではなく自分自身の判断で業務を行っていたり、システムへの入力が滞ることにより、別の作業が止まっていたりしています。なぜこのような違いが発生してしまったのでしょうか。A事業所のシステム推進リーダは、「システムは情報を活用することによって意味がある」という明確な方針をかかげており、情報からどんな行動に結びらつけることができるかを中心に指導していました。一方、B事業所は、システム推進リーダが不在で、手書きの台帳記入後にシステム入力をしていました。システム機能をフルに使っていない事業所の方が、システムをうまく使っているという面白い体験を通して「システムは手段である」ということを改めて感じました。B事業者の経営者は「システム導入の効果がでないのでシステムを買い換えようと思っている」とも言っていました。

02月18日 23時57分
 

経営コンサルタントって、何ですか?(東京 2次対策他担当 Akira.T)

よく聞かれる事柄です。初めてお会いする経営者の方にも、一般の方にも。私の答えは、「企業のドクターですよ」。お医者さんは、体調の悪くなった患者さんを検査したり、リハビリしたりします。症状が悪すぎれば、手術もします。私も同じことをクライアントにしているだけです。医者にもいろいろなタイプの方がいます。例えば、白い巨塔の財前教授と里見助教授のような二極タイプです。経営の現場を取り巻く環境には、建前論を話す方が多いです。とくに官に近い方。あるいは銀行の方。でも銀行の方は、腹を割って話すと組織の不条理さを認識されている。本当は自分自身で分かってるんですね。でも、組織の一員だから、白くても黒と言わされてしまうときがある。
中小企業経営は、奇麗ごとでは成立しない。悪さ、ずるさをしっかりコンサルトしないと、優良企業にならない。悪さ、ずるさといっても大したことじゃない。如何に現金を内部留保するかである。最近、私の仕事は、法律、社会保険、税務、銀行との折衝、補助金獲得代行など、幅広い業務になっている。その度に建前論者と出会う。批判も受ける。もめることもある。しかし、本質的には正しい戦略なので、時間の経過とともに顧問先は確実に回復する。規則や制度は大切だが、もっと大切なのは経営だ。自分の評価だけでなく、顧問先の従業員の生活もかかってる。大変だけど、こんなに楽しい仕事もない。それが経営コンサルタントですね。

02月14日 2時5分
 

意志のはたらき(東京 1次助言理論他担当 Izumi.H.)

「人がある行動に向かうとき、必要なのはそのための方法≠ゥ。それとも意志≠ゥ。」先日私が受講者として参加した、ある勉強会の途中ででてきた質問でした。そのとき、壇上の先生は、即答せずに「では実験してみましょう」とおっしゃって、私たちを立ち上がらせ、椅子を出して机を教室の隅に片付けるように命じました。そして最後に20個のイスを向かい合わせに10脚づつ、2列に並べ「これは橋≠ナす。全員に渡ってもらいます。ただし、前の人と重ならない方法で渡るように。3週します。」と指示されました。受講生はざっと見渡して50人ほど。「150通りも方法があるかな?」と私は戸惑いました。最初の人は普通に歩いてわたり、次はスキップをして、次は泳ぐまねをして・・・最後は欽ちゃん走りや、でんぐり返し、側転で渡る人まで登場しましたが、何と150通りの方法で渡りきることがでてきました。そして先生が一言。「これが答えです」。そう、意志≠ウえあれば、方法≠ヘ後からついて来る。それも各自が自分にあったものを考え出せる、ということだったんですね。人間って、すごい!と感激した瞬間でした。この経験以来、私はコンサルティングに伺ったときには、どこかのタイミングで「社長さんは、どうしたいですか?」と必ず意志を聞くようにしています。もちろん、「先生、どうすればいいんですか?」といった経営者の問いかけに即答することも、コンサルタントとして必要です。事実、最初は「お客さんや、家族、従業員のために、会社をどうしたらいいかってことばかり考えているから・・・自分からどうしたいなんて考えないよ。」と軽い反発を食らいます。でも、そこでまた「本当はどうしたいですか」と投げかけると、意志≠ノ通じることばが出てきます。そして、後日、「材料の調達が難しいと思ってあきらめていた新製品、やっぱり出す方向で考えたいと思います。調べたら案外近くに業者がいたんですよ。でも調達先は1つに絞らない方がいいかもしれません。この件でまたご相談させてください。」といった具体的、前向きなメールが来て、手ごたえを感じました。現場に行って、自分でも勉強して、またそれを応用して・・・コンサルタントって大変だけど、なんか楽しい!

02月13日 22時1分
 

「F−1、イタリアVSドイツ」(東京 2次対策等担当 早崎實郎)

日本の製造業に元気がない原因は、色々と言われています。一番の問題は、自信喪失ではないかと思います。番組プロジェクトXでは、昔は頑張ってたなという印象の話が多いので、チョッと寂しいですね。ただ、日本の製造業についての現在進行形の姿は、情報として外部に出にくいようです。最近、F−1では、エンジンの信頼性の面でもイタリア車がドイツ車(2社)を抑えて勝ち続けているようです。先日のことですが、この理由について、F−1や人工衛星のパーツを扱う最先端中小企業の社長の見解は、一般の方とは違っていました。共にエンジンを加工する工作機械は日本製なのですが、イタリア車とドイツ車でこの工作機械のメーカーが違うのが理由だそうです。実は、日本の工作機械メーカー同士の戦いだったのです。やはり、日本の製造業が持つ本当の力はすごいのです。

03月21日 9時40分
 

「実務はアート(芸術)」(東京 財務・会計担当 J.H.)

私は常々実務―私は余りコンサルはやりませんがーは理論的なものを具体的な問題にあてはめてく過程だと考えています。それは、一般化抽象化された知識をそのまま使うのではなく、各問題に応じてあてはめ解決をしていくということです。ある大企業の部課長クラスの研修をしたときのことですが、優秀な方が多く理解も十分にされているのですが、これを現場の状況に応じた「あてはめ」や具体的解決にはいま一歩だったとの印象が残っています。逆に過度の現場重視だとルーティーンなものになり創造性が欠けてしまう可能性もあるでしょう。実務は理論的な土台をもったアートではないでしょうか。

02月24日 8時44分
 

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