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| 江戸の小話 プロ野球業界の再編を巡って、利害関係者たちのバトルが激しくなってます。 チーム存続を賭けて一丸となって闘う選手会と、それを応援する地元関係者やファン。新規参入を希望するIT系ベンチャーの争いと、膨大な加盟料と審査手続きを課すオーナー企業。さらには、内外のスポーツ業界の動き。 プロ野球業界にも、ポーター教授の5つの力が確実に作用しているのです。 さて、今回の@ワードでは、市場環境の変化によってもたらされる経済的影響の分析方法について考えてみます。選手たちのストライキにより、地域経済に○×億円の損失が出るなどという話が新聞等によく紹介されているからです。どうやって分析しているか、気になりますよね? けんけんが知る限りでは、その分析は診断士テキストで少しだけ紹介されてる産業連関分析です。 産業連関分析とは、需要の変化が各産業に波及するプロセスや効果を明らかにしたもので、産業連関表(取引基本表)を分析のベースとしています。この産業連関表の開発者であるW.レオンチェフ教授は、その業績によってノーベル経済賞を受賞しています。 ここでは話を単純にするため、農家と製粉業者と饅頭屋の3業種(部門)しかない架空の取引基本表について考えてみます。 饅頭部門のビジネス・プロセス(取引関係)は、1.農家が小麦を生産して、2.製粉業者が小麦を粉にして、3.饅頭屋が小麦粉を饅頭にする、というものです。つまり、饅頭部門の総生産額は、製粉業者から仕入れた小麦粉の金額に、饅頭屋の給料ともうけを上乗せした金額ということになります。 ですから、取引基本表を眺めると、饅頭屋の仕入先(投入構造、コスト構造)や、農家や製粉業者の販売先(産出構造)が分かります。つまり、饅頭屋の景気が良いから、製粉業者の受注増が見込めそうだぞとか、製粉業者の景気が良いから、農家の増産もあるぞ等、取引関係を通じた変化のプロセスが、この表から読み取れるのです。もちろん、集計されたマクロの数字ですが。。
で、この取引基本表を前提に、経済主体にどんな影響が出るかを計算したものが、産業連関分析です。分析に必要なのは、取引基本表から作られた投入係数表*と逆行列係数表*です。でも、取引基本表からこれらの表を導き出すのは、数学のテクニックが必要な上、実際の表はかなり複雑(13部門、52部門...)です。 そういうわけで、もし実際に産業連関分析をする時は、逆行列表のデータファイルだけでもお役所から分けてもらうとよいと思います。逆行列表のデータが手に入れば、需要項目を積み上げて、表計算ソフトで計算するだけだからです。ちなみに、県や人口:100万人以上の政令指定都市の場合では、産業連関分析のための統計が整備されているようです。 また、産業連関分析として有名なものは、プロ野球チームの優勝が地域経済に与える影響だとか、NHK大河ドラマの波及効果等があります。参考のために、大河ドラマの波及効果ランキングを紹介すると、「利家とまつ」が約786億円(日銀 金沢支店の試算)、「武田信玄」が約350億円(山梨県庁の試算、視聴率:30%超)、「武蔵」が約148億円(日銀 下関支店の試算)だそうです。 それから、産業連関分析の応用例は、工場を誘致した場合の地域経済への雇用誘発効果だとか、生産活動に関わる二酸化炭素や窒素化合物の排出量の計測等があります。 2次試験まであと僅かです。でも、けんけんはなぜだかすごく忙しく、学習どころではありません。いつもは暇なのに、こんな時に限ってです。模試の成績も今一つで、本当にトホホです(ため息)。風が吹かないかなぁなどと、ぼやいてます。というわけで、2次試験を受験される皆さんとけんけんに、ぜひ良い風が吹くことを期待して、今月の@ワードはこれでおしまい。
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