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| 孟博然 BSEの影響で、価格破壊のリーダー牛丼屋に豚丼がデビューして数ケ月経ちます。もちろん、けんけんも豚丼が好きなのでよく食べに行きます。で、お店で目につくのが、求むバイトのポスターです。 それは、けんけんが牛丼屋のバイトをしたいからではありません。バイト君の時給(お給料)から、お店の経営状況を推測できるからです。競合店は、3C(コンシューマ、コンペチター、カンパニー)分析のセオリーどおり、こうした情報を定期的に集めています。 今回の@ワードでは、バイト君の視点から架空の牛丼屋さんの経営状況について考えます。 まず、バイト君の時給を千円とします。もちろん時給のレベルも気になりますが、ここでは労働分配率(人件費÷付加価値額)を用います。労働分配率とは、お店(経営者)が稼ぎ出した利益のうちどの程度が労働者(バイト君)の取り分になるかを示した指標です。この数値が50%を超えると、経営的によくない(労働者が取り過ぎの)状況と言われています。 なので、労働分配率を40%とします。また、ここでは計算の簡便化のため、分母の付加価値額に代わって粗利益額を使います。理由は、付加価値額の定義や計算が難しく、ここでは扱いきれないからです(詳細は、診断士試験のテキストでご確認をお願いします)。 で、これらの前提から、このお店の必要とする粗利益額を計算してみます。すると、バイト君一人につき2.5千円/時を稼がないと、お店的に困ることが分かります。なぜなら、お店の必要とする粗利益額は、労働分配率の式から千円/時÷0.4と逆算できるからです。 また、豚丼一杯の価格が400円で、粗利益率を50%とします。粗利益額は200円(400円/杯×0.5)です。つまり、バイト君は時給千円をもらう代わりに、時間あたり約13杯(2.5千円/時÷200円/杯)の豚丼を売らなくてはいけないのです。 しかも、雇われているバイト君は、店頭に2人、厨房に1人程度はいます。お店全体の販売目標は、時間あたり約40杯(13杯/時×3人)ですから、店頭のバイト君は、厨房の仲間を含めて時間あたり20杯(40杯÷2人)の豚丼を売らないといけません。作業的には、片付けや皿洗いなどの作業も含めて、約180秒に一杯(3600秒÷20杯)のペースですから、かなり忙しいバイトといえそうです! でも、仕事熱心な店長は、この程度では許してくれません。もっと儲ける工夫をするからです。一つは、売上高を増やすように、粗利益率の高い卵や味噌汁をサイドメニューとして付けること、もう一つは、来店客数を増やすように、のぼりを立てたり、クーポンを配ることです。ご存知、単価×客数の公式です。 それと、人件費の削減です。 店長は、ピークタイム(繁忙時間)とアイドルタイム(閑散時間)を考慮し、手待ちのムダが発生しないように、来店客数に見合ったバイト君の柔軟な配置を組みます。LSP(レイバー・スケジューリング・プログラム)です。 店長の勝負どころは、お店のサービスレベルを下げないように、なんでもこなせる(多能な)バイト君をきちんと配置できるかです。 仕事熱心な店長のおかげで、せっせと働くバイト君の姿が目に映ります。ひ〜っ! でも、バイト君はがんばって大きな声で接客に励みます。 「ヘイ、らっしゃい」とか、「2番、つゆだく・並一丁」とか。 声出しとは、お店に活気を出すだけでなく、「お客さまが来たョ」とか、「つゆ多めの並を盛ってネ」などと、バイト君同士(チーム)で作業の確認をすることです。忙しいとオペレーションが混乱し、作業に間違いが起こるからです。店頭と厨房のように作業分担(分業)している場合は、なおさらです。メモしたり、声で確認するのはそういうわけです。 生産管理では、指差呼称(しさこしょう)とか、ポカよけなんてキーワードもあります。それから、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の励行。 バイト君の毎日は忙しいし、責任重大です。マニュアルにない機転や自発性だって求められます。サービス業は、優秀なバイト君なしに経営が成り立たないのです。もっとお給料(バイト代)が欲しいですネ!
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