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森本敦司氏

先生とパラリーガル研究とのかかわりの経緯を教えてください

私はもともと大学で秘書関係の科目も担当しており、法学部出身でもありましたので、何か秘書と法律の絡む分野がないものかと思って文献などを調べておりました。そこで法律秘書(リーガル・セクレタリー)という領域があることを知り、外国では一般的な職業になっているが、日本ではまだまだ未開の領域であるということがわかりました。そこでこの領域を研究分野にしようと取り組み始め、アメリカではリーガル・セクレタリーよりさらに専門職の強いパラリーガルという領域があることがわかり、そこからパラリーガルについての研究を始めたわけです。今から十数年前のことです。

日本でもここ数年くらいで、随分とパラリーガルという言葉を聞くようにはなりましたが、日本でパラリーガルが紹介されたのはいつ頃のことですか

パラリーガルという言葉自体は最近のことですが、日本弁護士連合会(以下、日弁連)では1987年頃から「弁護士補助職」や「弁護士事務職」という言葉で、弁護士の補助業務の認定を行おうという動きが起きています。また1999年にもパラリーガルの分野別の資格認定を行おうという動きがあったのですが、いずれも実現していません。また、パラリーガルという言葉については1970年代後半より日本の法律雑誌にも見受けられるようになり、1996年には「法律文化」誌上でもアメリカのパラリーガルに関する記事が掲載されております。おそらく日本でパラリーガルという言葉が少しずつ認知されるようになってきたのはこのあたりからではないでしょうか。1998年には、パラリーガルについての翻訳本も出版されています。

海外の状況はどのようになっているのでしょうか

パラリーガル、あるいはリーガルアシスタントは1960年代にアメリカで誕生した職業です。現在では全米で12万人以上ものパラリーガルいるという統計数字もあります。またイギリスには、パラリーガルに相当する職種として「リーガルエグゼクティブ」と呼ばれる専門職が存在し、約1世紀もの歴史を有しています。

アメリカはいわゆる訴訟社会と言われ、弁護士の数も事務所の規模も、日本とはかなり異なります

たとえば弁護士の数は、現在日本では約2万人、アメリカは100万人以上。法律事務所の規模でも、アメリカ最大のローファームは弁護士を3000人以上も抱えており、弁護士1000人以上の事務所でも全米に12ヵ所もあります。一方の日本では、このところ企業法務を中心に100名を超える規模の事務所が増加傾向にはありますが、最大の事務所でも弁護士数200名前後で、しかも大多数の事務所は弁護士10名以下の小規模なものです。このような状況を考慮すると、アメリカではパラリーガルを活用することで、業務を大幅に効率化できるというメリットがはっきりとしていますが、日本の小規模事務所の場合は、効率化に加えて、秘書的な業務割合も多くなってくるという、わが国独自のパラリーガルのスタイルがあると考えられます。

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