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合格体験記
朝日 賢司さん

朝日 賢司さん <再就職の門、再度叩くには>
「マンション管理業界で働きたい。」私の居住するマンションの理事長として管理会社の方々と接しているうちに、その思いは益々強くなりました。特に、入社されたばかりの初老の紳士が、私の組合の担当になられ、その方が、フロントマンとしての誇りを少しづつ身につけてゆかれるのを目の当たりにして、この業界が益々身近に感じられるようになりました。
マンション管理業は、労働力市場としては、中高齢者市場と思われ、50歳を過ぎてから始め、60歳ぐらいで円熟し、そこで活躍したいと思えば、これが当然に受け入れられる仕事だと思いました。失業中の私は、求人を見つけては応募しましたが、知識も経験も資格も無い私には、厳しい就職戦線の壁は立ちはばかるばかりでした。
「叩けども開かぬ門の前にたたずみ、しかるべき知識と資格を身につけ、再度この門を叩いてみよう。」そう決意しました。その資格とは、宅建とマンション管理士と管理業務主任者の3資格です。この合格をめざして、昨年の2月からLECに通う事としました。

<私の合格作戦>
1. 基本作戦
宅建・マン管ともに、LECの通学講座のインプットからアウトプットまでを網羅した総合講座( ※1 )を選びました。そして、同一講座を2回受講( ※2 )することとし、一回目と二回目とは違う講師の講座を選択し、その間隔が開かないように注意しました。多くの先生の個性に触れられ、知識も定着します。これは良いと思いましたが、単純に計算しても、2. 5時間の講義を200回( 50回×4 )聞くこととなり、6ヶ月、毎日通学しても終わらない事になります。そして、毎日の内容は、平日は、夕方5:00に家を出て、11:30に帰宅します。土日は朝8:00に家を出て、夕方6:00に帰宅します( 土日は2こま受講 )。もちろん、これ以外にやる事は、いっぱいあります。こんな生活を今までと同じように、アル中状態で乗り切ることはできません。休みの無い生活を何ヶ月も続けるために、酒はやめることにしました。
この作戦を続け、復習や演習を怠らなければ誰でも、35点は取れるようになります。基本作戦は35点確保が目標です。
2. 加点作戦
合格に必要な得点が40点とすると、基本作戦では、5点足りません。不足分の上乗せが必要になります。次の加点作戦で2点づつの得点増が図れれば、41点になります。
(1) 宅建試験に挑戦し、合格する過程の中で、民法の基礎と応用力をつける。建築基準法・都市計画法にもシナジー効果( 相乗効果 )が見込まれる。
(2) 設備は、「見て、触れて、学ぶ」をコンセプトにして、言葉で考えたり、覚えたりせず、現場をイメージする。
・ スタンダード講座の受講に先立ち、LECと長谷工ライフが共同で実施している「マンション管理実務講座」( ※3 )を受講する。これは、マンション管理士合格者を対象にした2日間の実務講座ですが、むしろ初学者向きとも言え、充実した研修施設での現場体験により、後の学習を右脳が支えてくれます。
・ 自宅マンションの設備の点検や建物診断に、見学者の立場で立ち会うようにする。実際に、コアー抜きしたコンクリートが、フェノールフタレイン液によって赤く変色するのを見たり、塗装やタイルの引っ張り強度試験を目の当たりに見たり、タイルの浮をテストハンマーで叩いて、音の違いを体験すると、設備の苦手意識はどこかに飛んでいってしまいます。
(3) フィットネスクラブのジムやプールで、毎日2時間、体を鍛える。
・ 本試験で集中できる体力を養成する。50歳をすぎたら、集中力やモチベーションを維持できる体力が、すべての原点と思われます。 ・ 日頃、使っていない筋肉に刺激を与え、脳を活性化する。実際に脳の活性化には有効と思いますが、効果の有無よりも、年とともに脳が退化してゆくとマイナスに考えるよりも、日々脳が活性化してくれるとイメージするほうが、種々の限界に直面する受験勉強には有益です。
・ 一定時間集中して勉強すると、頭が疲れて限界に至ります。そんな時、脳の疲れを取るには水泳が最適です。( 最近、フィットネスクラブも低料金です。)

<苦労した宅建・・・思い込みからの解放>
宅建の勉強を始めた頃、覚えることの多さに閉口しました。何回やっても、時間をかけても覚えることができないものが山積みになっていました。「よっし、覚えた」そう思っても、翌日には何も覚えていません。「こういうのは自分には向いていないのかも知れない、やはり、年だから無理なんだろうなー。」そんな想いが強くなります。
本当に覚えられないのだろうか、自分の一番苦手な「35条・重要事項説明」で試してみよう。ちょうど、5月の連休に、岐阜県の山村にある実家に一人で帰省する用事が有りました。そこは、今は誰も住んでおらず、聞こえるのは川のせせらぎと、鳥の鳴き声だけの静かなところです。
朝から晩まで5日間、たった一枚のA4の表を眺め、考え、覚えるための方法を工夫しました。こんな環境の中で、「たった一枚の表」が覚えられないはずはありません。帰る頃には、目を閉じると、一枚の表を写真で取ったように思い描く事ができるようになりました。「できない」との思い込みから開放された瞬間でした。故郷の山や川が私を応援してくれたからでしょうか、それからは、覚えることへの抵抗はなくなりました。

<模擬試験の活用>
模擬試験は、宅建で7回、マン管・管理業務主任で6回と合計13回、全てLECのものを受験しました。回数をこなすと時間配分は自然と身に付きます。最初は、5問ごとにラップを刻み、ペース配分をしていましたが、全部2分でやったり、考える問題を5分でやり、あとは1分でやったり、一切時計を見ないで最後までやったり、途中で休憩を取ったり取らなかったり、と色々な方法を試して見ました。こうした経験を積んでおくと、今年のように出題傾向の違う問題に出会っても、時間配分は、13回分の経験が自然とコントロールしてくれます。

<直前期の過ごし方>
問題演習は、宅建試験後の40日間に集中してやりました。どの問題も、一回目は50問につき、15時間ほどの復習をして、2回目以降は間違えたものだけを繰り返しました。この間に、間違えたものに付箋を付けておき、直前期にこれを活用しました。
〜使用したもの〜
・模擬テスト(LEC) 50問 × 3
・問題演習講座(LEC) 25問 × 6
・過去問 法令(LEC) 178問 設備(LEC) 122問
・完全予想模試(LEC) 50問 × 3
・直前予想問題集(LEC) 50問 × 3
・直前予想問題集(LEC) 50問 × 4

<前日の過ごし方>
直前期用の問題集の付箋はがしが終わっていないもの( まだ、間違えているもの )を午前中に終わらせました。午後は、3日前に総復習用に使用した1000肢徹底特訓講座のテキストに、知識があいまいなものとして付箋がつけてあった項目を、再度チェックしました。夕方は、いつもの通りプールに行き、ステッパーで汗を流し、筋力トレーニングの後、よく眠れるようにしっかりと泳ぎました。
夕食後、マッサージを受けて疲れを取りたくて、近くのスーパー銭湯に行きました。
一番行きたかった一軒目は、駐車場に入れず、二軒目は、受付時間が過ぎていました。やむなく、行きたくなかった三軒目に行きました。ついていないと思いつつ、泣きそうな気持ちでマッサージ室に入りました。マッサージが始まってしばらくすると、いつもとまったく違う快感が体中に広がってゆきます。これは、私の50年の人生の中でも、たった3回しかない経験です。一人は横浜の針灸士、もう一人は今もお世話になっている整体士、三人目は目の前にいる青年です。彼は3日間だけ、この店に応援に来たと言いました。施術後、体中が軽くなり、雲の上を滑っているような足取りで帰路に着きました。その日はぐっすり眠りました。試験当日も、新しい自分が目覚めたような爽快な朝を迎えることができました。

<今年の問題・・・自分の良識で考えてみよう>
今年の問題は難しかったといわれます。平均点も、大きく下がったとの事です。でも私は自己採点で40点をとることができました。この1年間、40点を取ることだけを目標に頑張ってきたのです。この喜びは、筆舌に尽くしがたいものがあります。興奮の冷めやらぬ日々を数日間過ごしたように記憶しています。
そして、高得点という「おまけ」までついていました。しかし、相対的に高得点といわれても、私にはピンときません。最初から最後まで、普通に考えて、普通にやっただけなのです。
最初の問題は、いつものやつだなー、2問目もこんなものか、でも3問目になって、チョット変だな、6問目に至って、ある決心をしました。「なんだこれは、もう今まで勉強した事は全部忘れて、自分で考えよう。今まで、いっぱい勉強してきたのに・・・・」そして、「考えるのだから、時間がなくなってもあせらないようにしよう。考える時は、4分までにしよう。5分以上かかると思ったものは捨てよう。」このように考えながら、今まで得点源にしようと思っていた抵当権と仕分けの問題は、時間がかかると思ったので捨てることにしました。この2問は最後に時間が10分残ったけれども、もうやりませんでした。捨ててしまったものに、未練を残してはいけません。

<一夜にして潰えたハイセンスの夢>
本試験当日の話をLECで話したところ、最上講師から、「勉強した事では旨く回答が導き出せない時、知識に頼るのではなく、自分で考えようと切り替えができたところが、合格のポイントだ。」と誉めて頂きました。ある人は、センスが良いから、得意分野を捨てることができたとまで言ってくれました。センスが良いと言われ、なんだか、うれしくなり、その快い響きに、いかばかりかの興奮を覚え、その夜は夢とともに眠りに就きました。
翌日、宅建の模試を整理していたら、自分が書いた反省文が出てきました。
『前回に比べて、どの科目もよく勉強してあった。なのに、6点も悪かった。考えるのは疲れるから、記憶に頼ったり、深く考えないで答えてしまった面が多々ある。次は、2時間が終わったら死んでしまっても良いので、全力でやってみよう。もしかすると、その訓練がないと宅建もマン管も難しいかもしれない。記憶に頼るのではなく、総合力で勝負しなければ勝てない試験である。』
こんな事を自分で書いたのかと驚きながら、模試の解答解説をめくっていると、講師のコメントがあちこちにメモって有りました。
代理の問題には「民法は勉強が進むと、知識に頼ろうとする。民法の基礎から考える。」
債務不履行の問題のところに「弱者保護の発想、これに気づけば正解です。」
錯誤無効の判例では「知識に頼らないようにすれば、この問題はできます。」
民法の全体的解説には「民法は考える問題。判例が多い。現場で裁判官になったつもりで考える。そのためには、ウオーク問の解説を読み、覚えるのではなく、納得する。」
私が合格できたのは、センスが良かったからではなかったのです。宅建の試験が終わって忘れていたけれど、LECで教わった自分で考える習慣を、地道に積み重ねてきたのがポイントだったのです。こうして、ハイセンスな夢は一夜にして潰えてしまいました。
以上が、普通のおじさんである私が、普通以上の努力を誓った10ヶ月の軌跡のご紹介でした。


※1 マンション管理士・管理業務主任者完全合格パックコース
2004年度マンション管理士・管理業務主任者完全合格パックコースは、以下の講座から構成されていました。
・マンション管理士スタンダード講座
・マンション管理士ハイレベル講座
・1000肢徹底特訓講座
・パーフェクト演習講座
・マンション管理士全国公開模擬試験
・管理業務主任者全国公開模擬試験

※2 2回受講
LECには、フォローシステムとして、クラス間自由乗り入れ制度があります。同一講座において、一定の条件のもとにLEC各本校の「生・ビデオ・LTVクラス」に自由に出席することができます。何度でも受講できますので、欠席フォローや復習に大いに活用できます。対象となる講座等、詳細はお問い合わせください。

※3 マンション管理実務講座
長谷工コミュニティ技術研修センターを会場として、実施されました。設備・施設を「見て」「触って」「実体験して」学んでいただく講座です。三年目を迎えた今年度も一層の充実をはかって参ります。