【特集】今注目のAEO制度(認定事業者制度)
1.AEO制度が通関士の需要を急増させた!
AEO制度とは
2001年のアメリカ同時多発テロ以降、国際物流におけるセキュリティの確保と効率化が世界規模で求められています。このような背景から世界税関機構(WCO:World Customs Organization)は、2006年にAEO制度の世界標準ガイドラインを定めました(世界税関機構とは、各国の関税制度の調和・簡易化と関税行政の国際協力を推進する国際機関です)。
このAEO(Authorized Economic Operator:認定事業者制度)とは、先進各国において、優れた貨物管理体制(セキュリティ確保とコンプライアンス)を有する優良民間事業者を認定し、物流のセキュリティ強化と効率化に取り組んでもらい、そのかわり、その企業の税関手続を簡素化することで、その企業の輸出・輸入手続の負担を軽くし、優遇する制度です。
この流れを受け、日本においても、AEO(Authorized Economic Operator)プログラムが数多く導入され実現されてきました。
具体的な制度としては、(1)「特例輸入申告制度」、(2)「特定輸出申告制度」、(3)「特定保税承認制度」、(4)「認定通関業者制度」、(5)「特定保税運送制度」、(6)「認定製造者制度」があります。これらの承認や認定を受けるためにはコンプライアンス(法令遵守)に優れている企業であることが重要な要件の一つになっています。
通関士試験への影響
とりわけ上記(4)の「認定通関業者制度」は通関士試験に大きな影響を及ぼしています。
認定通関業者は法令遵守に優れた業者です。認定通関業者の法令遵守にとって重要な役割を担うのが通関士です。従って、通関業者の中で働く通関士を求めます。また、今まで以上に法令遵守に強い通関士が求められます。通関士に期待されるのは、関税関係法令を中心とした通関業務の法令遵守です。
このような流れは通関士試験にも大きく影響しています。業界は、今まで以上に優秀な通関士を求めますので、通関士試験の難易度が高まりました。結果として、合格率は一桁台へと急降下しました。反面、難易度が高くなった通関士試験に合格することはそれだけ社会的ステイタスが高くなったとも言えます。
難易度が高くなったことで、独学で学習することの限界を感じている方も少なくありません。事実、ガイダンスなどで次のような声をよく耳にします。「独学で勉強してきたが、何年やっても合格できない。独学では受からないのではないだろうか。予備校や専門学校に頼らなければ無理ではないだろうかと思いガイダンスに参加してみました。」
そして、何年も独学で学習してきて合格できなかった方々の多くがLECの講座を受け、一からやり直した結果、見事に合格を勝ち取っているのです。
2.AEOの具体的制度についてその内容と認定によって得られるメリット
AEO制度は、貿易関連事業者全体の法令遵守の体制を確立するための制度です。法令遵守の取組みを行っている事業者に対し、国は、税関手続を簡易、迅速にし、企業のコスト削減を可能にしてくれるのです。
3.通関業者が優良認定を受けるためには、どうしたら良いのでしょうか?
認定通関業者となるためには、(1)法令遵守体制の整備と、(2)法令遵守規則(コンプライアンス・プログラム=CP)の作成が重要な要件となります。
1 法令遵守体制の整備とは?
具体的には、社内に法令遵守をチェックする法令監査部門とその監査結果を社内に徹底教育する総括管理部門を設置することです。
2 法令遵守規則(コンプライアンス・プログラム=CP)の作成
CPを税関に提出して、必要事項が記載されているか等の確認を受け、税関による実地調査を経て、認定申請書を提出します。その後、税関により審査され認定を得ます。
3 優良認定を受けるために通関業者は、こぞって優秀な通関士を求めます
通関業者にとっての法令遵守とは、適正な通関手続を確保することにあります。そして、法令遵守体制を整備するためには、通関手続業務の高度な知識が必要です。中でも高い専門知識を有する通関士の育成はその根幹になります。企業は、高い専門知識を持った通関士を数多く育成することによって優良認定を受けることができます。
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