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実務家・大澤講師へインタビュー キャリア・コンサルタントは魅力あふれる仕事です。

「キャリア・コンサルタントって目新しい資格だけど、どんなことをするのだろう?」「活躍の場はどこ?」「資格取得者の仕事について聞いてみたい」そんな皆様の疑問を、実務家でもある大澤講師に余すところなく投げかけてみました。

大澤講師にとってのキャリア・コンサルタント 社会保険労務士資格との関わり
講座の様子 キャリア・コンサルタントのこれから


大澤 一公 LEC専任講師
【プロフィール】
経理業務経験11年。債権債務管理、社内監査、原価管理、税務申告、決算業務、経理システムの構築・運用を担当・統括。
その間、現状分析、問題点の明確化から解決策提案に至るまでの、一連のプロセスを通し、業務改善・効率化に積極的に取組み、コスト削減等に貢献。
キャリア・カウンセリングの分野では再就職支援型のキャリア・コンサルティング、 キャリア・コンサルタント養成講座等研修講師、研修用カウンセリングテキスト執筆、カリキュラム作成の経験を有する。 さらに、キャリア・コンサルティングを活用した勤労者へのモチベーションアップの仕組みづくりを企業向けに実施している。

大澤講師にとってのキャリア・コンサルタント
キャリア・コンサルタントはどのような仕事をするのですか?
個人の職業選択、キャリア形成、計画作りや実行のお手伝いをする役割ですね。
本人が目指し、やりたい仕事につくために必要な資格取得のアドバイスをしたり、社会情勢などをお話して自己実現を支援していく、そんな仕事です。
キャリア・コンサルタントを目指したきっかけは何でしたか?
実は、私自身も目指す仕事の方向性に悩んでいた時期があったんですよ。そんな時に写真入でキャリア・コンサルタントが紹介された雑誌記事に出会い「ああ、これだ、この仕事おもしろそう!」と強く感じ、心の中に湧いてきたエネルギーに従いました。
会社も労働者も疲れた感じがしている時代ですから、皆に元気になってもらいたいと思っていました。自分の仕事に価値観を見出せるようになると大きな満足感が得られるはずです。
その適職探しのガイド役がキャリア・コンサルタントと知り、「これぞ天職!」と思ったわけです。
キャリア・コンサルタントの魅力はどこにありますか?
語り尽くせないものがありますが、適正診断やワークシートを使いながらクライエントの過去現在を聞き、本人も気付かない可能性を引き出していく、未来志向の仕事なんですよ。
過去の経験、職歴を尊重しながら、それだけに縛られず、本当にやりたいことを見つけ、的確にアドバイスをします。
隠された可能性はすぐに見つかるわけではありませんが、思いがけず全く違う適性が出てきたりする。そういうところがおもしろいですね。
これからの世の中にキャリア・コンサルタントが必要とされる理由は何ですか?
我々をとりまくビジネス環境は激変していますよね。でもこれはチャンスでもあるんです。個人がやりたい仕事にチャレンジし、自己実現ができる、それが今であり、そしてこれからです。ところが、しっかりと自分のビジョンを持っている人はまだまだ少ないと思います。
そのために我々が必要とされているのです。キャリアプランの作成、支援、そういったことを行う専門家であり、将来性は十分にある仕事ですよ。
キャリア・コンサルティングを受けるメリットは何ですか?
これからの仕事のやりがいが明確になることです。夢だった仕事を、コンサルティングによって現実にぐーっとひきつけられるかもしれない。
そして具体化してくれば、実現に向けての積極的なキャリア形成を行うこともできますし、そのための支援も可能です。
キャリア・コンサルタントをしていてよかったと思ったことは何ですか?
「いいことばっかり」と言ってもいいくらいです。苦労の末にやっと適職が明確になったり、キャリアプランが出来上がったりしたとき、「やったあ」とクライエントの表情が輝き、生き生きしてくる。
そうした時、自分もまた「ああ、やっていてよかった」と強く思うんですよ。この仕事をしていて楽しいし、さらに周りの人が私を「楽しそう」と評価してくれます。
これは天職に違いない。生きがいとやりがいの中で生きている感じがします。

社会保険労務士資格との関わり
先に取得された社会保険労務士としてはどのようなお仕事をされていましたか?
事務手続関係の仕事をしていましたが、だんだんキャリア・コンサルタントとして意見を求められることが多くなり、比重が変わってきました。社会保険労務士の肩書が忘れられてしまうことさえあります。
でもそれでいいと思っています。キャリア・コンサルタントだからこそ、第三者として若手社員の人事評価をしてくれ、というような依頼も受けられますから。
社会保険労務士とキャリア・コンサルタントのアプローチにはどのような違いがありますか?
キャリア・コンサルタントは個人が組織でどうがんばるか、やりがいなどを探す仕事です。一方、社会保険労務士は、働く環境を整備する仕事。賃金制度とか就業規則とか、制度面も大切ですよね。
人々が安心して働くためには両方とも必要です。そして、企業の活性化、個人の幸せ、という目標は一緒。アプローチ方法が異なるということなんですね。

講座の様子
通学講座では、さまざまな職業や年代の方が一緒に受講するわけですが、初回はどのように始まりますか?
初日はまだまだ皆さん緊張していますね。まずは自己紹介や簡単なゲームをしながら講義を進めます。やがて、ペア実習やグループワークを通じ、実技の回数をこなしていくにつれ、互いにほぐれていくものです。
講義はどんな雰囲気で行われますか?
受講生は、当然ですが、自分の意思で参加しているから、皆さん積極的で非常に熱心です。だから講師としてもハッピー(笑)。
時間が押してきてしまって2時間休憩なしという日もありますが、それでも皆で合意したことなら文句は出ませんね。
講義中の質問は多いですか?
質問はためておくと新鮮さがなくなりますから、講義の途中でわからないことがあったら、どんどん聞いてください、と言っています。野菜と同じで、疑問に感じたことはその瞬間、旬が大切ですから。手はよく挙がりますね。
他の人も同じ疑問を持っているかもしれないので、一人の質問は皆で共有します。私の回答についてまた別の角度から尋ねられることもあり、自然に双方向で進めていくことになります。
互いに理解度を確認しあい、また講師の方も参加者から学ぶことが多いんです。いい意味での連鎖反応ですね。それだからこそ、通学講座の意味があるのではないでしょうか。
参加者の皆さんは、どんな交流をされていますか?
世界が異なり、普段は触れ合わないような人と一緒に勉強をするので、新鮮味があるようですね。知らない世界のことが少しずつわかってくるのが楽しいみたいです。私からは、ここではお互いの価値観を尊重してください、と頼んでいます。
ええ、皆さん十分理解してくださいますよ。違いをよい意味で認め合い、年配も若い人も仲良く、キャリア・コンサルタント養成講座ならではですね。誰か欠席したらすぐわかるし、「さびしいね」という言葉が出たりしますから。
サークルみたいな雰囲気もありますが、授業として締めるところは締め、演習を通して心と心のふれあいを確かめるようにしています。私自身はあまり介入はせず、自然の流れを大切にして、最小のアドバイスにとどめています。
他人に意見を押し付けるタイプの人もいますが、それが本当に他人のためになるかを意識してもらうことが、本人を変えてゆきます。他者は異なる意見を持つことに気付き、だんだん「相手の話を聞こう」という姿勢が出てくるのです。
実技の中で、参加者が自分自身について話すことがありますか?
自分の話をするのはかなり勇気がいることですよね、ですから、少しずつ時間をかけて実施していきます。キャリア・コンサルタントは、クライエントの身の上話を聞く職業なので、「自分を語るのはいかに大変か」をまず感じておいてもらいたいのです。そうすれば、うちとけた、話しやすい雰囲気作りを心がけられるようになるはずです。
ご自身が受講されていた頃、講義で難しいと感じた点はどんなところですか?
「傾聴(けいちょう)」=「聞く技術」が大切なんだと認識するまでが、私は長くかかり、苦労しましたね。通常の社会ではプレゼンテーションなど、話す技術の方が重視されがちで、聞くトレーニングをすることもまずないでしょう?キャリア・コンサルタントはとにかく聞かなければクライエントのことがわからないし、聞かないことにはアドバイスもできませんからね。
講座が終りに近づくと、どのような雰囲気になりますか?
10日間というのは案外短いです。あっという間に終わってしまいます。楽しんで積極的に参加するようになると、時間の過ぎるのがとても早いんですね。皆さんの熱意を感じ、なおかつコミュニケーションをうまくとれるようになると、講師としてやりがいをひとしお感じます。
LECの講座では、初回に「自分の目指すキャリア・コンサルタント像」をまず描くので、それがだんだん明確になってきます。講座の中で必要なスキルを発見し、成長していく一人一人の姿が、互いの励みになるようです。
そしてここまで来ると、検定試験の合否というより、実技を学んだことで「やれる」自信がつくようです。あとは勇気と、実践の機会を見つけるだけなんですね。
講座に参加することで得られるものは何ですか?
学生時代の友人と異なり、新しい人と親密なつながりを作るのは難しいですよね。勉強も大事ですが、この講座を通してかけがえのない人的ネットワーク、貴重な財産が、まず一組は確実に生まれます。人間的なお付き合いは自然に深まっていきますね。
皆で飲みに行くこともあります。その時には講師も当然のように出席人数に組み込まれているんですよ(笑)。この仲間達から仕事、近況など情報がもたらされることもあります。人生の大きなターニングポイントになるような出会いがあるかもしれませんよ。

キャリア・コンサルタントのこれから
企業内ではキャリア・コンサルティングのスキルをどのように活かせますか?
特に、管理職にお伝えしたいのが、部下の話を聞くことをもっと大切にしてほしい、ということです。普段から「何かあったらすぐ言っておいで」というムードを作って、人間関係や悩みについて、オープンに聞くよ、という姿勢を示すだけでも信頼感が違ってきます。
何でもすぐに報告するようになれば、職場のコミュニケーションが活性化されます。意識しなくても「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が自然とできるようになります。近寄りがたい、説教でも始めそうな上司では、部下も報告をしてこなくなります。
それは、部署や会社にとっても損なのです。「聞く技術」のトレーニングをするだけでも本人の財産になりますし、そのように努力していれば、必ず部下には伝わるはずです。
さらに、部下の育成の面でもキャリア・コンサルタントの基礎知識を生かして、企業の中でのキャリア形成の相談に乗れれば理想的ですね。仕事を通した育成をすることで、上司と部下の関係もうまくいくし、仕事の振り方もタイムリーにできるようになります。部下はやりがいを感じ、自分の成長を自覚します。適材適所が進み、組織の活性化、企業の業績に結びついていきます。
キャリア・コンサルタントにはどんな人が向いているのでしょうか?
人と接するのが好きな人がいいと思います。相談にはさまざまな人が訪れます。それが苦にならず、対応できる人。
また、仕事のことについてお話する職業なので、いろいろな仕事に好奇心を持つことが必要ですね。クリーニング屋さん、床屋さんなど、我々をとりまく職業についてなんでも興味を持ち、「どうしたらなれるんだろう」と考える姿勢が欲しいです。
そして、過去にこだわらず未来に向かって、年齢がいくつになろうと、人間は可能性を秘めているんだ、ということを信じられる人が向いていると思いますよ。
人脈の作り方を教えてください。
GIVE AND TAKEが原則ですが、GIVE GIVE GIVEくらいの気持でいた方がいいのかもしれません。自分が何をしたいかを明確にしておくことです。
セールスではなく、自分がしたいことをさらりと言うだけでよいと思います。相手はけっこう覚えているものです。「だからお願いします」「仕事紹介して」などとは決して言わない。要は信頼関係ですね。
何かのネットワークに加入するのはいいですが、営業目的に使ったら、せっかく作った人脈もあっという間に崩れてしまいます。私は啓蒙活動というか情報発信が大切だと思います。
キャリア・コンサルタントが何をしているか人々はわからないから、広めていかないと。なぜこの仕事が必要なのか、どんな仕事をしているか、どんなメリットがあるか、いつもわかりやすく答えるようにしています。
紹介によって仕事が広がることはありますか?
一口に紹介といっても、人と人とのつながりなので、簡単に紹介などしてもらえません。私をある程度の期間見て、お会いしてから1年、長いときには3年たってから突然仕事の話をいただいたりすることもあります。
いつどこでどんな仕事がはいるかわかりませんよね、そのためにも常に人付き合い、ネットワークを大切にしています。たった一度の名刺交換で覚えていてくれる人もいます。うまく回り始めると紹介が紹介を呼び、広がっていきます。
最後に
社会や雇用の状況は激しく変化しています。多くの人は将来の仕事のことで悩み、考えているはずです。そういう人達のために、ぜひ皆さん、キャリア・コンサルタントを目指してほしいです。
個人が仕事にやりがいを感じていれば、その所属する組織や企業が活性化され、それが地域、国家へとつながっていきます。キャリア・コンサルタントは個人を相手とした仕事ですが、実はこうして、かなりの社会貢献もしているんですよ。
一人でも多くの方がこの講座で学び、キャリア・コンサルタントとなり、活躍されることを願っています。