
松浦明義(まつうらあきよし)
LEC法律科目の看板講師だが,お笑い芸人兼任講師ともいわれる。「笑いと記憶と合格は正比例する」という独自のメソッドにもとづく徹底した個別指導により圧倒的な合格実績を誇る。
LECの人気講師が公務員の新しい可能性を熱く語る。
人事担当の生の声が聞ける講演会もアリ!
公務員こそ民間的発想が求められる場だ!
1.人物重視が強まる公務員試験
2.東京都特別区の試験が変わる!
3.択一試験もより受験しやすい形に
4.特別区以外にもいろいろある、それは↓↓↓
<1> 人物重視が強まる公務員試験

これから公務員を目指そうという人が共通に抱えるテーマ、それは「試験勉強をどうしよう」ということだろう。試験科目も多く、今から間に合うのだろうか、大学の出身学部によって有利不利があるんじゃないか、あるいは、なんとか勉強し続けても合格点はかなり高く、民間と比べるとハードルが高すぎるんじゃないか…。
ところが、最近の公務員試験には大きな変化が現われている。全体的に人物重視の傾向が強まり、以前よりは筆記対策に集中しなくてもよくなってきているのだ。
なぜ、このような流れになってきたのだろうか。
かつては公務員は「公益重視」、民間は「私益重視」とされていた。だが、今や両者の違いは昔ほど大きくはなく、両者に求められる資質はかなり接近している。
というのも、私益重視とされていた企業は、CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法令遵守)などに重点が置かれ「公的」性格を強めているし、公務の領域ではNPM(新たな行政運営)という形で時間・費用に対する敏感なコスト感覚や幅広い人たちとの協働といった民間的発想が求められているためだ。
学生で民間企業を考えている人や転職を考えている人、あるいは現在フリーターでそろそろ定職に就こうと思っている人も、ここのところの景気動向などを考慮して、就職先・転職先に公務員を加えるのは当然ではないだろうか。
<2> 東京都特別区の試験が変わる!
このような中、東京都特別区(いわゆる東京23区。区役所ごとではなく23区全体で一括採用を行っている)が試験制度を大きく変更した。もちろん、人物重視の比重を強め、民間就職希望者や転職を考えている人にも受験しやすくするような形での変更である。
特別区は従来から、出題される問題が基本的なレベル中心で、民間企業と併願する人や、転職を考えている人にも人気があった。ただし、従来の試験制度では5月初旬の1次試験当日には専門択一、教養択一、専門記述、教養記述の4種類の試験を受けなければならず、「朝から始まった試験を受け終わるのが夕方」という状況で、なかなか受験は大変だった。
ところが、なんと来年度からは専門記述試験が廃止されることとなった。下の表を見てほしい。
| 2009年度 | 2008年度 | |
| 教養択一試験 | 52題中40題解答 | 50題中45題解答 |
| 専門択一試験 | 55題中40題解答 | 50題中40題解答 |
| 教養記述試験 | 2題中1題選択 | 2題中1題選択 |
| 専門記述試験 | 廃止 | 9題中1題選択 |
専門記述試験というのは法律や経済や政治に関する専門的な文章を700字から1,000字程度で書く試験だが、受験生はたいてい2科目か3科目準備し、しかも1科目当たり20〜50問くらいの答案を準備してそれを記憶しなければならなかった。それが来年からなくなるわけだ。
この専門記述試験廃止によって受験生は択一試験の準備に専念できることになり、他の公務員試験との併願がしやすくなったといえる。
記述式の試験にはもう一つ教養記述があるが、こちらは「耐震強度偽装」や「少子高齢化」であるとか、いわゆる時事問題について1,000字から1,200字の作文を書かせるもので、予想される10問程度のテーマについて答案を準備しておけばよく、負担はそんなに大きくない。
<3> 択一試験もより受験しやすい形に
あとは、専門科目と教養科目の択一式試験の準備をすればいいわけだが、こちらにも変更が加えられ、来年の特別区では受験しやすくなる。
| 2009年度 | 2008年度 | |
| 専門 択一 試験 |
55題中40題解答 憲法、行政法、民法1、民法2、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学 各科目5問ずつ均等に出題。 |
50題中40題解答 憲法、行政法、民法、労働法、経済原論、経済政策、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学、社会事情 各科目の出題数はバラバラ。 |
まず専門択一試験だが、労働法の出題がなくなっている。各科目5問になり、民法と経済学が I と II に分かれて出題数が増える(この2科目は5問ずつ2セットの出題になる)。50問中40問選択解答だったのが、55問中40問選択解答に変更される。
つまり、問題文の中に15問全く知らない問題があっても満点がとれる可能性があるわけだ。しかも、選択した40問も全問正解しなければならないわけではなく、6割か7割正解できれば十分合格圏内に手が届く。
また、新しい専門科目の出題数や分野は、国家公務員 II 種試験から心理学や教育学など特殊な科目を抜いたものとほぼ同様だ。違うのは国家 II 種が科目選択方式(選択した8科目しか解答できない)で、特別区は問題選択方式(科目ではなく問題単位で一問一問を見て自分の解けそうな問題を選べる。当然こちらの方が受験しやすい)という点だけなのだ。
したがって、特別区の試験対策をしておけば、そのまま国家 II 種試験を併願することが可能となるし、 あと1科目か2科目追加すれば、県庁や他の政令指定都市の受験も可能になるというわけだ。
次に教養択一試験だが、こちらはさらに対策が容易になる。従来50問中45問選択解答だったのが、来年からは52問中40問選択解答となる。つまり、12問は全く知らない問題が出題されても満点を取れる可能性があるのだ。
| 2009年度 | 2008年度 | |
| 教養 択一 試験 |
52題中40題解答 知能分野(22題必須) 文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈、空間把握 知識分野(18題選択) 人文6題(倫理、芸術、国語、歴史、地理) 社会6題(法律、政治、経済、社会) 自然12題(物理、化学、生物、地学、数学) 社会事情6題 |
50題中45題解答 知能分野(24題必須) 文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈、空間把握 知識分野(26題中21題選択) 人文(倫理、芸術、国語、歴史、地理) 社会(法律、政治、経済、社会) 自然(物理、化学、生物、地学) |
合格するためには5割から6割得点できれば十分だ。また、物理・化学・生物・地学など自然科学の出題数が増え、理工系の学生でも事務職の試験を受験することが容易となった。だからといって、文系の学生に不利になったわけではない。生物・地学など暗記系の自然科学が増えたわけだから、こうした科目で得点アップすることができる。さらに、特別区試験は5月初旬に行われるから、それに備えて教養試験をがっちり勉強しておけば、その後に続く国立大学職員、横浜市役所など択一試験が教養試験のみの試験も楽々突破できるというおまけつきまである。
民間企業への就職に比べて公務員試験受験がリスキーだというのはもはや過去の話だ。今では公務員試験受験こそがセイフティーな選択だといえるだろう。
<4> 特別区以外にもいろいろある
特別区で働くことになると、実際にはどのような仕事をすることになるのだろう?イメージを膨らませるには実際に働いている人の話をきくことが一番だ。特別区以外にも神奈川県や横浜市、埼玉県やさいたま市など様々な自治体それらを1つ1つ訪ねて話を聞くのもいい。しかし、できれば色々な自治体の話を一気に聞けるかチャンスがあるなら、そのほうが断然効率がいい。
この11月3日(月・祝)に行われる「公務員フォーラム」は、そんなチャンスのひとつになる。場所はLEC新宿エルタワー本校。東京都特別区人事委員会(23区全体)、神奈川県、横浜市、埼玉県、さいたま市、千葉市、さらに23区の中から江戸川区、墨田区、葛飾区の人事担当者が集結し、仕事の魅力、求める人材などについて講演をしてくれる。東京周辺の県や政令市で働く未来の自分をイメージするためにも、ぜひ参加してほしいイベントだ。

















