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公認会計士
【石田 菜緒さん】
第53回税理士試験官報合格
合格科目:簿記論・財務諸表論・所得税法・相続税法・消費税法
1年目 受験科目 簿記論・財務諸表論・消費税法
  合格科目 財務諸表論
2年目 受験科目 簿記論・消費税法・相続税法
  合格科目 消費税法
3年目 受験科目 簿記論・相続税法
  合格科目 簿記論・相続税法
4年目 受験科目 所属税法
  合格科目 所属税法
税理士資格を目指したきっかけ
私は幼少の頃、そろばん塾に通っており、それがきっかけで計算することが何より好きになりました。大学もその延長で経営学部を卒業し、自然と公認会計士と税理士の資格取得を考えるようになりました。公認会計士と税理士で迷いましたが、現在居住している山口県の地方性を考え、公認会計士より税理士の方が適切ではないかと思い、税理士の資格取得に踏み切りました。

私の5科目攻略スケジュール
【1年目】
平成11年12月から、スタンダードに簿記論・財務諸表論のパック通信講座を受講しました。
他の受験生より遅めのスタートでしたが、順調に与えられたカリキュラムをこなしていました。ところが、5月になってから、何を思ったか消費税法を追加受講するという暴挙にでたのです。案の定、受験までカリキュラムをこなすだけの毎日が続き、直前期の答練どころか復習にまで手が回らなくなりました。結局、受験まで1ヵ月を切ったあたりで、消費税法を断念することに。この年の受験結果は、財務諸表論のみかろうじて合格しました。失敗でした。
【2年目】
普通でしたら1年目の失敗を反省し、1年目不合格だった簿記論・消費税法の2科目に絞って受験すべきですが、受験に専念しているという自負からか、欲が出て前出の2科目に加え、相続税法のビデオ通信講座を申し込んでしまいました。これの3科目受験がまたしても裏目に出て、その年の受験では、消費税法を除き残念な結果に終わりました。
【3年目・4年目】
さすがに1・2年目の失敗が堪え、さらにこの年の8月に社会保険労務士事務所に就職したこともあり、受験に使える時間が制限されることから、効率よく受験するためにこれまでの学習・受験を振り返りました。合格した科目と不合格だった科目の違いは何であるのかを自分なりに分析してみたところ、合格した科目の学習はLECの定める標準学習時間に達成しており、学習時間が十分に確保できていました。そういった科目は、当たり前のようですが、自身の感触としても手ごたえを感じる状態でした。これに対し不合格科目は、簿記論を除き学習時間が標準学習時間にも満たなく、絶対的な学習時間不足でした。このような学習時間不足を招いたのは、自身の税理士試験に対する認識の甘さと合理的な科目選択を行わない前近代的な気合論・根性論によるものでした。
そこで私は、税理士試験に合格するために、自分なりの合格までの標準学習時間を設定すると同時に、自分が受験日までに税理士の学習に使える時間を計算、それらをもとに科目選択を行いました。まず財務諸表論での「1日2時間・12月〜7月まで合計約550時間」を各科目の合格標準学習時間の基準とし、LEC公表の各科目のボリューム比で簿記論約550時間、相続税法約550時間、所得税法約820時間と定め、その結果、3年目の受験で既に学習済みの簿記論・相続税法、4年目の受験で残りの所得税法とすることに決定しました。
この選択が功を奏してか3年目「簿記論・相続税法」2科目同時合格、4年目「所得税法」と順調に合格し、ついに念願の税理士官報合格を果たしました。

私の科目別勉強法
【簿記論】
簿記論は、肌に合わなかったのか合格するまでに3回の受験を要しました。1・2回目は、ただがむしゃらに問題を解きまくっていた様な気がします。簿記論の試験は、試験時間の2時間ではとても解ききれない量の問題が出されます。そのような試験を受けるときには、場当たり的なテクニックでは通用しないことに気付かされました。
3回目の受験勉強を開始してまもなくLECの簿記論講師の方が、講義中にこのように言われました。「相手(試験委員)の土俵で戦うな、自分の土俵で戦え」と。目から鱗が落ちました。 次の日から、簿記論の自分の土俵作りが始まりました。まず、個別問題ですがLECの問題集を納得いくまで使用し、問題を見た瞬間に解き方がわかるまでマスターしました。この段階で大事なことは、基礎的問題に対する自分流の解き方を作り、その解き方を体に染み込ませることです。この作業が、応用問題等本試験レベルの問題を解く際の強力な武器となってくれました。
自分の土俵(自分の解き方)が固まると、次に総合問題をどんどん解いていきました。いつもと違う変則的な問われ方の問題や、論点は同じでもアプローチの仕方が異なる問題が出題されても、いつもと同じ自分の解き方で解くことにこだわりました。本試験で、初めて見るような問題や、応用論点で難解な問題が出題された場合でも、考えに考えぬいて解いたところで正解はまず出ないし、時間の無駄になると思います。このようなやり方で難解な問題や複雑な問題を数多く解くことにより、本試験でも動じない自分の解き方、すなわち「自分の土俵」が出来上がっていきました。
簿記論合格のためには、自分の解き方を確立した上で、自分の土俵で解ける問題は素早く正確に解き、そうでない問題は諦めるといった大胆さが必要だと思います。

【財務諸表論】
○計算
個々の計算は、簿記論ほど難しくなく、近年の財務諸表論の本試験はボリュームが非常に多いため、いかにスピーディーに多くの項目を財務諸表に記載していくかが合否の分かれ目なので、総合問題を中心に処理スピードを意識しながら学習しました。
財務諸表論の計算の学習を始めると、各項目の区分や注記等覚えることが多く戸惑いますが、数多くの総合問題を解くことで、自分でも驚くほど区分や注記等が勝手に身に付きました。ですから個別問題集等は、講義の復習に1回使ったきりほとんど使用しませんでした。
○理論
1年目に合格したこともあって、財務諸表論のトータル学習時間は、3科目並行学習の中での8ヶ月しかありませんでした。そんな中で、理論に当てられる時間は限られていましたので、教材の中の基本理論集のみを使用し、基本理論の徹底理解及び暗記を繰り返しました。
本試験を受験し終わって感じたことは、基本的な理論は、ほとんどの人が書けるような問題ばかりであり、応用的な理論は、ちょっとやそっと勉強したぐらいでは太刀打ちできないような問題でした。したがって、財務諸表論を短期合格するためには努力 対 結果から考えると、基本理論の徹底理解と徹底暗記がもっとも効率がいいのではないかと思います。

【消費税法】
○計算
消費税法の計算は大きく分けて、原則課税計算と簡易課税計算があり、私の合格した年は、周期的に簡易課税計算が出題される可能性が高かったので、簡易課税計算に特に力を入れて学習しました。
簡易課税計算が出題される年は、消費税法の学習量のボリュームが少ないこともあり合格するためには納付税額まで合わさないといけないと聞いていましたので、簡易課税計算の核となる課税売上の区分分けを決して間違えることのないように、テキストはもとより条文から通達に至るまで隅々まで目を通しました。
本試験では予想通り簡易課税計算が出題され、綿密な対策が功を奏し納税額まで合わせることができました。
税理士試験は、科目によってボリュームの差がかなりあり、科目に応じて対策を立てる必要があると思います。私の場合は、LECが受験に必要な情報を全て提供してくれましたので、それを利用して対策を立てました。こういった情報収集の面で、特に地方の受験生にはLECの通信講座は強い味方になってくれると思います。
○理論
覚える理論の数は他の税法に比べて少ないのですが、本試験での問われ方が事例形式で難解な問題が出題されますので、個別理論の暗記と並行して、計算とリンクさせて関連理論を想像する訓練をしました。事例問題に対し、1度計算問題に置き換えて紙に図等を書いて考え、次にその根拠となる理論を拾ってくるといった方法を実践しました。この訓練のおかげでどのような事例問題が出題されても自信をもって解答ができるようになりました。

【相続税法・所得税法】
○計算
2科目を通じて言えることは、どちらも個別項目の徹底演習なくして合格は成しえなかったということです。その個別項目とは、相続税では財産評価、所得税法では各種所得の計算です。両者に共通しているのは、各個別項目に関連性があまりなく、1項目ごとに押えていかなければならず、その押えなければならない項目もかなりのボリュームがあります。ですから、全ての問題が反射的に解けるようになるまで財産評価問題集と、個別問題集を繰り返し解きました。本試験は、総合問題集を繰り返し解きました。本試験は、総合問題形式で出されることが多いですが、総合問題対策はLECの答練を受けているだけで必要にして十分でした。学校を利用されている方は、特に総合問題対策は必要ないと思います。
○理論
これらの2科目の理論は、数が相当多いのでどう工夫しても暗記にかける時間は相当時間を取らなくてはいけません。そこで、少しでも時間短縮をするため、ノートなどには一切書かずぶつぶつと口に出して覚えました。意外と書く練習をしなくても理論が正確に書けましたし、腱鞘炎にもならなくて済みますのでお勧めです。
本試験では、個別理論と応用理論がバランスよく出題されます。応用理論といっても数個の個別理論から必要な部分を拾い、つなげて書くだけのことですので、私は個別理論の徹底暗記以外特別なことはしませんでした。

【試験本番実況中継】
私が、税理士試験の中で合格に最も苦労した簿記論について実況中継してみたいと思います。
まず1年目。模試の成績E判定を引っさげて、試験会場に乗り込みました。この試験が税理士試験の1番最初の試験であり、模擬試験も自宅で受験したため、体育館に設営された会場に着いて、その試験会場の広さと受験者の数に圧倒されました。 問題と解答用紙が配られると、いよいよとばかり緊張感が込み上げてきましたが、この段階では、まだ問題を解く順序や時間配分を考える余裕があったように思います。その余裕を吹き飛ばし、私の頭の中を真っ白にしたのは、開始の合図からまもなく打ち響いた隣りの電卓音でした。この時点で、私の簿記論受験1年目が終わりました。まさか、電卓音があんなにうるさいとは。
2年目。1年目の失敗に学び、直前の模擬試験をLECの本校で受けて、電卓音に対する予防接種を行い、万全の態勢で試験に臨みました。試験が開始されても電卓音がまるで気にならないので、今年はいけると思い冷静に時間配分と解く順番を決めました。
1問目と3問目が、ざっと見たところ解き易そうだったので、1問目に25分、3問目に55分、残りの時間で2問目を解くというふうに方針を決定し、早速解き始めました。
1問目は意外と簡単で、15分で終了し、合格が頭をよぎりましたが、気を引き締めて3問目に突入しました。その年の落とし穴は、この3問目に待っていました。学校の模試等では、減価償却は得点源になることが多いので、ここでもいけると思い当たり前のように解きにいきました。これが間違いで、答えは出ましたが、3問目に1時間40分も費やしてしまい、2問目がまともに解けずにこの年の簿記論が終わりました。
3年目。ここまでくると外的要因による緊張感は殆ど感じず、問題を解くことに没頭できるようになっていました。この頃になると時間配分も解く順番もざっと全体をみれば即座に決められるようになっており、この年は、1・2・3と順番どおりに解くことにしました。まず、1問目は本支店会計に製造業会計を少し絡めてあるという問題でしたが、得意な論点のため15分で終了し、2問目へ。2問目は新会計基準に関する仕訳問題で特に難しい問題でもなかったため、15分で終了し3問目へ。3問目は例年どおり適度に難易度の高い問題でしたが、取れる問題だけ確実にとって50分で終了。かなりの時間が余ったので、あやふやだったところを見直して合格を確信しながら試験を終えました。

【これから税理士を目指す方へのメッセージ】
税理士試験を受験しようとする人には、大きく分けて3つのタイプがあると思います。1つは、税理士試験に受かりたい気持ちはあっても努力しない人(努力が足りない人も含まれます。)、2つ目は、税理士試験に受かりたい気持ちを持っていて、かつ努力もしている人、3つ目は、税理士試験に受かりたい気持ちを持っている天才です。3つ目になることは無理ですが、2つ目の「努力する人」には誰でもなれます。税理士試験は努力すれば必ず報われる試験です。努力すると決めたら自分を信じて、合格するまで突っ走ってください。