働きながらの合格!
- 太田 章博 さん
- 2006年度 不動産鑑定士試験合格者
合格まで受講した講座
※2008年向け該当講座はただ今準備中です。
はじめに
私はサラリーマン受験生でした。ですから、日中に学習時間を十分確保することができない方々にとって、この体験記が参考になれば幸いに思います。
学習スケジュールの概要
- 学習開始〜年内・・・主に論文式試験対策
- 年始〜短答試験・・・短答式試験対策
- 短答試験〜8月・・・論文式試験対策
短答式試験対策
短答式試験は鑑定理論と行政法規の2科目ですが、私はこの2科目について1月から5月までの期間に集中して学習しました。そして4ヶ月半という時間の中で合格レベルに達する必要がありましたので、この期間中は論文式試験の学習は進めず、短答式試験対策に専念しました。短答式に専念したことについて「論文式試験を見据えたときに不安はなかったのか」という疑念に対し「不安はなかった」と言えば嘘になります。ですが、「短答式にとにかく合格すること。これをクリアしなければ論文式の道は開かれない」という講師の方のアドバイスを真摯に受け止めて、ひらすら短答2科目の学習を進めました。その甲斐もあって短答公開模試で上位にランクインできましたし、本試験通過を果たせたのだと思います。以下に科目別学習方法を述べます。
行政法規
学習ツールは「LEC講義」「短答基礎力完成テキスト」「過去問」の3点セットでした。そして各ツールの時間配分ですが、LEC講義は必須として、テキストと過去問については宅建主任者受験時の経験を基にテキスト8・過去問2の割合で学習しました。基本的にはテキストを繰り返したことに尽きますが、悩ましいのはテキスト下段の「注書き」でした。この注書きの全てを暗記するほどの時間はありませんでしたので、私は過去問と答練で出題された部分をテキストにチェックしていき、必要な情報をテキストに集約することにより対応しました。
また、他の予備校の活用ですが、確かに行政法規は近年難化傾向にあるものの、LECのテキストと答練で十分対応可能でしたので、本試験直前の模試を受験するに止めました。
鑑定理論
学習ツールとして「モバイル鑑定評価基準」「短答予想問題集」「答練・模試」を活用しました。特に「モバイル鑑定評価基準」については、基準・留意事項の暗記に時間を要するため、学習開始時から活用しました。この基準・留意事項の暗記に早期に着手したことが、短答式試験での個数問題への対応を可能にし、模試等において成績を安定させることができた要因だと思います。また、予想問題集および答練・模試については、全問を繰り返す時間がなかったため、間違えた問題だけを復習するようにしました。
他の予備校の活用ですが、本試験の傾向を掴みたかったので、他校(T校・W校)が出版している予想問題集を一通り解くとともに、本試験直前の模試を受験しました。
論文式試験対策
私は論文式試験対策の学習期間を、年内の前期と短答式試験後の後期に分割しました。
まず前期ですが、基本的には「LECの講義」と「講義の復習」に多くの時間を使いました。この時期は翌年8月の論文式試験まで、まだ時間があるのですが、年明けになれば短答式試験対策に追われることを見越して、特に教養3科目については1回仕上げるつもりで学習を進めました。
次に後期ですが、まずしばらく手を付けていなかった教養3科目の埃落としから始めました。特に暗記色の濃い会計学の復習に時間を割きました。そして一通り教養科目の思い出しを終えたところで教養3科目と鑑定理論科目を1日おきに学習し、全体的なレベルアップを目指しました。以下に科目別学習方法を述べます。
民法
学習ツールとして「こう書け民法」「論点総ざらい講座テキスト」「答練・模試」を活用しました。基礎講座用テキストはLEC講義の際に使用したのみで、特に復習はしませんでした。この民法については、何が出題されるかわからないことから最後まで不安を払拭しきれない科目でしたが、「難問は他の受験生も解けない。皆が解けるものを正確に解答せよ」というアドバイスを信じ、手を広げることなくLECの教材のみを繰り返し復習し、論証例の把握に努めました。
経済学
学習ツールとして「講座内レジュメ」「論点総ざらい講座テキスト」「答練・模試」を活用しました。一方で「基礎講座用テキスト」および「こう書け経済学」は一読するに止めました。経済学は暗記色が薄いので一度理解すれば時間が経ってもある程度解答できるという特性を持つ反面、民法以上にサプライズな問題が出題される可能性の高い科目だと思います。ですから必要以上に深入りすることを避け、講座内レジュメを中心に基本論点の確実な習得を心掛けました。
なお、経済学は予備校によって予想問題が異なる傾向にあります。万全を期すため、この科目だけは他校の予想問題をチェックした方が無難だと思います。
会計学
学習ツールとして「講座内レジュメ」「こう書け会計学」「ハイレベル講座テキスト」「論点総ざらい講座テキスト」「答練・模試」を活用しました。他の科目と比較して使用教材が多いのですが、これは論点漏れを防ぎたかったからで、その意味で浅く広く学習した科目と言えます。教養科目の中ではこの会計学に最も時間を割きましたが、その分成績も安定していました。そうしたことから不動産鑑定士試験の中では努力を裏切らない科目の1つであると思います。
鑑定理論(論文)
学習ツールとして「モバイル鑑定評価基準」「こう書け鑑定理論」「答練・模試」を活用しました。この鑑定理論については、基準と留意事項を踏まえて解答しないと点数に結びつきませんので、まずは鑑定評価基準の暗記を優先し、これをベースとして「こう書け」の学習により知識に厚みをつけていきました。答練と模試については、論証の流し方と記載すべき事項のみをチェックしました。
このように鑑定理論においては基準と留意事項の暗記は必須事項ですから、この学習だけは通勤時間、昼休みを活用して毎日継続するようにしました。なかなか思うように暗記が進まないことも多々ありましたが、そんな時は「鑑定士になろうとしている人が、鑑定評価基準が嫌いでどうする」という講師の方のアドバイスを励みにして暗記に努めました。
鑑定理論(演習)
学習ツールとして「LEC講義」「答練・模試」を活用しました。試験導入初年度でしたので、どんな問題がでるのかと疑心暗鬼ではありましたが、「予想外の問題だったら誰もできない。逆に想定の範囲内であれば確実に得点する」ことを目標に、テキストを2度回し、その後は答練と模試の復習に絞りました。他の科目との兼ね合いから十分な学習時間を確保できたとは言えませんが、ラスト1ヶ月間は主に出勤前の時間を利用して、出題可能性の高い問題を中心に復習を繰り返しました。
合格のポイント
- 講師の方のアドバイスを信じたこと。
- 各科目の学習時間を進捗度に応じて適正に配分できたこと。
- 会社の同僚、LECの仲間、家族の協力があったこと。
- 宴席などの誘惑に負けなかったこと。
- 試験当日を心身ともに健康な状態で迎えることができたこと。
おわりに
私に不動産鑑定士を目指す動機があるように、皆さんにも様々な想いがあるでしょう。重要なことは、皆さんのその想いを強い気持ちで持ち続けることです。試験合格には相応の時間を要しますが、その想いがきっと皆さんを勇気づけてくれますし、だからこそ多くのエネルギーを試験勉強に注ぐことができるのだと思います。
不動産業を取り巻く経済環境や社会的背景からみて、不動産鑑定士に期待される役割や活躍できるフィールドは広がっていくだろうと言われています。決して楽な道のりではないかも知れませんが、皆さんのエネルギーを注ぎ込むに値する資格ではないでしょうか。
最後に、皆さんの努力が結実し、1人でも多くのLEC受講生が合格体験記を執筆されますことを祈念いたしまして、私の体験記とさせていただきます。
