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川野昌哉さん
受験回数 2回
受講講座 2006レギュラーコース
振り返って思うこと
1. 公認会計士を目指した理由
LEC公認会計士講座を受講し、二度目の受験において合格を果たすことが出来ました。幸いにも監査法人への就職が決まり、これを書いている今は、初めての出勤を待つ身です。公認会計士という職を志す理由は人それぞれでしょうが、私の場合は、その高給や社会的地位の高さも確かに魅力的ではありましたが、正直なところを言うと、大学時代につまらないことにかまけ、真面目に学校に通わなかったからです。どうにか卒業の目処が立った時、自らの有様を振り返れば、企業の面接でアピール出来るようなものなど何も無く、後悔することしきりでした。せめて何らかの、難易度の高い資格などを得れば、どうにか埋め合わせが出来るのではないだろうかと考え、本資格の学習を始めた次第です。その結果として、合格を得たばかりか、監査法人の面接においても、訊ねられると困るような事を訊ねられるわけでもなく、自分でも驚くほどあっけなく内定を頂く事が出来たわけですから、この資格を志したのは恐らく間違いでなかったのだろうと思いますし、また、そのように思いたくもあります。このようにいささか格好のつかない理由で公認会計士を志した私ですが、数ある予備校の中からLECを選んだ理由は、さして深い考えがあったわけでもなく、たまたま近所にLECの会計士講座を受講する方がおられたから、と言うだけのことでした。受講生の紹介による割引制度と言うものがあり、その制度を利用すれば、受講料が減額されるわけです。このように単純な理由でLECを選んだのですが、今にして思えば、その偶然に感謝せざるを得ません。当初は分からなかったことですが、LECの講師陣は実力のある方が揃っておられ、受験生からの評価も非常に高いものですから。他校の受講生が単科受講というかたちで教室を満員にするということも多々あると聞いています。そのように、我知らず恵まれた環境に身を投じた訳ではありますが、学習、というものはやはり困難なものでした。この資格を得るために必要な知識は、簿記、財務諸表論、管理会計論、監査論、会社法、租税法、その他選択科目、と、非常に多岐に亘り、それらは多くの人にとって馴染み薄いものでしょう。そのような分野に関する膨大な知識を詰め込まなければならない訳ですから、やはりこれは大変ですね。本当に大変です。私にとっても、国文学専攻と言う場違いな出身だったこともあり、学習を始めた当初は、何をすれば良いのかさえ分からない状態ではありました。ただ、そのような中で気付いたことは、この資格を得るための学習と言うものは、決して常人離れした天性の素質が必要な複雑怪奇なものではなく、暗記と反復練習と言う、地道な努力こそが要求されるものではないだろうか、と言うことです。努力を多く必要とすることで困難な印象を人に与えはしますが、逆に言えば、その困難は努力によって克服できる類の困難であると言うことです。何をすれば良いか分からない、などと言っても、予備校の講義に沿って予習復習を行なえば良いわけですしね。精神論を称揚するわけではないのですが、自らの体験を振り返ってみても、また他の方のお話を伺っても、やはり、地道な努力こそが何よりの基幹であり、センスであるとか才能であるとか言うものは、いささか極論ではありますが、合格までの期間を左右するに過ぎないのかも知れないと私は考えるようになっています。もちろん、その期間が長引くことによって、諸々の理由からやむをえない選択をされる方もおられるわけであり、ですから、頑張れば必ず報われるなどと無責任に煽りたくはありません。私としては、この資格を目指そうかと迷っておられる方については、自分にそれだけの学力があるのかどうかと言うことよりもまず、努力と言うものを労しうる環境が自らにあるかと言うことから考えて欲しいと思います。経済的な事や、学習のためにどれだけの時間を割けそうか、と言った事も含めてです。とはいえ、家族を抱え、働きながら合格される方もおられるわけですし、努力の出来る環境などと言っても、それは単に経済的・時間的な余裕のことなのではなく、結局のところは自らが切り拓くべきものなのかも知れませんね。
2. 私の勉強方法
口幅ったいことも書きましたが、さて、合格のために具体的に私が何をしたかと言えば、基本的には、LECの言いなりです。ふざけてそう言うのではなく、予備校のカリキュラムと言うものはやはり受講生を合格させることを目的として組まれているわけですから、肝要なのはそれをこなしていくことであり、先述のように、地道に努力していくことなのでしょう。会計、と言うものを扱う資格ではありますが、試験においても、またその後の実務においても、高度な数学的知識など必要ではありません。たとえば簿記についてですが、簿記をもともとやっておられる方にしか分からないことを書きますと、当試験に於ける簿記と言うものは、単に仕訳とその集計が大いに複雑なだけであって、練習の反復によってのみ習得しうるものであります。また、全く簿記に触れたことの無い方でも、不利であるとは言えません。当試験に於いて要求される簿記の知識は、三級、二級と言ったところを遥かに超えていますから、簿記の素養があることは初めの一歩を有利にはしてくれますが、そうした素養の無い方でも尻込みする必要は無いと言うことです。他の科目についても、記述による回答が要求されることで一見して敷居を高くしてはいますが、どのような出題がなされるかは概ね決まっており、模範解答は予備校が用意してくれますからそれを暗記してしまえば良いだけのことです。ただし、暗記すべき量は非常に多いものです。予備校は効率の良いメソッドを教えてはくれますが、そのメソッドに従って労を払うのは自分自身なのです。私の苦手科目は、租税法でした。法人税法、所得税法、消費税法と言う三つの法より構成される広範な科目で、私のみならず多くの受験生がこれを苦手としているようですが、ところがこの科目、実は全科目の中で最も簡単なものなのです。計算を要しはしますが、その計算と言うのは単なる四則演算に留まり、やり方さえ覚えていれば誰にでも解けるような問題でしかありません。ところが、そのやり方と言うものが非常に細々としており、それらを暗記する労力を惜しみ、私は苦手意識を感じていたわけです。要するに、面倒くさかったと言うだけのことでしかありません。それをどうにか人並み程度には持って行けたのは、何か特別な手段を用いたわけではなく、試験直前に腹を括り、地道な暗記を行ったと言うだけのことです。結局のところ、最低限の労苦さえ惜しんで楽な道を探しても、得られるものなど何もないのでしょう。苦手であるなら、そこに労力を注ぎ込むしかないのだと、今にして思います。私の場合、三年間の学習、二度の挑戦によって合格を致しましたが、これは良いほうであると人は言ってくれます。短期合格できた理由は何か、と言うこともよく尋ねられますが、それについては、運が良かったとしか答えることが出来ません。もともと本が好きであり、読み書きにも人に比べれば親しんでいたことが、論文式の試験に於いて良いように働いたという側面もあるとは感じていますが、それも微細なことであって、結局のところは運と努力に収斂されるのだと思います。公認会計士の職務は今後とも拡大する傾向にあり、人手不足の状況にありますから、多少期間が長引いたとしても就職において不利になるとは一概には言えず、ですから、特段の事情が無い限りは別に短期合格などに拘る必要はないのかも知れません。肝心なのは資格を得た後の働きなのでしょう。
3. これから会計士試験合格を目指す方へ
長きに亘って駄文を重ねましたが、これから学習を始められるかも知れない皆様について私が申し上げ得る事としては、やはりこの試験に於いては才能などよりも努力こそが大事なのではないかと言うことです。頑張れば報われるとか、願いは必ず叶うとか、そんな無責任なことは断じて言えません。如何にも難しい試験であり、そのために要する諸々を思えば、気安く人に勧めることも出来ません。けれども、たった一つ言えることは、努力は人それぞれの速度で着実に結ばれると言うことです。目には見えなくても、今日は昨日よりも佳い日です。とはいえ、努力を続けるというのもそれは一つの才能なのかも知れず、特に、この困難な試験においてモチベーションを維持するのはとても難しいことだと感じます。ですから、問題とすべきは、どうすれば努力しうる環境を作ることが出来るか、と言うことなのでしょう。その環境も自分で切り拓くべきものかも知れない、などと大層なことを先ほど書きはしましたが、私の場合は、単に運が良かっただけです。ほんの些細な理由で予備校を選択した、それだけのことに過ぎません。LECに足繁く通うことによって、多くの得がたい友を得ることが出来、その者たちと競いあい、励ましあい、またスタッフ諸氏にも非常に親切にしていただき、それが学習を続ける上での確かな励みになりました。でなくば、私などとうに諦めてしまっていたでしょう。努力をする、そのために必要な環境を、LECは私に与えてくれたのです。面と向って言うには気恥ずかしく、こんなところにしか書けませんが、私は、LECを選んで本当に良かったと思います。