あなたは自分の第一印象に自信がありますか。良くも悪くも変えようがない、これが自分の姿であるとあきらめてはいないでしょうか。前回メラビアンの法則について紹介しましたが、この法則に従えば、間違いなく第一印象は効果 的につくることができます。まずは「相手に対して、自分が第一印象を与える機会は二度とない」ということをしっかりと認識してください。全ては一瞬で決定します。
 今回は、顧客獲得のみならず、常により良いプレゼンテーションを行うためにも、まずは第一印象を改善することが、どのようなビジネスの場、もしくは社交の場においても、絶大な効果 を発揮するということを述べていきます。
 まず、第一印象は「目から判断される要因」が55%を占めることに留意すること。その要因には、身だしなみ、表情、態度等が含まれます。この中で相手にとっても自分自身にとっても一番判断しやすいものが身だしなみ、つまり服装です。初対面 の相手があなたに受ける印象は、何よりもあなたが“どのように見えるか”という点に左右されます。相手に好印象を与えるための基本要素は、清潔感・控えめ・調和・機能性の4つです。特に留意すべきものが清潔感。出掛けにシャワーを浴びてきれいにし、きちんと髪の毛を整えるだけでは実は不十分なのです。実務家が顧客から相談を受ける場所は、応接室や無料相談会の会場など様々ですが、相手からはあなたの手元や肌の手入れ状態までがはっきりと見えてしまいます。肌については、男性は髭の有無、女性は化粧の度合いがポイントとなります。さらに重要なのが手元。常に自分の手が人にさらされていることを認識してください。相手は間違いなく数秒以内にあなたの爪や手元を見て、手入れが行き届いているかどうかまで確認しています。初対面 の相手にとって、あなたの外見は、話の内容以上に、その人の心に深く印象づけられて残るものです。ネクタイや靴がスーツと調和していたか否かはすぐ忘れてしまいますが、化粧が不適当、爪や手が不潔だったというようなことは相手の心に長く残るので、充分に注意を払う必要があります。
 もう一つ、全体的な外見をよくするために必要なことは、言うまでもなく健康であることです。よく運動をして摂生をすると、不思議なことに姿勢だけでなく、その人の人間性まで向上させるものなのです。不健康な人よりも、健康な人の方が一般 的に頼り甲斐があるようにも見えるはずです。
 次回は、顧客の心をつかむ話し方をご紹介します。ボディランゲージを有効活用し、より好感を与えるために、“顔で話す、目で話すテクニック”についてお話しします。お楽しみに。

メラビアンの法則:アルバート・メラビアンというアメリカの心理学者が、人が誰かと初対面 で会った時に受ける印象を決定づける要素を分析したもので、相手方に与える印象の比率は、「目から判断される要因」が55%、「耳から判断される要因」が38%、「言葉遣いから判断される要因」が7%の割合であるというもの。