↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 通巻 195号

政策評価の手法の問題

−政策によっては評価の方法が非常に難しいこともあると思いますが、そのことについてはどのようにお考えですか?
「そう思います。評価の手法として、規制インパクト分析(注3)とか、統計的な手法であるとか、目標だけを設定するやり方などいくつかあるわけです。公共事業の分野では費用便益分析(注4)という手法がかなり使われるようになっています。あるいは行政の中でもサービスに近い分野については顧客満足度的な評価が行われたりしま
すが、実は定量的な評価ができる行政分野というのは非常に限られているのです。とくに産業政策一般 になりますと、評価の仕方が難しく、定量的な手法がほとんど通じない世界です。それについては、やはり実践を通 して手法を学び、知識を蓄積していく必要があると考えています」

−政策評価には技術的な困難さが多いということですね。
「政策評価の重要さが説かれるとき、あたかも政


策評価を行えば、政策の質は自動的に良くなるというニュアンスの議論が見受けられますが、難問が多いことは事実です。
 そもそも既存の評価手法できちんと計れるかということも多いのです。例えば、ある研究開発を支援する施策についていえば、研究が成功するかどうかは、ある程度、可能性について検証をする必要があるとはいえ、それでも実際にどれだけの研究成果 が得られるかは、行政の努力の外にかかる部分が大きいわけです。
 また、ひとつの施策を評価するとしても、評価を行う主体によって、いくつもの異なる視点が存在して、解釈が変わることもあります。例えば、ある開発事業を評価する際、効率という視点もあれば、環境という視点もあり、そのどちらに重要性があるかは絶対的には決めることはできません。また同じ施策の結果 を見せたとしても、行政サイドは合格点を出すかもしれないが、外部から見れば、それでは足りないという方がいるかもしれません」



 
→Next

↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 通巻 195号
Copyright 2000 株式会社東京リーガルマインド
(c)2000 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.