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通巻 194号

特集 労働市場最前線 ―労働力需給調整システムをとりまく環境―
 雇用情勢は完全失業率が過去最高水準となるなど、依然として厳しい状況。景気の回復を雇用の回復に結びつけることが重要。最近の雇用の状況をみると、情報通信技術や介護関連の分野等においては、大幅な求人増がみられるところ。これらの今後成長の見込まれる新たな産業に必要な人材を早期に育成し、その着実な就職促進を計ることが極めて重要。このため、今後1年間に集中して、ミスマッチ解消を重点とする雇用対策を積極的に促進。

1.職業能力、産業間ミスマッチの解消策
成長分野等に重点を置いた就職促進
○職業訓練の拡大による働く人すべてのIT化対応の促進と就職の促進。
・専修学校・各種学校との連携の強化、夜間コースの開設等による情報通信等の訓練コースの拡充強化。
・短期コースの開設や複合型受講制度の創設などによる情報通信、介護関連分野の職業訓練の拡大と働く人すべてのIT化対応の促進。
・訓練受講者の就職促進(新規・成長分野雇用創出特別奨励金の非自発的離職者要件に職業訓練受講者を追加)
(注)離転職者に対する職業訓練の受講者数 10年度6万人、11年度12万人(見込み)、12年度14万人超(計画)
○新規・成長分野雇用創出特別奨励金の抜本的拡充 ・新規・成長分野の事業主による雇入れに対 する助成 ・非自発的離職者に加えて職業訓練受講者、学卒未就職者を対象に追加(再掲) ・30歳以上60歳未満要件を60歳未満に拡充 ・支給額を一律70万円に増額各省庁にも活用を要請
2.雇用機会創出支援対策の強化
○中小企業労働力確保法や改正介護労働者法に基づく支援措置
○創業・異業種への進出を行う中小企業者が労働者を雇い入れる際の助成等
3.学卒未就職者対策等の強化
○学卒未就職者に対する事業主や民間教育訓練機関への委託訓練の実施(就職に向けて職業訓練を必要とする者に対して、実務能力を付与するための短期間の職業訓練を実施)
○学卒未就職者の採用後の能力開発の支援の創設(就職後訓練に対する助成金の支給)

4.雇用維持、非自発的失業者対策の強化
○人間尊重の観点から、企業が社会的責務を果たすよう労使への働きかけを強化する。(中央レベル、地方レベル)
○緊急雇用創出特別奨励金の全国発動 《完全失業率5.0%以上の場合のセイフティ・ネット〜中高年の非自発的失業者を雇い入れる事業主への助成》
・全国発動要件を完全失業率が5.0%以上になった時と緩和 ・非自発的離職者に加えて職業訓練受講者を対象に追加

5.賃金労働条件、年齢間のミスマッチ解消策
〜官民の労働力需給調整機能の強化〜
○官民の情報を一元的に提供できるネットワークの構築(当面、民間と連携し中高年ホワイトカラーの主体的な求職活動を総合的に支援するキャリア交流プラザにおいて官民の情報を一元的に提供。段階的に、官民の求人情報を一元的に検索できるシステムの構築を検討。)
○民間機関の活用による労働力需給調整機能の強化(改正労働者派遣法、改正職業安定法の円滑な施行)
○求人年齢制限の緩和に向けた指導・啓発(中央レベル、地方レベルにおける要請活動の展開)

6.雇用保険制度の改革等によるセイフティ・ネットの確率
○中高年リストラ層への求職者給付の重点化、在職中からの再就職支援の強化等(雇用保険制度の改革等)
これらの雇用対策を迅速かつ効果的に実施することにより、今後1年間において少なくとも35万人程度の雇用・就業機会の増大の現実化を図り、昨年6月の緊急雇用対策の「70万人を上回る規模を対象とした雇用・就業機会の増大」をより確実なものとする。  なお、今回の措置の確実かつ円滑な実施を図るため、個々の案件については原則として、1ヶ月以内に処理するものとする。


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