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vol.1
ワールド トレンド レポート
中国
 中国のインターネット事情


急速に普及
 インターネットという言葉が日本で市民権を得てからわずか数年であるが、学生の就職のための情報収集に、見知らぬ人とのつながりを求めたりと一般の人々が気軽に楽しむまでに普及するようになり、現在では、数百万人が利用しているといわれている。同様に中国でも急速にインターネットが普及している。  中国での本格的なインターネット時代の幕開けは、1993年に中国科学院高エネルギー研究所(IHEP)とアメリカのスタンフォード大学間を専用回線で接続したことである。当時は、ほとんどが電子メールのサービスのみであったが、現在は、中国の科学研究ネットワークとして利用されている。


翌1994年には世界銀行の援助により、北京大学、清華大学及び中国科学院を結ぶNCFC (The National Computing and Networking Facility of China) プロジェクトの発足と、中国国家教育委員会(日本の文部省に相当)の主導下での、清華大学を中心とした中国全土をネットワーク(CERNet)で結ぶことを目標にした中国教育研究用ネットワーク(CERN)プロジェクトが始まった。 現在、北京、上海、南京、西安、広州、成都、武漢、瀋陽の8 地域が専用バックボーンで接続され、インターネットを活用する環境は次第に整備されている。また、ChinaNetは商用インターネットサービスで、中国郵電部(日本の郵政省にあたる)のデータ通信局の管轄により、各省の郵電局によって運営されている。


 このような動きのなかで、中国インターネット情報センターが1999年1月に発表した調査報告によれば中国でインターネットに接続しているパソコンは昨年末時点で74万7千台に達し、一般の人々にも急速に普及していることがあきらかとなった。  調査報告では、インターネットの利用状況として、利用者の圧倒的多数が男性であり、二十歳代が最も多く、三十歳代がそれに続いている。そして、北京、広東等の大都市に利用者が集中し、大卒以上の高学歴を有しているものが89%を占めているとしている。


さらに、インターネットを誰の費用で行っているかという調査では公費26%、自費45%、公費と自費9%と報告している。また、使用操作システムとしてはWindows95/98 92.3%、WindowsNT5.7%、Linux0.9%、UNIX0.8%、その他0.3%等となっている。なお、一週間あたりの利用時間は一時間以内4%、一時間以上五時間以内31%、五時間以上十時間以内29%、十時間以上36%である。利用場所は職場50%、家44%、インターネットカフェ3%、その他3%である。 利用する主な目的は情報リサーチ95%、電子メール94%、無料ソフトの獲得77%、交流42%、遊戯・娯楽35%、IP等新しい技術19%、ショッピング15%である。よく利用する情報源は科学技術関連76%、経済・政治ニュース関連66%、レジャー・娯楽・スポーツ関連65%、商業リサーチ関連51%、教育関連40%、金融証券関連34%、就職情報関連30%、広告関連24%となっている。このように個人が情報を 入手する手段としてインターネットを利用しているのがこの調査報告から読み取れる。


インターネットカフェ
 インターネットが中国で普及につれ、各地でインターネットカフェが繁盛している。インターネットカフェとは、パソコンを使って、学習や情報検索、交換等のサービスを提供する場所で、今、上海で営業登録しているインターネットカフェは100軒以上、さらに1、000軒以上が現在営業申請中という繁盛ぶりである。利用料は一時間15元(100円)ぐらいで、上海一般サラリーマンの月収は約1000元で昼食代程度の値段とあってサラリーマンの利用が最も多い。インターネットカフェはパブリック・パソコンショップともいい、 当初は地域限定ネットサーフィンのサービス提供とパソコンレンタルを主要業務としていたが、現在は既にインターネットサービス提供の方に主流が移りつつあり、これを通じ電子メール送受信、情報観覧、問い合わせ、ネットサービスを提供するようになってきている。しかし、現在その多くがネットワークのテクニカル・サポート、情報安全管理などを欠いているために、インターネットカフェは単なるパソコンゲームセンターと化しているのが実態である。


一部の経営者はこれを表看板に、賭博やポルノなどを電子ゲームをさせている。そこで、中国の公安部、情報産業部、文化部および国家工商行政管理局は最近、共同で通達を出し、「インターネットカフェ」の安全管理を強化するため、新たな制限規則を出し、経営者と消費者は国家の安全を害し、社会の治安秩序に影響し、大衆の合法的権益を害する違法・犯罪活動を行ってはならないとしている。さらに、中国政府はこのほど、インターネットなどコンピューターによる国際情報ネットワークの利用を管理するため、 国家機密の漏えいやポルノ情報の入手を禁止する内容の暫定規則を制定、施行した。違反すれば、刑事訴追することもあるとしている。ネットワークに接続する業者は機密管理の制度や技術を備えた企業などに限られ、政府の許可を受ける必要があるとした。勝手に接続した場合には業務停止を命じられ、一万五千元(約二十万円)以下の罰金が科されるようになった。




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