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今求められる国会の機能強化
反町勝夫 アメリカと日本の政治システムを考える

党と委員会の関係
中林美枝子氏
LEC東京リーガルマインド
代表取締役会長
反町勝夫
VS 連邦議会上院予算委員会スタッフ
中林美恵子氏


反町
 議会は政党で成り立つわけで、委員会も党の活動の延長になっているわけですね。

中林
 その通りです。

反町
 党と委員長になった人との活動の関係は?

中林
 党のトップは選挙で選ばれます。上院と下院はバラバラで、あらゆるレベルで両院は別々です。両院協議会で、またチャンチャンバラバラをやらなければならなかったり。一応上院は上院、下院は下院で党のトップの人、日本の党三役のような人を選出します。その時、候補が自分はこういう政策でやりますと表明しながら、票を集めます。

反町
 その費用は?

中林
 国から出ます。そして議員会館ビルのような中にオフィスを構えています。ただ選挙用の組織やオフィスはまた別にあります。

反町
 日本では国の助成金は一人当たりいくらと、まとめて党に振り込みますから、それを割り振る党幹事長が大きな権限を持つわけです。

中林
 アメリカではそれはないですね。党の金もありますが、個人事務所も十分もらっていますから。また委員長になれば、そこにも自分の組織を持てますから、相当のパワーを持つことができる。でも委員長以下の一般委員たちは委員会にいるような専門のスタッフを抱えられない。そうなった場合、自分が所属する委員会の政策事項に関して知識のあるスタッフを探してきて、自分の個人事務所に置くことが必要です。そうすれば委員会での主張もカバーできるわけです。それがいい案であれば必ず取り上げられますから。

反町
 委員会のメンバーは選出された議員の数で変わるわけですね。

中林
 そうです。アメリカは二大政党ですから、議会の多数党、つまり選挙でどちらが勝ったかで、議員数が変わり、委員会で持てるスタッフの数が変わり、オフィスも変わる。すべてが変わるわけです。

反町
 共和党の委員長も少数党の民主党の議員の意見もくみ上げなければならない?

中林
 少数党には、「ランキングメンバー」という 一番長老のメンバーがいて、その方が別にスタッフを抱えることができます。とは言ってもスタッフの数はまったく違います。スタッフの数は減っても、対策はすべて自分のスタッフでやるわけです。
 どの委員会に所属するかが議員生命に直結すると言われますが、それは委員会での専門性や発言力が議員の力として解釈されるからです。どのように自分の政治能力を発揮し、スタッフをどれだけ使えるかが、議員の委員会での活躍に直結するのです。
 委員会レベルでは国政に重点が置かれます。私が所属する予算委員会であれば、冷戦が終結した今後、軍事費をどうするのか?どのような教育をすれば、コンピュータ時代にアメリカが世界のトップを走ることができるか?高齢化社会を迎えたとき財政をどうすれば高齢者を支えられるか? そのようなことが委員会の課題となります。

反町
 委員長は重要な役割を担うわけですね。

中林
 特に上院の場合、年功序列制度が根強く残っていて、委員長は長老の役目となります。委員長は、自分の選挙区のための政策と委員会での仕事をうまく融合させることもでき、個人事務所のスタッフと委員会スタッフは同じボスを戴くという関係で結ばれます。委員長が地元で何を発言し、何をしたかは、委員会でも把握されなければならない事項です。

反町
 委員長には大変なリーダーシップと政策の立案能力、理念が必要ですね。さらに地元との付き合いもある。相当なバイタリティが求められますね。

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