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厳しい時代における弁理士

羽鳥 亘氏(羽鳥国際特許商標事務所所長)

聞き手:反町勝夫 株式会社東京リーガルマインド代表取締役

群馬県に事務所を構え、弁理士としてご活躍されている羽鳥先生は、全国各地の小中学校で知的財産や弁理士についての普及活動も行っている。最前線でご活躍される羽鳥先生に、弁理士の現状、展望をお話しいただいた。


■ 活性化している群馬の弁理士

反町

羽鳥先生は群馬県で弁理士としてご活躍されていますが、現在、群馬県には何人くらい弁理士がいるのでしょうか。

羽鳥

一昔前はそれほど多い数ではなかったのですが、11月現在17人になっていますね。

反町

私は群馬県出身なのですが、群馬出身の人は群馬に帰ると感じております。

羽鳥

そうですね。群馬県出身の弁理士は、群馬で開業する方が多いように見受けられます。

反町

地元に戻ったほうが、何かとやりやすいのかもしれませんね。

羽鳥 亘氏(羽鳥国際特許商標事務所所長)

羽鳥

そうですね。群馬の活性化にもつながってよいことかと思います。ただし、今は、受かって独立する方よりも企業に入るという方もいますね。

■ 企業合併がもたらす弁理士への影響

反町

企業でもスペシャリストを求める時代になっていますから、羽鳥先生がおっしゃるように弁理士も企業に入る方は増えてきていると思います。近年、その企業の合併等が進んでいますが、弁理士にはその影響がどのように出てきているのでしょうか。

羽鳥

企業の合併においては、一方の大きい企業の弁理士が担当になって、もう一方の企業の弁理士は仕事がなくなってしまうようなことが多いですね。大きいところに集約されます。

反町

監査法人もそうですね。合併するたびにひとつになって、事務所が減ってしまいます。仕事が2倍に増えても、売り上げも2倍、報酬も2倍ではないですからね。 現在、大きな不況になって企業も苦しくなっていますから、弁理士は独立して地盤を固めて仕事をする方がいいというところもあるのでしょうか。

反町勝夫 株式会社東京リーガルマインド代表取締役

羽鳥

独立する方がいい、企業に入る方がいいとどちらがよいとは言えませんね。独立して地盤を固めるにしても、それなりに人脈を活かして仕事を取ってくるバイタリティが必要です。資格を持っているだけでは、仕事を取ることはできません。特に、現在、東京では、大きな事務所に仕事が集約される傾向があり、大きな事務所には弁理士数十人で総スタッフ数百人という規模の事務所もあります。企業が、一人しか弁理士がいない事務所には、あまり依頼しない状況があります。運転資金だけでもかなりかかりますし、東京で独立開業して弁理士が一人というのは、かなり厳しいと言わざるを得ない状況です。

反町

自分の特性、ニーズ、場所よく見極めないといけませんね。

羽鳥

このような生き残りをかける戦いが繰り広げられている厳しい状況においては、自分の立ち位置をどのように考えていくかということが、益々求められると思います。自分を特徴付けし、弁理士としての自分の個性を出せるようにしていかないといけません。これからの弁理士は、「これが俺だ」というのがないと生き残れないでしょう。

反町

企業で即戦力が求められていることと同様ですね。

羽鳥

弁理士会の新人研修でも実務に一切かかわったことのない方が半分近くいるのですが、そのような方は就職も難しいのが現実です。

反町

新入社員くらいの給料でよければよいかもしれませんが、弁理士としての給料となると厳しいでしょうね。

羽鳥

以前は、弁理士試験の合格者数も少なく、弁理士資格があるというだけでも需要は高くて、余裕がありました。しかし、現在では、弁理士の事務所でも、2〜3年かけて育てるという余裕がありません。ただ「弁理士試験に受かりました」、「弁理士の資格を持っています」と言われても、「弁理士としての仕事をやったことがありません、できません」というのでは、採用は厳しいでしょう。

■ 弁理士の普及活動

反町

羽鳥先生は、知的財産や弁理士について知ってもらう普及活動を、全国規模で小学校や中学校でもなさっているようですが。

羽鳥

この授業で使う教材ですが、思わぬ副作用として、対象が小中学生ということでわかり易く作ってあるので、中小企業の初心者向け講演会資料としても使用されていて、好評を戴いています。

反町

どのような教材なのですか?

羽鳥

パワーポイントで動く、電子紙芝居というものです。先月インドネシアに行ってきまして、インドネシア語でこれをやりましたら、非常にウケまして。裏話をすると、インドネシア語に翻訳した台本の読み方を通訳さんにカタカナふってもらって、それを読んだだけなんですが・・。

対談風景

反町

インドネシアでも実施されたとは、すごいですね。そのような普及活動は、全国の弁理士会支部でもやっているのでしょうか。

羽鳥

全国の教育機関等各種公的団体からの要請に応じる形で全国各地の弁理士の協力を得て実施しています。

反町

羽鳥先生は地元の群馬が多いのでしょうか。

羽鳥

私は過去、全国各地で授業を行いましたので、地元の群馬ばかりということはないです。全国的な傾向としては、近畿地方や東海地方で授業を行う件数が多いです。

反町

羽鳥先生は、日本弁理士会副会長といった大変お忙しい職務に当たられているにもかかわらず、特定侵害訴訟代理の試験に第1回目で受かられ、お仕事がますますおいそがしくなっているのでは。

羽鳥

現在、特定侵害訴訟代理の試験に受かっている弁理士はかなりおり、2,000人くらいいるのですが、日本全体の年間知財訴訟件数が500件くらいですので、日本全体の弁理士が携わる訴訟関係はそれほどでもありません。 私の場合、幸いなことに、年に1〜2件、地元群馬で、(残念ながら)被告側の代理人として知的財産事件に携わらせていただいております。

反町

わが国は、ものづくり立国が限界に達しており、これからますます知的財産戦略が重要になってきます。厳しいこの経済から脱却し、活路を見出す上で弁理士の方々のお力は必要不可欠です。羽鳥先生には、ますますご活躍いただきたいと思っております。本日はありがとうございました。

≪ご経歴≫

羽鳥国際特許商標事務所所長
羽鳥 亘(はとり わたる)
1980 年成蹊大学法学部法律学科(紋谷ゼミ)卒業。1980年東京三洋電機(株)(現 三洋電機(株)東京製作所)入社(特許部)。1985年弁理士試験合格、同年弁理士登録。松山・高矢特許事務所を経て1987年羽鳥国際特許商標事務所を開業。2000 年度前橋商工会議所青年部代表幹事。2005 年度群馬県高等学校PTA連合会会長・全国高等学校PTA連合会理事。現在、日本弁理士会副会長。群馬県知的財産戦略会議委員、グッドデザインぐんま選考委員、発明協会群馬県支部発明相談講師等の肩書を持ち、東京だけでなく郷土群馬県を中心に幅広い地域で活動を行っている。

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