行政書士試験ガイド
2007年(平成19年)度行政書士試験について
2007年(平成19年)度行政書士試験合格発表を受けて
LEC総合研究所 行政書士試験部 2008/01/28
1. 平成19年度本試験の結果
1月28日に財団法人行政書士試験研究センターから平成19年度本試験結果が発表されました(申込者81,710名、受験者65,157名、合格者5,631名、合格率8.64%)。合格者数3,385名、合格率4.79%であった平成18年度本試験の結果と比べると、合格者数・合格率ともに大幅に増加しました。なお、今年度においても「補整的措置」は採用されず、例年通り、法令科目5割以上、一般知識科目4割以上、かつ全体の6割以上を得点した方は全員合格しています。
2.平成19年度本試験全体講評
今回の試験で新試験2回目となりましたが、基礎知識重視という傾向に変化はみられません。平成19年度本試験の特徴としていえることは、五肢択一式で空欄補充形式の問題が比較的多かったということ(問題2、問題3、問題15、問題34、問題49、問題51、問題60)、そして、民法で学説からの論理的帰結を問う問題が初めて出題されたこと(問題28)等です。もっとも、空欄補充問題は決して難しい問題ではありません。また、民法は択一式・記述式ともに難問が多数出題されましたが、6割得点すれば合格する行政書士試験では、民法での失点は不合格の主な要因にはならなかったようです。
なお、執筆者は当初、平成19年度本試験において民法の記述式問題が昨年度と比べて相当難化していたため、合格率はほぼ横ばいか、やや低下するのではないかと予想していました。しかし、本試験後に、相当数の受講生の方々から「自己採点してみたら択一式問題の得点のみで180点に達していました。」という報告を頂いて、予想を上方修正しなければならないと考えました。そして、蓋を開けてみると、合格率が昨年度の2倍近くに迫る勢いで上昇していました。
では、平成19年度本試験は易しかったのかというと、答えは「否」です。数字の上では「易しい」ということになるのかもしれませんが、個々の問題を検討してみると決してレベルの低い問題ではありません。例えば、平成19年度行政書士本試験の解答速報の作成協力者の中に、平成19年度新司法試験に合格した法科大学院卒業者がいたのですが、その方は、問題8をみて「こんなに難しい問題が出るのか」と驚いていました。確かに、問題8は、知識だけではなく現場思考も要求される問題です。しかし、合格レベルにある受験者はほぼ全員が正解しています。ですから、なぜ合格率が高くなったかを考えると、やはり受験者全体の意識およびレベルが向上してきたことに起因するというべきでしょう。同じ8%程度の合格率でも、10年前の行政書士試験の問題と比較すると、明らかに難易度は高まっています。
3.今後の学習にあたって
基本的な試験対策方法は不変です。すなわち、基本的な条文知識(趣旨・要件・効果)と基本的な判例知識(判例による条文解釈)をマスターし、これらの基礎力の上にさらに問題演習を行うという正攻法の学習を実践することです。平成20年度本試験の受験者の方は、これから約9ヶ月にわたって試験対策をしていくわけですが、9ヶ月間でできることは限られています。これから学習を開始される方もいらっしゃると思いますが、9ヶ月間の対策でも、予備校を上手く利用すれば合格することは可能です。逆に、予備校を一切使わずに受験しようとすると、試験合格に必要な基本的知識の全容を把握しきれずに本試験当日を迎えることになりかねないので注意しましょう。
最後に、再受験をされる方に一言申し上げておきます。「こんなことは分かりきっているから、もっと難しいことを勉強したい」という慢心は禁物です。どんなに偉大な学者でも一生をかけて一つの法律の解釈すらきわめられないというのが学問の現実です。そのような「学問」の世界に迷い込んでしまうと、なかなか抜け出せません。基本事項の習熟に務めること、既に一度学んだことを色々な角度から見直してみること、そのための素材として問題演習を利用すること、これらの諸点を常に念頭に置きながら今一度基本を見直す学習をしてください。
出願から合格発表までの流れ [ 2007年(平成19年)度の場合 ]
| 願書配布/願書受付 | |
|---|---|
| 受験資格 | 年齢・性別・国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。 |
| 受験願書の受付期間 | 8月6日(月)から9月7日(金)まで (インターネット受付は9月4日(火)午後5時まで) |
| 願書の提出先 | (財)行政書士試験研究センター |
| 願書の提出方法 | 郵送およびインターネット受付 |
| 受験料 | 7,000円 |
| 本試験 | |
|---|---|
| 試験日 | 11月11日 日曜日(午後1時から4時の3時間) |
| 試験科目 | 行政書士の業務に関し必要な法令等(46題) |
| 憲法、民法、行政法(行政法の一般的法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法を中心とする)、商法(会社法)、基礎法学 ※平成19年4月1日現在施行されている法令に関して出題される。 |
|
| 行政書士の業務に関連する一般知識等(14題) | |
| 政治・経済・社会 情報通信・個人情報保護 文章理解 |
|
| 出題形式 | 法令等は択一式及び40字程度の記述式問題 一般知識等は択一式問題 |
| 合格発表 | |
|---|---|
| 合格発表日 | 平成20年1月28日(月)午前9時 |
| 合格発表日 | (財)行政書士試験研究センターにて合格者の受験番号を提示します。また受験者全員に合否通知書が郵送されます。 |
各内容は、本試験の実施要綱によるものです。
試験概要は変更になる場合があります。
- 行政書士試験に関するお問い合わせは
- 財団法人 行政書士試験研究センター
〒100-0012東京都千代田区日比谷公園1番3号市政会館1階
電話番号(試験専用) 03-5251-5600
ホームページ http://gyosei-shiken.or.jp
データでみる行政書士試験
最近の受験データ
| 年度 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 平成19年度 | 81,710人 | 65,157人 | 5,631人 | 8.64% |
| 平成18年度 | 88,163人 | 70,713人 | 3,385人 | 4.79% |
| 平成17年度 | 89,276人 | 74,762人 | 1,961人 | 2.62% |
| 平成16年度 | 93,923人 | 78,683人 | 4,196人 | 5.33% |
| 平成15年度 | 96,042人 | 81,242人 | 2,345人 | 2.89% |
| 平成14年度 | 78,826人 | 67,040人 | 12,894人 | 19.23% |
| 平成13年度 | 71,366人 | 61,065人 | 6,691人 | 10.96% |
上のデータを見てください。年度ごとの合格率にずいぶん差があります。これは、行政書士試験が絶対評価の試験であるためです。つまり、いわゆる“定員”を設けていないため、その年度の問題の難易度がそのまま反映するのです。ということは、合格率を気にする必要はなく、所定の合格ラインを超えることだけを目指して学習すればよいということです。もっとも、近年の難化傾向は明らかで、ここからも行政書士が、価値ある資格になっていることがうかがえます。
平成19年度合格者像
ほとんど全世代にわたって合格者が出ています。受験者層の幅広さが反映されています。将来のために資格を取得したいと考える20代〜30代が約8割を占めていますが、“生涯現役”を望む40代以上の方も健闘されています。

※上記掲載の各データは(財)行政書士試験研究センターより発表されたものです。