2005年度 行政書士 試験講評
2005年10月24日
LEC総合研究所 行政書士試験部
2005年度本試験をふりかえって
1.はじめに
今年度の本試験は、全体的に応用力を問う問題が多く出されました。ここで「応用力を問う問題」とは、2つの意味において捉えることができます。一つは、基礎知識に基づいて現場で思考するタイプの問題です。もう一つは、普段の学習であまり触れない発展的知識を問うタイプの問題です。今年度の試験に関しては、前者のタイプの問題も若干あるものの、全体的には後者のタイプの問題数が多く、特に記述式問題にその傾向がみられました。その結果全体的な得点は伸びなかっただろうと推察されます。
以下、科目別にみていきましょう。
2.法令科目・択一式
出題数の内訳については、昨年度と比べてみると、行政書士法が1問減り、民法が1問増えました。一昨年以来の出題数の変化をみると、民事法関連科目の比率を高めようとする意図は明白です。そして、法令科目・択一式では、判例の知識を問う問題が数多くみられました。日頃の学習において、判例を丹念に学習していた受験者にとっては有利な問題といえますが、一般の受験者にとっては厳しい問題だったのではないでしょうか。問題3や問題6のような基本問題をとりこぼさずに確実に得点していくことが合格の必須条件といえるでしょう。
3.法令科目・記述式
憲法の記述式問題(問題36)で、一般の受験者の学習レベルを明らかに超えた問題が出題されていました。問題37の「行政審判」と「実質的証拠」も難しい問題でした。総じて、記述式問題は難しかったといえます。
4.一般教養科目
昨年度のようなエキセントリックな問題は影をひそめ、オーソドックスな問題が出題されていました。一般教養科目だけで不合格となる受験者は今年度に関しては少なくなるのではないでしょうか。
5.総括
今年度本試験は、全体的に難しいものでした。特に記述式での失点を、いかに択一式問題で挽回できるかがポイントだったといえます。その意味でも、基本的な条文知識と基本的な判例知識をマスターし、これらの基礎力の上にさらに問題演習を行うという正攻法の学習法の重要性を再認識させられたということもできるでしょう。
※2005年度行政書士本試験問題50について
LECでは、本問の正解番号を「5」と発表しております。
その根拠は、Dの「指導・監督を行う」という個所が誤りと判断したことによります。つまり、銀行の監督を行うのは、金融庁であって、日本銀行ではないと判断したのです。しかし、Cの「法定外の公債の引受」とは何を指しているか不明確であり、Cも誤りである可能性があります。Cも誤りだとすると正解が肢4と肢5となり、正解が確定できないことになります。
そこで、LECでは、さしあたり正解番号を「5」のままにしておきますが、今後さらに検討を加えた上で変更する可能性があるという点についてご了承ください。
以上




