行政書士

行政書士試験

行政書士の試験/科目ごとの特性について

合格のためのポイントは、①民法と行政法の理解に重点を置くこと、②一般知識で基準点である40%以上を確保することにあります。
民法と行政法は、法令科目では77%(188点/244点中)、総合点では63%(188点/300点中)を占める重要科目です。 ここでは、科目ごとの特性について分析します。

憲法・基礎法学について

憲法

出題のウェイト

1. 憲法の出題数

「憲法」については例年,五肢択一式が5問,多肢選択式が1問出題されています。
法令科目の中では配点が高いとはいえませんが,多くの受験生が得点源としている科目ですから,差をつけられないようにするためにも,しっかり学習する必要があります。
また,問題1・2「基礎法学」,問題3〜7「憲法」となっていることから,問題1から順番に解いていく受験生にとっては,試験開始後すぐに解き始める科目となります。「憲法」で調子を崩してしまうと「行政法」や「民法」にも響きかねませんから,「憲法」を苦手科目とすることは避けたいところです。

2. 憲法の出題傾向および対策

「憲法」は,比較的正解しやすい問題が多い科目です。
ここ数年の傾向として,かなり難易度の高い問題が1問ほど出題されています。しかも,「憲法」の最初の方に出題されることが多いため,本試験の序盤で解答のペースが乱れて,結局,本来の実力を発揮することができないという場合が少なくありません。しかし,それらの問題には,学習経験を積んだ受験生でも正解できないようなものも含まれていますから,解けなくても気にする必要はありません。それよりも,平均的な難易度の問題を確実に解く実力を身につけることが重要です。「自分にわからない問題は,他の受験生にもわからない」と思えるようになれば,本試験でもあせらずに本来の実力を発揮することができます。

基礎法学

出題のウェイト

1. 法令科目上,最も「割切り」を求められる科目である。

基礎法学は,その名のとおり「法学」の「基礎知識」が出題されますから,この分野を網羅的に学習するというのは効率がよくありません。年度によって出題される範囲も難易度も統一性がなく,受験生泣かせの科目です。勉強をつめていこうとすると,学習範囲が際限なく広がってしまうため,深入りするのはやめましょう!

2. 手を広げようとせず,過去問をしっかり頭に入れること。

例年2問しか出題されないため,学習範囲を広げるメリットがありません。ただし,2問中1問は比較的易しめの問題が出題されます。そのような問題は,とりこぼしたくないところです。テキストに記載されている範囲に的を絞り,過去問をしっかり頭に入れておけば,必要にして十分でしょう。

3. 傾向と対策

2014年度の1問目は「法令用語」に関する知識を問う問題でした。近年の本試験では時事的な内容の出題にも注意が必要ですが,少なくとも1問は基本的な法令用語や法原則等に関して出題されます。やはり,テキスト等で基礎知識を確認しておくことが重要です。

4. さらにひとこと

2005年度以降,司法制度に関する問題が頻出です。「近年の司法制度改革」に関する知識として,裁判員制度や法科大学院についても確認しておきましょう!

ページTOPへ

民法について

出題のウェイト

1. 出題の状況

民法は,例年,5肢択一式9問(36点),記述式2問(40点)の出題となっています。得点ベースでは全体の約25.3%と行政法に次ぐウエイトを占めており,合格するためにはこの民法の攻略が不可欠です。
民法の出題形式として注意しなければならないのは,「記述式」の存在です。
記述式は択一式と比べ,より本質的な力が試されます。
そこで,学習は丸暗記ではなく「理解」を中心に進めましょう。

2. 学習のポイント

民法の学習の中心は,総則,物権,債権の3分野であり,中でも特に債権からの出題が近年目立っています。
そして,出題内容の特徴として「事例形式」(Aさん,甲土地等)を挙げることができます。事例形式の問題は,条文を知っているだけでは解けません。「①与えられた事例を正確に把握する⇒②適用すべき条文や判例を思い起こす⇒③具体的問題を解決する」という総合力が要求されます。つまり,単なる知識そのものではなく,持っている知識を具体的事例にあてはめて使えるかどうかがポイントとなります。こうした能力は問題演習によって培われますから,本過去問をはじめ良問を数多く解くようにしましょう。ただし,その過程で現われる難問・奇問にとらわれ,学習範囲を広げすぎてはいけません。メリハリある学習を心掛け,例年出題される代理,抵当権,売買,不法行為といった項目を確実に得点できるようにしましょう。

3. 学習のコツ

民法の奥深さから苦手意識をもってしまい,理解を妨げてしまうことがあります。こうした悪循環に陥らないように注意しましょう。民法は,「私法の一般法」であり,法令科目の中で「最も身近な法律」です。ぜひ,事例を自分自身に置き換え,興味をもって取り組んでください。きっと,学習するほど面白味が増し,得意科目とすることができるはずです。

ページTOPへ

行政法について

出題のウェイト

1. 「行政法」を得意科目にしなければ,試験合格はない!

行政法の分野からは,全60問中22問(多肢選択式2問,記述式1問を含む)が出題されています。得点にして112点,全体の37.3%の配点です。したがって,行政書士試験における最重要科目といえます。

2. 出題範囲が広いので,「メリハリ」を付けた学習が必要である。

(1)行政法総論

この分野は,拠りどころとなる単一の条文が存在しないため,苦手意識を持つ受験生が多く存在します。ただし,行政強制や行政立法など,試験で頻出の論点を押さえておけば得点源になりやすい分野ですので,過去の出題状況を必ずチェックしてください。

(2)行政手続法

この法律に関して出題される本試験問題の多くは,条文知識を問うものですので,学習の際に日頃からしっかりと条文を見ていれば,必ず得点源とすることができる分野です。

(3)行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法

この分野は,まず条文を理解することから始め,重要な条文については,判例まで理解する必要があります。なお,行政不服審査法と行政事件訴訟法は,やや類似しているため,各制度の内容,手続,効果の違いを意識しながら,学習するように心掛けてください。また,記述式問題では,最近9年間のうち6回が行政事件訴訟法からの出題でした。したがって,記述式問題も意識して学習をする必要があります。

(4)地方自治法

地方自治法は,条文数を見ると膨大であるように思えますが,憲法との対比,地方自治の本旨に関する理解,財務の公正確保に関する制度等,押さえておくべきポイントは限られています。この分野に関しては,条文全てを読み込む必要はありません。ポイントを押さえて,得点源にしましょう。

行政書士法と行政法について

ページTOPへ

商法・会社法について

出題のウェイト

1. 商法・会社法の出題数

「商法・会社法」については,例年,五肢択一式が5問出題されています。その内訳は,最近9年連続で「商法」が1問,「会社法」が4問です。この配分は,今後も踏襲される可能性が高いといえるでしょう。

2. 商法・会社法の出題傾向と受験生の現状

「商法・会社法」は,条文数が多いこともあり,学習を先送りにしてしまう方もおられるようです。
しかし,基礎的な知識があれば正解に達する問題も少なからず出題されますから,そこはやはり得点しておきたいところです。

3. 商法・会社法の学習方針

「商法・会社法」の学習においては,細かい知識を暗記する必要はありません。先に学習時間を決めて,大事なところから効率よく学習しましょう。
「商法」については,民法と比較しながら学習を進めていくと効果的です。
「会社法」については,株式会社の設立・運営などに関する基本的なルールを,他人にもおおまかに説明することができるように,筋道を立てて理解しておきましょう。特に,株式に関するルールと,各機関の権限や責任を整理しておくことがポイントです。

ページTOPへ

一般知識について

出題のウェイト

政治経済社会

1. 出題範囲

行政書士試験で出題される一般知識科目14問のうち「政治・経済・社会」は,7問〜8問出題されています。「政治」では,各国の政治制度(議院内閣制,大統領制等),日本の選挙制度,行政改革などが出題されています。また,「経済」では,財政問題,金融政策の基本的理解が問われます。さらに,「社会」では,これら以外の社会問題,すなわち社会保障制度や環境問題などを素材とした出題がなされています。

2. 学習のポイント

2006年度から新試験制度となり,法令重視の試験に変化したとはいえ,依然として,法令科目・一般知識科目のそれぞれに「基準点」が設けられています。各科目が基準点に達しなければ不合格になってしまうので,一般知識の科目といえどもおろそかにはできません。ただし,学習の中心はあくまで法令科目ですので,一般知識の科目はあまり時間をかけないで効率よく学習することが大切です。
「政治・経済・社会」の対策として,まずは高校までに学習した政治経済や現代社会の教科書に出てくるような基礎知識を習得し,その後,それに絡んだ時事的な知識を上積みすることが必要です。
基本事項に関連する時事的な知識を身につけるためには,普段から新聞やテレビのニュースに対して自分なりにアンテナを張り巡らせておくことが必要です。最終的には,予想問題・模擬試験等を利用して,知識の上積みをはかりましょう。

情報通信・個人情報保護

1. 「情報通信・個人情報保護」とは

社会のIT化が急速に進み利便性が向上する中,その裏では情報漏えい等の諸問題も増加しています。こうした社会の変革期の中,これからの行政書士にとって,この分野の知識は必要不可欠といえます。オンライン申請,お客様の個人情報の取扱い,事務所のホームページ作成等,「情報通信・個人情報保護」の分野は合格後の実務において必ず役立つ知識になっています。

2. 出題範囲

行政書士試験で出題される一般知識科目14問のうち「情報通信・個人情報保護」は,3問〜4問出題されています。
「情報通信」では,インターネット等の情報・通信技術に関する基本的な知識と行政手続オンライン化法,電子署名法,迷惑メール防止法,e−文書法等の関連法規が出題されています。
また,「個人情報保護」では,個人情報保護法,行政機関個人情報保護法の重要条文の理解が問われています。

3. 学習のポイント

「情報通信」の分野は,インターネットに関連する用語をしっかりおさえることから始めましょう。用語の理解が前提になっている問題が多く,中には用語の意味を知っているだけで正解に達する問題もあります。深い知識というよりは,一定の知識を幅広く身につけることが大切です。さらに,これらに関連する法令問題があります。これらは重要条文を理解しておけば正解に達する問題がほとんどですので,ぜひ得点源としたいところです。
「個人情報保護」の分野は,法令科目同様に重要条文をしっかりおさえることに尽きます。特に一般知識の中では,最も学習の的が絞りやすく,短期間で得点に結びつけることができます。出題された問題は必ず正解するという意気込みで学習に取り組んでください。

文章理解

1. 文章理解への対処法

出題形式には,要旨把握型,並べ替え型,空欄補充型,下線部説明型等さまざまな形式がありますが,各形式ごとに一般的な解法があります。まずは,この一般的な解法を確認し,実際に問題を解いて,解答の導き方,論理の流れについて意識し,問題慣れすることが大切です。例年3問出題される文章理解は,一般知識科目の中で得点源にできる科目です。ぜひ,全問正解を目指してください。

2. 要旨把握型

要旨把握型の問題は,漠然と文章を眺めるのではなく,その文章または段落で述べられていることが「筆者の意見」であるのか「筆者の用意した具体例の説明」等であるのかを区別しましょう。その際に,文末が「〜と考える」「〜せねばならない」「〜なのではないか」となっている文章は,筆者の意見を探す手がかりになるはずです。また,繰り返し使われている言葉,出典等も,要旨を把握するうえで重要な手がかりになります。

3. 並べ替え型

並べ替え型問題を正確に解答するための最も重要な点は,①先頭にくる文の確定と,②グループ化の2点です。 まず①について,「しかし」等の接続詞や,「その」等の指示語で始まる文は原則として先頭にくることはないため,この時点で,ある程度正解肢の候補を絞り込むことができます。また,②の「グループ化」のコツは,キーワードに着目すること,接続詞に着目することです。グループ化に成功すれば,あとはグループ間の前後関係を話の展開や時系列等を根拠に見極め,正解を目指しましょう。

4. 空欄補充型

空欄補充型の問題を解くコツは,①文章全体の要旨をおおまかに把握すること,②空欄の前後の語句,表現に注意すること,③空欄を補充した上で通読し,論旨に矛盾がないことを確認することの3点です。

おためしWeb受講制度

ページTOPへ