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2005年1月13日 NO.05-002
国家資格

行政書士試験 合格率急落の 「なぜ ? 」
■合格率5%台の超難関国家資格になった行政書士試験
■梅毒 ? ジフテリア ? 蒸気機関車 ? 電灯 ? -- 難問 ・ 奇問
■出題ミスも ・ ・ ・

各種資格 ・ 国家試験の総合スクール「LEC ( れっく ) 東京リーガルマインド」は、行政書士試験の合格発表を受けて、データ ・ 試験問題の分析を行いました。
平成17年1月13日、財団法人行政書士試験研究センターから、平成16年度行政書士試験の合格発表が行われました。合格者の受験番号と同時に公開されたデータによると、 [1]受験者数の減少傾向が続いていることおよび [2]試験制度が変更された平成12年度以降で2番目に低い合格率となり、引き続き難化傾向が続いていること、 [3]特に一般教養科目の問題が難化し足切り点 ( 基準点 ) に達すること自体が難しい試験であったという、本年度の特徴を読み取ることができます。
LECは今後も、各種資格試験の受験動向、最新情報をいち早く入手、分析し、皆様にお知らせしてまいります。

<<平成16年度行政書士試験結果分析>>
1. 受験者数 ・ 合格者数、ともに減少傾向に歯止めがかからず
平成12年度に行政書士試験制度が改正されて以降、受験者数 ・ 合格者数は順調に増加してきました。
特に、平成14年度には合格者がはじめて 12,000 人を突破し、社会における資格の認知度も大幅に上昇しました。しかし、平成15年度の合格者数は文字通り激減、それに併せて平成14年度に 19.23% あった合格率は平成15年度には 2.89% になり、大きな衝撃が走りました。平成16年度は、そのあおりを受け、受験者数は 6,000 人強の大幅減少、合格者数も減少傾向が続いています。
( 参考 ・ 行政書士試験研究センター : http://gyosei-shiken.or.jp/ )
(図) 受験者・合格者数の推移

行政書士試験合格率推移
年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成12年度 51,919 44,446 3,558 8.01%
平成13年度 71,366 61,065 6,691 10.96%
平成14年度 78,826 67,040 12,894 19.23%
平成15年度 96,042 81,242 2,345 2.89%
平成16年度 93,923 78,683 4,196 5.33%

2. 合格率急落の「なぜ ? 」
なぜこのような合格者数の減少傾向および合格率の急落といった状態が生じているのでしょうか ? 理由としては2つ考えられます。
理由【1】駆け込み受験による準備不足
ひとつは平成14年度の合格率が 19.23% であったことによる、いわゆる「駆け込み受験」者が平成15年度は例年に比べて多かったため、受験生の準備が充分ではなかった、というものです。しかしこれだけの理由で平成14年度に 19.23% あった合格率が翌年度に 2.89% まで下がるとは考えづらいところです。
理由【2】難問 ・ 奇問、出題ミス
そこでもうひとつの理由として、試験の出題内容に関するさまざまな問題点を指摘することができるでしょう。例えば平成16年度の試験でも、受験生にいったい何を要求しているのかわかりにくい問題、言い換えると実務家登用試験としてふさわしくないような難問、奇問が出題されています。例えば以下の問題を見てください。

平成16年度行政書士試験問題50
日本の科学技術の歩みに関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 1872年に鉄道 ( 蒸気機関車 ) が新橋 ・ 横浜間で開通したのに続いて、その3年後には、電信 ( 有線 ) も東京 ・ 横浜間で開通した。
イ 1833年に日本最初の電力会社である東京電灯株式会社が設立され、4年後の1877年には輸入発電機による火力発電所が完成し、電灯用電力の供給を始めた。
ウ 1890年に志賀潔が赤痢の病原体 ( 細菌 ) を発見したのに続いて、1897年にはフランス滞在中の北里柴三郎がジフテリアおよび破傷風の血清療法を確立した。
エ 1911年、アメリカ滞在中の野口英世が梅毒病原体スピロヘータの純粋培養に成功し、その前後に鈴木梅太郎がオリザニンを発見した。
1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・エ

この問題の正解は2ですが、誤っているア・ウとも年号の違いが解答の決め手となっていました。このような問題が実務家登用試験である行政書士試験に出題されることがふさわしいかどうか、大いに疑問の残るところです。
また、平成12年度以降5年間で3問の出題ミスがありました。一点を争う試験問題の中に、全員正解扱いとされた問題があったことも、不安定な試験結果に少なからず影響を与えていると考えられます ( 平成13年度問題50、平成14年度問題41、平成16年度問題48 ) 。国家試験としてこれだけ出題ミスが相次ぐことは、きわめて異常な事態です。

3. 今後望まれる方向性
平成16年度は、前述のとおり特に一般教養科目について、実務家登用試験としてふさわしいとは言い難い問題が出題され、さらに出題ミスもありました。一般教養科目に限らず、行政書士試験全体について、実務家登用試験と呼ぶにふさわしい出題がなされるべきです。
行政書士実務は、今後更に拡大が期待されています。社会のニーズに対応できる優秀な人材を登用することができるような「実務家登用試験」とすべく、行政書士試験研究センターおよび試験委員に対してより慎重な出題を切に望みます。

※行政書士業務の詳細につきましては、弊社行政書士講座サイト
( http://www.lec-jp.com/gyousei/index.html ) をご覧下さい。

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