添削者から見た受かる答案のコツ(LBM 39〜41を加筆修正)12/26更新「受かる答案を書けるようになるためのコツ」(入門編)「受かる答案」とは、必要事項が書かれており、余計なことが書かれていない答案をいいます。 このように、口で言うのは簡単ですが、現実はそう甘くありません。 なかなか上手く書けないからこそほとんどの人が受験機関に通って答練を受けるなどして対策をとるわけですから。では、どうすれば「受かる答案」を書けるようになるのでしょうか。 端的に言えば、数多くの答案を書いて、かつしっかりと復習することです。 スポーツの場合などと同様に、実践を積まなければ論文のスキルは身につきません。最初のうちは、悪い点ばかりつくことでしょう。しかし、それは誰もが通る道ですから、気にする必要はありません。一番良くないのは失敗を恐れて何もしないことです。とにかく積極果敢に答案を書いていきましょう。点数は気にしないことです。 ただ、随所に示されたコメントや講評は気にして下さい。腹の立つようなコメントをもらうこともあるかも知れませんが、何度も同じようなコメントをもらうようであれば、いわば「警告」として真摯に受け止め、早急に改善を図る必要があります。 例えば、入門者にはよくありがちな「知識不十分です」といった類のコメントを二度以上もらったとします。 そしたら、同じ分野の問題で再度同じようなコメントをもらわぬよう必死に努力してください。 つまり、模範答案、優秀答案及び基本書に立ち帰って知識の確認・理解・暗記を行ってください。 よく、覚えたものを吐き出すといった表現をしますが、知識不十分ということは吐き出すものが入っていないということなのです。 これでは、いくら答練で書く練習をしても意味がありません。実は、この時期はインプットの勉強が非常に有効なのです。 そして、こういった作業を繰り返していくうちに、論文を書くのが次第に苦ではなくなってきます。そうなれば、しめたものです。 「合格」が、かすかながらに見えてきたと言ってよいでしょう。次の中級編に進みましょう。 「受かる答案を書けるようになるためのコツ」(中級編)中級者になると知識も増えてきて、論文を書くことも苦にならなくなってきます。 それは、筆力もついてきて、時間的にA3用紙裏表フルに書けるようになり、しかも、基本問題であれば答案構成もせずにいきなり書けるようになるからだと思います。 さらには、合格点もちらほら取れるようになる時期でもあります。要するに、この時期というのは、勉強しろと言われなくても、自ら進んで勉強できる時期でもあります。 しかし、本試験レベルの応用問題には未だ慣れていないというのが実情だと思います。 このような問題に出くわすと、ついつい基本問題を書くのと同じ要領で書く人が多いのですが、実は間違っています。 基本問題は、覚えた知識を正確に吐き出せるか否かで勝負が決まりますが、応用問題はそうはいかないからです。 基本問題に見えても、まったく異なることを訊いている問題も珍しくありません。そこで、題意把握力の養成が必要になるのです。 パッと見だけでは何を訊いているのか分からないような応用問題にも積極的に当たっていく必要があります。 そこで、中級者には中級者に適した答練やゼミの受講が必要ということになります。初級者・入門者段階はすでに卒業しているでしょうから、 少なくともそれ以上の答練やゼミということになるでしょう。適材適所という観点からはまさに中級者向けの答練がお勧めということになりますが、 いきなり上級者向けの答練に参加するのも一つの手です。要は、自分の今の実力に適切なものを選択すればよいのです。 そして、答練では、自分の答案スタイルがどの程度通用するのか試してみることが重要です。 これまでは、単に暗記したものを再現するだけでしたが、これからはそれらを道具として変幻自在に論文答案が書けるようになる必要があるからです。 自分のスタイルが通用するのだということが確認できれば、どんな問題が出ても、ある程度のことは書けるようになります。 要は、模範答案に拘泥する必要はないということです。もちろん、自分の答案スタイルが確立できていない人は、模範答案を徹底的に研究することが必要です。 自分の答案を模範答案に近づける努力をして下さい。そして、量よりも質を重視するようにして下さい。 基本問題は量で決まることが多いのですが、応用問題・事例問題では、量で勝負は決まりません。質で決まります。書く時間は減っても構いません。 考える時間(答案構成の時間)を増やしてください。余計なことを書く時間もなくなるので、かえって良い点数が取れるようになります。 この時期は、こういった自分がどれくらいの量をどれくらいの時間で書けるのかといった筆力を確認する機会でもあります。では、次の上級編に進みましょう。 「受かる答案を書けるようになるためのコツ」(上級編)さて、それぞれ入門者向け、中級者向けにコメントしてきましたが、ここからは上級者向けのコメントになります。 「8合目合格の原則」を御存知でしょうか。富士山の頂上が目指すべきゴール地点だとしたら、要領の良い人であれば、その8合目付近で合格してしまう(上級者になる前に受かる)という原則です。 ところが、実際は、この原則に当てはまらずに不本意ながらにして(?)上級者になる方が多いわけです。8合目を超えると不思議なことになかなか受からないわけです。逆に、ピークを過ぎて、また8合目に戻ったくらいで合格したりします。 では、答練等では上位に名を連ねているのになぜ本試験突破できないのでしょうか? その原因について考えてみたいと思います。 今回のコメントはまさにその方々のためのものですが、逆にそうならないように中級者の方にも参考になると思います。 (原因その1) 答練のように出題範囲が予め定められているものには強いが、本試験のように範囲の限定がなくなると弱い。 これは「答練」と「本試験」の違いに起因するものです。 確かに、受験機関の答練でもすべて範囲無制限とすればよいのですが、様々な制約上無理があります。 したがって、その辺は、出題範囲無制限の上級ゼミに入るなどして解決を図るしかありません。 (原因その2) 本試験の雰囲気に圧倒されてしまう。 要するに、答練の雰囲気と本試験の雰囲気の違いです。誰もが認めるような実力者が口述試験で落ちたりすることがありますが、 これと同じように、答練でトップを走っているような人が論文試験で落ちることは珍しくありません。 場慣れしている答練会場とは大きく異なる雰囲気に、圧倒されてしまうためだと思われます。 これに慣れるためには、一つの答練だけでなく複数の答練を受けるのが効果的です。 特に通信の方で効果が上がっていないという方は是非、答練会場に足を運んで受ける努力をして下さい。 (原因その3) 余計なことを書いてしまいがちである。 上級者は合格に必要な知識を有していますが、かえってそれが裏目に出ることがよくあります。 自分の得意分野の問題が出たりすると、ここぞとばかりに沢山書くわけですが、結果的に訊いてもいないことを書いてしまっていることが多いという方は要注意です。 答案構成にでも時間をかけてください。そうすれば、余計なことを書かずに済むと思われます。 (原因その4) 「文字が読みにくい」とコメントされることが多い。 点数は良いが「文字が読みにくいです」とか「もっと丁寧に書いてください」等のコメントを付されることが多い方は要注意です。 答練の場合は、あくまでも答案「練習」ですから、採点者側に丁寧に採点する責任があるので、読みにくい文字で書かれていても、 よほどのことがない限りきちんと採点します。しかし、本試験ではそのような保証はありません。 したがって、読みやすい文字で書くに越したことはありません。普段読みにくい文字で書かれている方でもスピードを落とせば、読みやすい文字が書けるはずです。 もちろん、その分だけ書ける量は少なくなりますが、余計なことを書かずに済むという大きなメリットもあります。今一度、自分の答案を振り返ってみて下さい。 以上、気付いた点について述べてきましたが、上級者の場合、実力は十分ですから、上記の点についてのみ注意すれば、容易に合格を勝ち取ることができるはずです。がんばってください。 最後に、くだらないミスが生じている可能性もあります。すなわち、受験番号未記入、答案用紙選択ミス、未完成答案などの「形式的にもかかわらず重大」なミスをしている可能性があるということです。 日頃はこういうミスをしないという方でも、本番はいつもと状況が異なるわけですから、何が起こるか分からないということを前提に、普段以上の注意力をもって臨んでほしいと思います。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||